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好きと言えるのなら  作者: まる
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37/40

クマのぬいぐるみ

体の全てを検査された。


『…胃にたくさんの菌が繁殖してますね…』


先生が資料を見ながら言った。

『しかも、この菌は転移する菌でもあり、手術で取ったとしてもまた繁殖するような厄介な菌です。』

桜泉は驚きが隠せなかった。

『それに、桜泉さんは声帯手術もあってそれに加えてこの手術をするには、精神的にも体力的にも辛いものがあると思います。』

『菌の原因はなんですか…?』

桜泉は恐る恐る聞いた。

『もしかしたら、昨日の手術方法が桜泉さんの体には合っていなかったのかもしれません。次の手術のときは少し違うやり方で変えようと思います。その事は親御さんにも伝えますから、安心してください。』


先生の話を聞いて桜泉は病室に戻った。

毛布にくるまって泣いた。

『…もうやだよ……』

その時にはもう10時だった。





昼休み

1人で購買に行ってパンを買って1人で中庭に行ってベンチに座った。

ボーッとしていたら目の前にカップルが通った。

楽しそうに話していた。

『(今日はなに買っていこうかな)』

春也は桜泉に何を買っていこうか考えた。

『(きっと、病室1人だから寂しいと思うしぬいぐるみでも買っていこうかな)』

買うものが決まるとパンの袋を開けて1口食べた。




夕方6時

桜泉は頭に激痛が走った。

『(痛い…)』

頭を抱えてうずくまった。

『(でもあと少しで春也がきちゃう…。こんな弱いところ見てほしくない…)』

桜泉は毛布から顔を出して、体を起こした。

その途端、目眩に襲われてベッドの両端にあるパイプを掴んだ。


ガラガラっ


扉が開くとカーテンが開いて春也が顔を出した。

『桜泉〜!今日はプレゼントがあるんだけど、なんだと思う?』

異変に気づいていないようで桜泉はホッとした。

桜泉は首を傾げた。

『はい!ぬいぐるみ!』

春也は新しく買ったクマのぬいぐるみを桜泉に渡した。

桜泉は嬉しかった。ぬいぐるみを手に取ってぎゅーっと抱きしめた。

『どう?気に入った?』

春也の問に桜泉は首を縦に振った。

クマのぬいぐるみを枕の隣に置いた。

その途端だった。

また頭に激痛が走った。

フラッとなって右隣で座っている春也の方に体が倒れた。

幸いパイプを掴んだので春也にもたれかかることはなかった。

『桜泉!?』

春也が驚いて桜泉の体を支えた。

『どうした?』

『今朝からずっとこんな感じでね…』

桜泉は先生に言われたことを思い出すと意味もわからず涙が出てきた。

『え!?…本当にどうしたの…?』

『私のお腹の中にたくさんの菌が繁殖しちゃっててね…。2つの手術しなきゃいけなくなっちゃった…』

お腹をギュッと抱えて泣いていた。

『そんなことあったんだ…』

春也は桜泉の背中に手を回して抱きしめた。

『(どうしよう…私死んじゃうのかな…)』

恐怖が募って震えた。

『俺にたくさん甘えていいよ。』

春也は桜泉から離れた。

『もし、私が死んじゃったらどうする…?』

桜泉は震えながら手話をした。

急な問に春也は目を丸くした。

『死ぬわけねーじゃん!死んだら…一緒にしりとりできないだろ…』

『そうだね』

桜泉は笑って答えた。

『やっぱり桜泉の笑顔はすごい元気もらえる』

春也はそう言うと笑った。

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