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第25章

第25章


英雄たちは指定された場所へ到着した。

そこには広大な高原と、巨大な影の壁が広がっていた。


そこで彼らは初めて、アンドレイの第一軍と影の軍勢が真正面から衝突することになる。


遠くから、リザが姿を現した。

主の姿を見つけた瞬間、彼女の表情は喜びに輝いた。


翼はわずかに震え、瞳は強い光を宿している。


「主様!」

彼女は叫び、ほとんど駆けるようにアンドレイへ向かった。


アンドレイは微笑んだ。

その瞬間、リザの心臓は速く跳ねた。


彼は一歩近づき、彼女の手に軽く触れながら静かに言った。


「リザ……ありがとう。すべてに対して」


それは短い言葉だったが、純粋な感謝だった。

その一言だけで、彼女は喜びに息を詰まらせた。


アンドレイは裂け目の端に立った。


「本題に入ろう」と彼は静かに言った。


「リザ、何が起きた?」


彼は暗い裂け目を見つめる。


「最初は何も起きませんでした。音も光もなく、ただ静かでした」


リザは落ち着いた声で説明した。


「しかし突然、裂け目から影の兵士たちが出現しました」


「数は多くありません。想定よりも少ないです。どうやらこのポータルは出現量を制限しているようです」


アンドレイは使い魔の上から地形を観察した。


「確かに……数は少ないな」


「力自体は以前と同じですが、数が制限されています。戦略に組み込むべきです」


アンドレイは少し考えた。


「そうだな。慎重に対応できる」


「裂け目を監視しながら、少しずつ処理していけばいい」


彼は続けた。


「これは大規模な脅威ではないようだ」


リザは頷いた。


「はい。それにより、準備する時間も確保できます」


アンドレイは裂け目を見つめ、わずかに眉をひそめた。


「もしすべての影を殲滅したら、この地域は安全になるだろう」


リザは首を振った。


「それは良くありません、主様」


「なぜだ?」とアンドレイは尋ねた。


「完全に掃討してしまえば、人々がこの地に移住し始めます。旅人も道を開きます」


彼女は冷静に説明した。


「そうなれば、より強い存在が流れ込む可能性があります。どれほどの数になるか分かりません」


「完全殲滅は、結果的に無関係な犠牲を生むことになります」


アンドレイは頷いた。


「確かに……過激すぎるな」


「では別の方法だ。小規模な部隊で、少しずつ影を処理していく」


「混乱を生まないように制御する」


リザは静かに微笑んだ。


「賛成です。その方が確実に状況を管理できます」


アンドレイは全体を見渡した。


「よし。小隊単位で動く」


「各部隊は影を誘い出しながら処理する。大量発生は避ける」


リザは集中した目で頷いた。


「私は第一班を率います。西側を確認します」


「その区域は影の流れが弱いので、迅速に対応できます」


「よし」とアンドレイは言った。


「ドレイクは私と第二班だ。中央と北側を担当する」


「そこが最も密度が高い」


彼は続けた。


「第三班は東側の待機だ。回り込みを防ぐ」


リザが補足する。


「全員、常時通信を維持します。テレパシーと信号魔法を併用します」


「異常があれば即座に共有します」


アンドレイは全体を見渡した。


「目的は殲滅ではない」


「影の流れを制御し、被害を最小限に抑えることだ」


「慎重さを最優先する」


リザは微笑んだ。


「では、開始しましょう。最初の行動です」


各部隊は静かに裂け目の周囲へと散開した。

その動きは統制されており、まるで影の中に溶け込むようだった。


やがて影の兵士たちの数を減らし、流れが一時的に抑えられたことが確認されると、彼らは一度停止した。


「よし」とアンドレイは言った。


「流れは抑えた。状況は一時的に安定している」


彼は使い魔を呼び戻した。


アンドレイはその背に乗り、リザも合流し、ドレイクも黒いフェニックスへと身を預けた。


彼らは焦ることなく、しかし確かな意志を持って空へと舞い上がった。


「次の目的地はウラルだ」とアンドレイは前を見据えながら言った。

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