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好きと言えるのなら  作者: まる
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30/40

怒り

桜泉を家まで送っていくと桜泉はインフルエンザだったとLINEで送られてきた。


『やっぱりインフルか…』

家に帰ってベッドに倒れ込む。

『晴也ー!』

1階から母親が呼んでいる。

『マジうるせー』

晴也はボソッと呟くと制服を脱いで部屋着に着替えて1階に降りた。


『なに?』

リビングに顔を出すと母親がソファを指さして『座って』と言った。

『(怒ってんのか…?)』

めんどくさい。と思いながらのそのそとソファに向って座った。

『期末テスト、結果はどうだった?』

母親が怖い笑顔で晴也を見た。

『普通に…』

定期テストが終わると母親はいつも1教科1教科ごとにテストの点数を聞いてくる。終いには、総合点と順位も教える。

『普通にって言われてもわからないわよ。数学は?どうだったの?』

苦手な数学の点数を聞き出してきた。

『88点』

正直に答えた。今回に関してはいい出来だと思っている。

『えええ!!88!?95点以上じゃなきゃダメだって中間テストのときも言ったじゃないのー』

母親は有名な頭のいい高校と大学を卒業しているため、偉そうなことを言っても言い返すことはできなかった。

『はぁ…ちなみに高得点の教科は?』

『…英語』

『何点??』

『94…』

晴也がそう言うと母親はまた『はぁ』と言って背もたれに体を預けた。

『圭也(けいや)のほうがテストの点数がいいってどういうことよ…』

圭也(けいや)は晴也の弟で中3だった。

『私、ずっと考えてたんだけど彼女がいるからダメなんじゃないかと思ってるの』

『は!?』

母親の言葉に晴也はさすがに黙っていられなかった。

『彼女なんていたら勉強どころじゃなくなるでしょ?晴也には悪いけど将来のことも考えて彼女とはもう別れたら?』

『そんな簡単に別れるわけねーじゃん。人に言われて別れるくらいの付き合いじゃないから』

『大学にちゃんと入学してそれから恋愛楽しんだ方がいいわよ。それに今付き合ってる彼女、障害がある子なんでしょ?そんな子と晴也がもし結婚って話になったら私…』

母親の言葉1つ1つに苛立ちが込み上げた。

『障害あるとかないとか関係ねーし!!なんでそうやって障害が少しあるからって別れろとか無差別なこと言われなきゃいけねーんだよ!!桜泉がどれだけそのこと言われて苦しい思いしてんのかお前にはわかんねーかもしれないけど少しくらい考えろよ!!!』

晴也は大声で吐き散らすと走って2階の自室に閉じこもった。

『本当に…なんなんだよ…』

その場にしゃがみこんで頭を抱えた。

もう桜泉の辛そうな顔は見たくなかった。泣いている顔だって見たくない。

笑っている桜泉が晴也はなにより1番大好きだった。

そんなことを思っているとインターホンが鳴った。

窓から下を見ると

『桜泉…?』

壁に手を置いて中腰になっている桜泉がいた。

晴也は部屋を出たときには母親が玄関の扉を開けていた。

『桜泉!!』

母親を押し退けてフラフラになっている桜泉を支えた。

『どうしたんだよ…』

桜泉は晴也の服を小さい手でギュッと握って体を預けている。

『晴也ー?その子があなたの彼女?』

後ろから母親が少し嫌味のように聞いてきた。

『うるせーよ!黙ってリビングに戻れよ!!』

晴也は大声で母親に言った。

後ろからガチャと音がしたので母親は家に戻ったのだろう。それと同時に鍵がかかる音がしたが晴也はそんな場合じゃなかった。

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