第34章 軍事遠征
第34章 軍事遠征
アンドレイは地下通路から出ると、ギルドとの緊張した対立の後で疲れを感じていた。空を見上げると、すでに昼食の時間はとうに過ぎていることに気づく。
彼は時間を無駄にせず、近くの酒場へ向かい、体力を回復し食事を取った。
美味しい食事で徐々に気分が落ち着いていく。アンドレイがようやくリラックスし始めたその時、外の騒がしさが耳に入った。街が活気づき、騎士、魔法使い、そして補給係の従者たちが集まり始めていた。
彼は警戒した。まさかギルドが情報を流したのか? しかし違った。どうやら王国軍が出兵の準備をしているらしい。
広場にレオの姿を見つけたアンドレイは、アレクサンドルの姿に変装して近づいた。その瞬間、伝令が駆け寄り、最新の命令を伝える。
「これほどの戦士なら、隊長にふさわしいですね」
アンドレイはそう言った。
レオは笑った。「はは、見抜かれたか。しばらく訓練は中止だ」
アンドレイは驚いた。「戦争ですか? 夜に出発するのですか?」
レオは説明した。「盗賊だ。隣町アムールで盗賊が増えすぎてな、夜襲で一気に制圧する」
アンドレイはまだ理解が追いつかない。「なぜ夜に?」
レオは作戦を明かした。「夜間強行軍だ。敵の拠点を一斉に捜索して不意を突く」
アンドレイは彼に健闘を祈り、軍が迅速に出発する様子を見送った。この世界では動員が驚くほど早い。
インベントリ機能により、兵士たちは大規模な荷車を使わずに大量の物資を携行できる。
軍勢は圧倒的な光景だった。
騎士たちは戦闘用の召喚獣にまたがっていた。力強い馬から獰猛な虎まで、どの騎士も完璧な姿勢で乗りこなしている。
魔法使いたちは防御と攻撃の術式を準備し、球状バリアから炎の矢まで多様な魔法が揺らめいていた。
さらに上空には精鋭の空中部隊が展開していた。
グリフォン──最も経験豊富な戦士たちが搭乗し、偵察と戦闘の中核を担っている。
巨大なワシ──軽装の偵察兵を乗せ、空から地上を監視していた。
アンドレイは高台からその隊列を見下ろしていた。道路に沿って伸びる軍列は、厳格な秩序と圧倒的な規律を感じさせる。
その上空をグリフォンが滑るように飛び、まるで一体化した軍の一部のように動いていた。
しかし彼の目は巨大なワシに引きつけられた。鋭い視線で地上を監視し、わずかな動きも見逃さない。そこには軽装の偵察兵が乗り、監視と情報収集を担っている。
アンドレイは思わず微笑んだ。「ここまで統率された軍は初めてだ。すべてが機械のように動いている。あのワシたちは本物の観測兵だな」
彼は《鑑定》スキルを発動し、情報を確認した。高い機動力、優れた持久力、高度な訓練による戦闘適性。
たとえ盗賊相手でも、この組織力は圧倒的だと感じた。
「もしこの力を指揮できるなら……」
彼は考えた。「22の人格すべてを戦闘形態で動かせば、半日で盗賊は消えるだろう」
しかしすぐに首を振った。
「いや、それは愚かだ。ここに来てまだ一週間だ。これ以上目立つべきじゃない」
彼はギルドでの出来事を思い出す。
「以前も敵を見誤った。あのときも危うかった。派手な戦闘や過剰な行動は、さらに厄介な結果を招くだけだ」
彼は深く息を吐き、軍の進軍を見つめた。
馬の蹄の音、鎧の擦れる音、隊長の号令──すべてが完璧に統制された巨大な機構の一部だった。
そして軍は動き出した。




