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第15話 予想外の噂

第15話 予想外の噂


試練を終えて街へ戻ったアンドレイは、すぐに違和感に気づいた。

街全体がまるで蜂の巣のようにざわついており、どこへ行っても同じ言葉が飛び交っていた。


――エルフ。


彼はすでに忘れかけていた、自分の最初の姿の影響が、まだ街に残っていることを知る。


不安を振り払うように、アンドレイは傭兵ギルドへ向かった。

イノシシの心臓を提出し報酬を受け取ると、彼は昼食をとるためアレクサンダーの姿に変わった。

レオとの訓練まで少し時間があった。


やがて約束の時間。訓練場にはすでにレオが待っていた。


訓練は始まった。

レオは一つ一つの動きを観察し、修正し、細かい技術を教えていく。


休憩中、軍の剣術指導官がレオに話しかけてきた。


「新人の調子はどうだ?」


「大事なのはやる気だ」レオは答える。

「才能は後でわかる。あと数日見れば結果が出るだろう」


その言葉を聞き、アンドレイは少し緊張した。

――軍に勧誘されるのではないか?


彼の目的は冒険者になることだ。


思わずレオに尋ねる。

「なぜ軍の教官がここでの訓練を許しているんですか?」


レオは笑った。


「昔からの友人だ。だからここを使わせてもらっているだけだ」


そして彼はアンドレイを見て言った。


「お前には才能がある。だが成長を早める必要がある」


アンドレイは少し身構えた。


「明日は一人で訓練しろ」

レオは続ける。

「自分の体を感じることが重要だ」


アンドレイは頷いたが、不安は残っていた。


「心配するな」レオは見透かしたように言う。

「メニューは渡す。正しくやれば必ず伸びる」


訓練後、レオは詳細なメニューを渡した。


・準備運動とストレッチ

・木剣による基本打撃

・構えの練習

・持久力訓練

・身体制御の強化


「量より質だ」レオは言った。

「正しくやれ。それが全てだ」


宿へ戻る途中、アンドレイはいつものように酒場へ立ち寄った。

そこには、かつて城門で出会ったペガサス隊がいた。


彼らの表情は重く沈んでいる。


アンドレイは評価スキルを使い、彼らを観察した。

すると、再び“マーキング”が全員に付与されていることに気づく。


――また追跡されている。


「誰かがこの隊を執拗に監視している」


その事実にアンドレイは疑問を抱いた。


競争相手か、それとももっと大きな勢力か。


彼はすぐに動くことはせず、情報として記録した。

この世界では、軽率な行動は命取りになる。


アンドレイは静かにグラスを置いた。

新たな“何か”が動き始めている気配だけが、確かにそこにあった。

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