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神の揉め事に巻き込まれた男と被害者女神の世直し旅  作者: 焼納豆
その後の神国アクア

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(2)イワイ達

「クソ、二晩以上も拘束しやがって。あの騎士共、絶対に許せない所業だ!俺達の説明を全否定した挙句あの暴挙!」


「まぁ落ち着けって、イワイ。俺は正直冒険者レベルの降格を覚悟したが、奇跡的にお咎めがなかったんだ。所持しているカードのレベルダウンで起こる悲劇は散々説明しただろう?」


「……あぁ、報酬の激減、信頼度の激減、それと再びレベルアップ申請するには、通常の倍以上の実績が必要だったか?」


「その通りだ。それも、元のレベルに戻すだけではなく以降のレベル全てに倍の実績を要求されるからな。絶望的だ。正直俺はもう一度銀色(レベルB)のカードを得るための実績、それも倍の実績を作れる自信はない。お前(イワイ)も次が俺と同じ銀色(レベルB)のカードだろう?信じられない位の上昇速度だが、流石に倍の実績が必要なのは有り得ないぞ?」


 街道を歩いているのは、シズル達の担任であった元教師のイワイと、その回復魔法の力にほれ込んで共にパーティーを組んでいるロドリコと言う冒険者。


 シズルに難癖をつけた町で拘束され、漸く解放されたので旅を続けている。


 立ち位置としては、イワイは魔術師、ロドリコは剣を得意とする戦士だ。


 イワイは異世界召喚の恩恵かこの大陸の冒険者達と比較すると術の習得が容易であり、投獄されていた日を除けば毎日魔獣や獣を相手にしていたので、いつの間にか身体強化を使えるようになっていた。


 攻撃魔法を使えるとは思ってもいないので練習すらしていないのだが、身体強化に物を言わせた物理攻撃もできるので、ロドリコの言う通りに有り得ない速度で実績を積んで青色(レベルC)のカードを得るに至っている。


 身体強化については、あの空間でトリシアから現地で鍛えて得る事ができると聞いており、どうすれば良いのかを悩みつつも冒険者稼業を続けている内に習得する事が出来ていた。


「で、次の目的地は?」


「アハハハハ、イワイは田舎者で地名を聞いてもわからないと言っていただろう?それなのに目的地を聞くのか?」


 イワイは自らが召喚者と名乗ってしまうと信頼されない可能性がある他、高い身分になっている四人の事や魔王について説明する事になりかねず、最終的には行きたくもない魔王討伐に向かわせられる可能性が否定できなかったので、田舎から来て何もわからない人物と言う設定で過ごしている。


 これまでの活動の中で魔王と言う存在が実在する事は理解できたのだが、同時に長期間にわたって相当大人しくしていると聞いており、それならば危険を冒して討伐するリスクを取る必要がないと言うのがイワイの見解だ。


 たとえこのまま日本に帰れなかったとしても、自分の力でのし上がって良い生活をしてやると言う気持ちで活動しているので、少し落ち着いて考えると、今回の騒動でレベルダウンの罰則処置がとられなかった事に安堵していた。


「まぁ勉強の為に教えてやるよ。リーシル公爵領のミソロ町だ。あそこには以前潤沢な水を生み出す湖があったんだが、今は見る影もなく枯れ果てて住民は生活できずに離脱。残っているのは少数の住民と、住みついた盗賊共だ」


「おいおい、そんな危険なところに行くのかよ?何のメリットがあるんだ?」


「バカだな~、盗賊と言えばお宝。お宝と言えば盗賊だ。そいつらを始末して報奨を頂き、且つため込んでいたお宝も頂く。どうだ?悪くない話だろう?」


 彼等二人は檻で暫く過ごした後に街道をひたすら進んでいるので、今の()ミソロ町の状態を知らない。


 そもそもあの盗賊崩れの者達は宝など持っておらず、元町民を売りさばいてお金にしようとした所を失敗しており、その報酬も没収されていた程だ。


 この世界の常識が未だにわかっていないイワイは、ロドリコの言うお宝と言う言葉に飲み込まれて目的地について拒否はしなかった。


「……そうか。だけど危なそうなら撤退。これだけは譲れない」


「もちろんだ、イワイ。命がなければ人生楽しめないからな」


 戦士として身体強化を使えるロドリコだが、イワイの練度に比べれば児戯にも等しく、移動速度は極めて遅いために相当数の野営を経験すると、徐々に同じ方向を目指す冒険者が増えている事に気が付く。


「何だ、この冒険者の多さは……それも、見た所全員が青色(レベルC)のカード以上。中にはロドリコと同じ銀色(レベルB)のカードを持つ者もいたぞ?」


「確かに、いくら何でも多すぎか?方向から考えて、どう見ても行先は俺達と同じミソロ町だな」


 何回目の野営かわからなくなっている中で、周囲にも同じように野営をしている冒険者が数多く見えるのだが、誰一人として焦って行動している冒険者はいない。


 その姿を見て、別の目的で同じ目的地に向かっているのではないかと考えたイワイ。


「ちょっと良いか?周囲の冒険者だが……その目的が俺達と同じだとしたら、我先にと向かっているはずなんじゃないのか?早い者勝ちなのだろう?」


「確かにイワイの言う通りだな……よし、ちょっと待っていてくれ」


 立ち上がって近くの冒険者に酒を勧める体で話しかけているロドリコ。


 暫くして戻ってくると、驚愕の情報を仕入れてきた。


「どうやらあの町、今は独立して神国アクアを名乗っているらしい。それを許せないミツバ国王の命で、神国アクアを潰すような依頼が出ているぞ。正式な依頼ではないがな。あの国の代表であり、ギルド長でもあるユベルの殺害……は二の次だが、最も重要な情報なのは相当練度の高いテイマーがいる事だ」


 パチパチとなる焚火の音を聞きながら、イワイはロドリコの話に耳を傾けている。


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