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神の揉め事に巻き込まれた男と被害者女神の世直し旅  作者: 焼納豆
再びの旅

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(5)村での生活

 目の前の二人から聞こえてきたのは、ショージ・ミルソと言う名前で間違いないよね?


 思わずトリシアさんの方に視線を移すと、ヤレヤレと言った表情で首を振っていたから間違いなさそうだね。


 僕と一緒に召喚された一人、渡辺 正二 こと、ショージ。


 四大公爵家の子息で、確か……あの空間での願いの内容は日本帰還と高い地位、そして炎魔法だったかな?


 僕の大切な(トリシア)さんに対して平気で色目を使って来る奴だから、目の前の二人にボロカスに言われていても誇張ではなく真実だと信じる事ができるよ。


「あなたも言われたの?実は私もなのよ。私には、食べた事もない様な食事をさせてやるぞ!だってさ。どこまで上からなんだっていう話よね。あんたと食べる食事なんて、何を食べても不味いに決まっているじゃない」


「言える!わかるわ~。逆に仲の良い人と食べる食事って美味しいわよね?」


「フフ、だから今日の食事も美味しいのかしら?」


 食事の美味しさに話が移行して少しクールダウンできたような二人は、お酒を飲みながらランドフィッシュを食べているよ。


 きっと友人補正による美味しさも事実だろうけれど、この食堂兼宿の主であるステールさんの話によれば食べる機会のなかった魚らしいからね。


 これからはもっと簡単に手に入れられると確信しているのでステールさんは大盤振る舞いしているみたい。この魚の美味しさに免じて頑張ってください!


 その後は何事もなく部屋に戻る僕達。


「静流様、如何致しましょうか?少し情報を集めますか?」


 トリシアさんが言っているのは、ついさっき話が聞こえてしまったミツバ王国の話。


 特にこの村の領主であるミルソ公爵と、その子供として認識されている召喚者のショージについての事だね。


「税が高くなるのは気の毒ですけれど、この世界ではどうなのでしょうか?普通の事であればあまり僕達が手を出すのも良くない気がしますし……日本でも望まぬ増税なんてほぼ毎年あったみたいですよ?お父さんやお母さんが良く言っていました。またか!って。でもそれが世界の常識であれば、従うしかないですよね?」


「確かに静流様の指摘された通りですね。ついつい、気に入らない名前が出てきてしまったので全て否定したくなってしまいました。私も税については良くわかりませんので、一先ずは静観しますね」


 でも、どうやらこの場所はショージの行動範囲に含まれていそうなので、気を付けないといけないよね。


 実はステールさんには針が完成するまでこの村にいてくれないかと頼まれていて、快諾しちゃっているから……


 予定では長くても三日との事だから、できた針を使ってランドフィッシュが釣れる所を確認すれば終わりだよね。


 そう言った事情もあって二日目以降も宿代を無料にすると言われたけれど、なんだか申し訳ないのと、贅沢な話だけれどお金には困っていないのでキチンと宿代はお支払いさせて頂く事にしたよ。


 小さな村なので特に何かを買えるような場所もないし、何かを見るにしても結局は村の外に行って景色を見る位だから、未だに習得できていない収納魔法の練習をする時間と割り切ろうかな?


 部屋で大人しく修行をして、時折気晴らしを兼ねて村の外まで散歩して……って、意外と退屈だよね?


 でもその分他の事に意識が向き辛い環境とも言えるわけで、おかげで集中して修行を行う事が出来たので、トリシアさんとは比べものにならない程容量も小さいけれど、何とか収納魔法を習得する事が出来たよ!

 

 最終予定日の三日目に習得できたけれど、本当にイメージが大変だった!


……コンコン……


「はい、どうぞ!」


「すまないな。漸く針のサンプルが出来たから、一緒に川に行ってもらえるか?実は先日のランドフィッシュ、一匹目を他の連中にも提供したのだが評判が良すぎてな。保存可能な状態にしようとしていた二匹目も提供する羽目になったんだ。そこからは想像できると思うが、次はいつ出せるんだ!と矢の催促でな」


 嬉しそうに微笑むスキンヘッドの強面さんであるステールさんだけれど、その直後に本当に苦虫を噛み潰したような顔になってしまったよ。


「だがよ?早速その噂を聞き付けた領主も同じように騒ぎ始めてな。それほどの美味さがある魚であれば、相当な利益が見込めるだろう……とな。つまり、税をしっかり払えと言う事だな。あの野郎どもは俺達の事情なんか知ったこっちゃねーからな。まっ、そんなわけで何としても今回は成功させたいわけだ。よろしく頼む!」


 こうして川に向かっているのだけれど、一先ず見せてもらった針はしっかりと返しが付いていて、強度も問題なさそうに見えるよ。


 これならば十分な釣果を出せるのではないかな?


「静流様……あの川周辺に、数人が集まっております。以前掴んだ気配と同じ者がおりますね。間違いなくミルソ公爵家の騎士でしょう」


「……何をしているのかな?まさか、釣りじゃないですよね?」


 僕よりも遠くを察知できるトリシアさんは、何とも言えない表情でこう説明してくれたよ。


「釣りと言うよりも何とかランドフィッシュを乱獲しようと頑張っているようですが、事前にお伺いしていた通り、投網をして危険な状態に陥っているようですね。良い気味です」


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