第19章 真実が明るみに出る
第19章 真実が明るみに出る
翌朝、アンドレイはアサシンの姿カイラとなってギルドへ向かった。
ホールでは珍しい客――もう一人のエルフの冒険者が、依頼掲示板の高難度クエストを見ていた。
カイラは評価魔法で周囲を確認した。結果は衝撃的だった。
エルフにはマーキングがない。誰にも監視されていない
多くの低レベル冒険者(30〜40レベル)にはマーキングが付いている
さらにはギルド長にも不可視のマーキングが存在する
結論は明白だった。
“狩人”は新人を徹底的に監視しており、非常に強大な存在である。
昨夜
カイラはギルドの廊下を静かに移動していた。資料室は無人で、調査には理想的な場所だった。
埃をかぶった巻物の中から、彼女は失踪者の記録、職員リスト、新しいギルド長の任命書を発見した。
特に重要だったのは――
失踪が「副ギルド長の補佐官が来てから」始まっていたという事実だった。
その瞬間、黒衣で顔を隠した人物が資料室に侵入した。
ペガサス討伐の際にハーピーを召喚していた“あの男”だ。
動きは正確で迷いがない。
気づかれたと判断したカイラは戦闘を避け、相手はそのまま撤退した。
ギルド本部に戻ったカイラは確信した。ギルド長は無関係だ。
すべての疑いは“補佐官”に向かっていた。
その人物には特徴があった。
公の場に出ない
エルフが現れると姿を隠す
完全な姿を誰にも見せない
カイラは対面を要求した。
しばらくの沈黙の後、ギルド長は会議室へ全員を呼び出した。
補佐官は明らかに不自然な様子で現れ、周囲を警戒していた。
カイラは彼を指さした。
「こいつだ――失踪事件の犯人は!」
補佐官は笑った。
「証拠はない。すべて憶測だ」
しかしカイラは迷わなかった。
瞬時に魔法を放つ。
補佐官は叫び、姿が崩れていく。爪が伸び、瞳は赤く燃え、顔つきが変化した。
――悪魔だった。
彼は窓へ向かって逃走した。
体は影に包まれ、飛行魔法で空へ逃げる。
カイラは即座に行動した。
黒いワイバーンを召喚
テネブレス・ステップで騎乗
追跡開始
空中戦が始まった。
追跡距離は10キロ。
悪魔は影に溶け、消えては現れを繰り返すが、カイラは追い続けた。
最終的にワイバーンの一撃で地面へ叩き落とす。
エルフの姿に戻ったアンドレイは、悪魔と対峙した。
「お前も悪魔か?」
「違う」とカイラは答える。
悪魔は笑った。
「真の変身能力を持つのは我々だけだ」
レベル60(冒険者換算で120相当)にも関わらず、戦いは短かった。
カイラは双剣を抜き
悪魔は呪われた剣で応戦
最初の一撃で剣を破壊し、次の一撃で首を切断した。
悪魔は崩れ、最後にこう呟いた。
「お前は……我々と同じだ」
夕暮れが戦場を包んだ。
そのとき、遠くから謎の存在が現れた――悪魔の女だった。
青灰色の肌
優雅な二本の角
異常な美しさ
彼女はゆっくりと死体へ近づき、古代の言葉を唱えた。
淡い紫の光が広がり、魔法陣が形成される。
儀式が終わると、彼女は満足そうに微笑んだ。
彼女が何を見たのかは分からない。
ただ一つ確かなことは――
彼女は悪魔の世界と繋がっている
偶然ではなくここへ来た
何かを探している
数分後、悪魔の女は影の中へ溶けるように消えた。




