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神の揉め事に巻き込まれた男と被害者女神の世直し旅  作者: 焼納豆
水神

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(14)盗賊が待つ湖へ

 一通りサイクロプスを弄り倒して一旦満足したのか、サイクロプスは召喚したままで問題ないと言う話になったよ。


 良かった、良かった。


 次は盗賊崩れについて確認させてもらいたいとユベルさんが言ってきたので、未だに正座しているはずのあの場所に案内する事にしたよ。


「はい、ではご案内しますね。湖跡地の中央部分で正座させていますので、害はないと思います」


「えっと、逃げたりはしないのですか?」


 ユベルさんの当然の疑問に答えようとした所、僕よりも早くトリシアさんが口を開いたよ。


「フフ、無用な心配ですよ、ユベルさん。静流様が待つようにあの者達に伝えているのですから、待つのは当然です。それを逃げるだなんて……逆にそのような不敬な態度であれば、もちろん私達にも考えがありますので」


 美しいながらも、少し怖い笑顔のトリシアさんにのまれたギルド長のユベルさん。


 綺麗だから視線は外せないけれど、得体のしれない圧に視線を外したいと言う葛藤が表情から見えるね。


 ちょっと気の毒だから、助けてあげよう。


「さっ、行きましょう!トリシアさん、皆さん」


「はい、静流様」


 僕の一言で圧は一瞬で霧散して、再び純粋な笑顔で僕の右手にしがみついてくれるトリシアさんと、その激変した態度を見て安堵したのか深く息を吐くユベルさん。


 ごめんなさいね。トリシアさんには悪気はないので、許してください。


 きっと盗賊崩れが逃げている可能性を指摘されて、僕の不手際になるかもしれないと言われているように感じてしまったために、無条件で圧が出てしまったと思われるので……


 僕達を先頭にしてギルドの皆さんがついて来るのだけれど、サイクロプスの移動時の振動によって上手く歩けない人が結構いるよ。


「えっと、本当にごめんね、サイクロプス。皆がうまく歩けないから、先に行って待っていてくれる?」


 肯定の意思が流れ込んできて、少し早足で先に進んでいるサイクロプス。


「もう少しで振動が無くなるので、その後に再び移動しましょう!」


「って、シズルさん。あの二人、エリナとハナを先に向かわせて大丈夫ですか?」


「ユベル、心配はありがたいがシズルさんのやる事に間違いはない。それに、あのサイクロプスが味方なんだ。あんな連中が手出しする事は出来ないさ」


 僕よりも早くユベルさんに答えてくれたポラムさんだけれど、その信頼が少しだけくすぐったく感じるよ。


 もちろん僕も想定できない何かがあるとまずいと思っているのでシバも一緒に行ってもらっているのだけれど、シバの見た目はその力からは想像できないくらいに小さくて可愛いから、態々その事を説明するつもりはないよ。


 こんなやり取りもある中で、少し歩くとサイクロプスの大きな姿が視界に入ってきたよ。


「ほ、本当に正座しているようだ」


 職員の誰が言ったのかわからないけれど、湖跡地の淵から中央部分に見えるサイクロプスの近くには、僕の説明した通りに盗賊崩れの全員がきちんと正座して座っている姿が見えるよ。


 トリシアさんの力であれば、ギルドからでもこの場所の詳細の気配はつかめているはずだし何かあれば教えてくれただろうから、間違いなく今迄ずっと正座していたのだろうね。


 きっと立ち上がる事もできない程足腰に来ているし、かろうじて立ち上がれたとしても痺れて暫くは真面に歩けないよね。


 程なくして、きっちりと正座して下を向いている盗賊崩れの人達の場所まで到着した僕達。


 僕としては、是非この町の復興の為に身を粉にして働いてもらいたいけれど、仲間を殺されている事、今まで水魔法の極限までの行使や食料を十分に与えてくれなかった事に対する恨みもあるだろうし、最終的な扱いについての判断はこの町の皆さんに委ねる事にしたよ。


「皆さん、今までの結果からこの町に侵食していたのはこの場の者達が全てです。扱いについては皆さんに全てを一任しますので、よろしくお願いします」


「シズルさん、それは正直ありがたいけれど、こいつ等を正式にギルドに突き出せば……って、今この町のギルドは機能していないから対応できないですが、普通であれば多額の報奨金が出ます。この町のギルドの機能が戻るまでは相当時間がかかりますので、他の町に移送して報酬を受け取る方がシズルさんの益になります。実績にも加味されるので、レベル上昇にも大きく寄与しますよ?」


 さりげなく流すように僕とトリシアさんのカードを確認した上で伝えてくれる、ギルト長。


 恨みがあるはずの目の前の盗賊崩れ(労働力)を放棄して、しっかりと僕達の手柄にするように伝えてくる辺りは流石だよね。


「ありがとうございます。正直なところ、僕とトリシアさんはレベルには全く興味がなくてですね、身分証として持っている程度の感覚なのです」


「そうですか。確かにサイクロプスを従えられるのにそのレベル……どう見ても不釣り合いですからね。でも我々が全てを決めるのはやはり少々抵抗がありまして。言いなりになるしかない立場だったのですから、功労者の意見をお聞かせ願えませんか?」


 年上の立派な人にここまで言われてしまったので、少しだけ希望を言ってみようかな?


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