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神の揉め事に巻き込まれた男と被害者女神の世直し旅  作者: 焼納豆
水神

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(5)お風呂

「アハハハハ!シバ、すごーい!」


「ワンワン!」


……バシャバシャ……


 少し遠くで聞こえるのは、トリシアさんが出した大きな桶に水を入れて、本当に惚れ惚れするほどの制御で炎魔法を行使してお湯にしたお風呂に入っている夫婦の子供のハナちゃんとシバ。


 夕食の時に今更ながら、お父さんがポラムさん、お母さんがエリナさん、子供がハナちゃんと紹介してもらったよ。


 はしゃいでいるハナちゃんの声が聞こえるたびに、両親であるポラムさんとエリナさんの笑顔が増えるのを見てとても嬉しい気持ちになってはいるけれど……僕はこの後に入るお風呂の順番の事で頭がいっぱい!


 必死で移動していたはずで道中お風呂に入っていなかったはずの三人に対して、昨日も疲れて先に眠っちゃっていたので先に入ってもらうように言っているので、僕達二人は最後。


 つまり、正確には順番と言うよりも、どのように入るのか……


 まさかここまであからさまな状況であの桶のお風呂に二人で入るなんて……ないよね?


 眠る場所は幌が付いている荷台に一緒に入らせてもらっても十分な広さがあるので、五人とシバで眠るのはありだけれど……


 葛藤している僕をよそに、ハナちゃんのお風呂が終わったらしく大声でお母さん(エリナ)を呼んでいるよ。


「お母さん!拭いて~!!」


「は~い。ちょっと待っていてね、ハナ!あなた(ポラム)、私達もお風呂を頂いちゃいましょう?」


「ん?あぁ、そうだね。じゃあお先に失礼させていただきます、シズルさん、トリシアさん」


……あれ?この二人も一緒に入るの?


 この世界ではこれが標準なのかな?

 それならば郷に入っては郷に従えっていうし、いつも(・・・)の通りに一緒に入ろうかな?


 見張りはシバがしっかしできるし、対応もできるから問題ないから安心だよね。


「お兄ちゃん!お姉ちゃん!シバ、すっごく泳ぐの上手なの!それに、私の背中も洗ってくれたの!ね?シバ」


 シバを抱えて笑顔のハナちゃん。


 トリシアさんが三人の家族が眠っている時に回復魔法を使っている事もあってか、たった一晩で随分と元気になる事が出来たので嬉しいよね。


「そっか。シバは賢いからね。これからも一緒にお風呂に入ってあげてくれるかな?ハナちゃん?」


「え?いいの?やった、やった!!宜しくね、シバ!」


「ワンワン」


 シバからも妹の世話をしてあげるよ……と言うような感情が流れてきたので、思わず微笑んでしまった僕とトリシアさん。


 日中の移動の最中も体力回復の為か寝ていたのだけれど、もう少し睡眠が必要なようで、シバを抱いて嬉しそうにしながらも眉が落ち始めているハナちゃん。


「フフ、ハナちゃんはまだ疲れているのでしょうね、静流様」


「そうみたいですね。ハナちゃん?今日はもう寝ましょうか」


「あり……がとう……ござ……いま……すぅ~」


 半分以上寝ているハナちゃんをそっと抱えて、荷台の布団に寝かせてあげると一瞬で眠ってしまったのがわかったよ。


「これであれば、明日の朝にはすっかりと良くなっていると思います。静流様」


「トリシアさんの回復魔法のおかげですね」


 切り株のような椅子に座りながら、明るさを確保するための焚火の前で話をしている僕とトリシアさん。


「あっ、そろそろ私()の順番ですね。フフ、初めての桶。一緒に(・・・)大自然を感じながらゆっくりとお風呂を楽しみましょうね?静流様」


 やっぱり一緒に入るのは確定みたいなので、せっかくだから僕も楽しむ事にしたよ。


「そうですね。シバ、悪いけれど、見張りの方を宜しくね?」


「ワンワン」


 散々悩んでいたけれど、結局僕はトリシアさんと一緒にお風呂に入って自然の風や綺麗な星を楽しみながらお風呂に入ったよ。


 こうしてポラムさん一家と共に移動する一日目を無事に終了する事が出来た僕達。


 翌朝、すっかり体調も体力も戻った三人は荷台を引くと申し出て来たのだけれど、結構良い修行になっているので逆に引かせてくれるようにお願いして、何とか受け入れてもらったよ。


 一番苦労したのは、荷台が軽くなる事を防ぐためにそのまま三人に乗っていてもらった所だけれど……運動不足になると良くないし、本当に僕が修行したいと思っている事を理解してもらう為に、三人が一緒に歩いている時には石を荷台に乗せる事にしたよ。


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