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神の揉め事に巻き込まれた男と被害者女神の世直し旅  作者: 焼納豆
再びの旅

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(12)町を楽しむ

 見るからに高級な宿を無料にしてくれると言っているソルバルトさん。


 普通の商人は、護衛を頼んで一度も襲われなければ事前提示していた高額な報酬を少しでも値切りに来てもおかしくないなとは思っていたけれど、ソルバルトさんはそんな素振りは一切見せなかったから一度言った事は曲げない雰囲気を感じ取っていた僕達は、その申し出をありがたく受ける事にしたよ。


「ありがとうございます。過分な対応頂き申し訳ありませんが、受けさせて頂きます」


「おぉ、こちらこそありがとうございます。これで面目が立ちますよ」


 何故かソルバルトさんも大喜びしているので、これで良かったよね。


 で、泊まる部屋はもちろん一部屋です。


……ザバッ……


「ふぅ~、やっぱり広いお風呂でゆっくりすると疲れが流れ出るような気がしますね、静流様」


「そうですね。本当にこんなに高そうな部屋に無料って……少し申し訳ない気がしますけれど、折角だから数日楽しみましょう!」


 日本やこの世界でも嫌な事はあったけれども、それ以上に嬉しい事、楽しい事があったので充実した日々を過ごす事が出来ているよ。


 翌日、絶対に見るべきだとギルドの受付の方やソルバルトさんにも言われている市に向かう僕達。


「うわ~、凄い!凄いですね、トリシアさん!」


 とんでもない広さに数多くの店が立ち並んでいて、露天商のように道に商品の一部を展示しているので、色々な物が溢れる程に並んでいるよ。


 う~ん、これも日本で有名な所で考えると、東京、上野のアメ横をもっと大きくした感じかな?


 食料、見た事もない様な加工品、多分魔道具なのかな?他には植物、小さな獣?洋服、所々で芸を見せてくれている人もいるよ。


 その芸を見るだけでも日本人の僕にとっては不思議な力を使っている凄い動きなので、その凄さに感動して時間を忘れて見入っちゃったよ。


 日本では、空中でクルクル回りながら両手で火を出して的に当てる事なんてできないからね。


 とても一日では見る事が出来なさそうなので、数日は宿泊する事は決まりかな?と思いながらも市を見て、時折トリシアさんに似合いそうな服を買ってみたり、シバの気に入りそうなおもちゃやお菓子を買ってみたりして楽しく過ごせたよ。


「お帰りなさいませ。市はどうでしたでしょうか?」


「あ、戻りました、ソルバルトさん。とっても楽しかったですけれど、一日では全部見る事は出来なくて……大変申し訳ありませんが少し連泊させていただきたいのですが」


「それはもちろん大歓迎です。そうですか、気に入っていただけましたか。っと、そうでした。実はコステル伯爵よりお二人に伝言がございまして……」


 その中身は、あの村がミルソ公爵の領地であるのだが長年放置され、今回のランドフィッシュの一件で色々と問題になっている事に関する事だったよ。


 実はミルソ公爵の嫡男であるショージが以前コステル伯爵家に訪問した際に横柄な態度で暴れた為に相当高級な品々を破壊したのだが、いくら四大公爵の一角であったとしても即賠償できる物ではなかった為に大きな貸しとして正式な書面にしていたので、村の救済と自らが安定してランドフィッシュを食べたいと言う下心ありで対応する事にした……との事だったよ。


 自分の欲望もあると正直に伝えてくる所が、裏表のない人柄を表しているようだよね。


 逆にショージ、何をしているんだよ!異世界で相当な立場にいるのに本当に自分勝手な奴だな!!


「それに、実は神国アクアからの書状も突然届いたようでして、水神アクア様の名の元にあの村を保護するようにとの要請があったようなのですよ」


 あれ?それって僕がサイクロプスを召喚しちゃったから、神国アクアの人達に安心してもらうように送還時に事情を説明した手紙を持たせた結果……だよね?


「あの村の領有権の交渉を魔道具による通信ですでに終えたようなのですが、当初相当渋っていたミルソ公爵ですが、神国アクアの名前を出したとたんに態度が一変して受け入れたそうですよ」


 結果良好だったから、良かった……よね?余計な事はしていないよね?


 増税の時もこの大陸の常識があるので安易に口は挟まないと言ったけれど、結局は口を挟んでしまったから……僕のせいで何か大きく影響を与えてしまう事に抵抗があるよ。


 そんな僕の不安をよそに、ソルバルトさんは上機嫌で話を続けるよ。


「正直コステル伯爵が失った品々に比べればランドフィッシュでは割が合わないのですが、それでも文句を言って来るミルソ公爵には恐れ入ったと笑っておりました。まぁ、正直私としては神国アクアとの繋がりが太くなって行商に力を入れられる事が楽しみなのですよ」


 豪快に笑っているソルバルトさん。


 よく考えると、僕達が過ごした町や村って、自己満足かもしれないけれど良い方向に行ってくれているのかな?


 ひょっとしたら、コレが天空神であるトリシアさんの影響なのかもしれないよね?


 そんな事を思いつつ、数日かけて市を堪能させてもらった後に城下町を出る事にしたよ。


「ソルバルトさん、甘えて長居してしまい申し訳ありませんでした」


「いいえ、本来はもっといて頂きたいところが本音ですのでお気になさらずに。では道中お気を付けください。行ってらっしゃいませ」


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