発熱
それから愛花と仲良くなって親友のような存在になった。
〜冬〜
12月14日。
朝起きると桜泉はいつもよりも体調が優れなかった。
体がだるくて、寒気もして、頭が痛かった。
『(今日は……晴也の誕生日…)』
今日は晴也の誕生日だった。
今日までにたくさんの準備をしていた。
『(お菓子も作った。お手紙も書いた。プレゼントのネックレスだって…)』
学校に行って全て渡す予定だった。
『風邪ひいてるなら学校休んだ方がいいわよ』
桜泉のお母さんは『37.9』と書かれた桜泉が測った体温計を見て言った。
桜泉は首を横に振って起き上がった。
体がいつもより重く感じて頭もズキズキと痛んだ。
『休まないとダメよー!』
お母さんは桜泉を寝かそうとした。
桜泉はだるい体をブンブンと横に振って起き上がった。
制服に着替えてすぐに家を出た。
『(学校に行けば…治るよ…)』
登校中、体が朝起きたときよりもだるく、フラフラしているのが自分でもよくわかった。
『(周りに迷惑かけなければ…大丈夫…)』
マスクはしているが晴也や愛花の前では元気でいなきゃ。と桜泉は思っていた。
教室に入ると愛花が本を読んでいた。
『(愛花はよくポニーテールが似合ってる)』
桜泉は愛花を見て思うことはいつもそうだ。
『桜泉ー!おはよー!あれ?マスクしてる…ということは風邪!?大丈夫!?』
愛花は心配そうに見つめた。
『大丈夫だよ』
紙にそう書いて見せると笑った。
『ムム…。無理したらダメだよ〜?辛いと思ったらすぐに保健室行ってすぐに帰った方がいいんだからね?』
愛花は桜泉の肩をポンポンと叩いた。
席替えをしたときに桜泉と愛花は席が近くなった。それが桜泉の唯一の救いだった。
朝は晴也は部活のため、ほぼ話す時間はなかった。
昼休み。
愛花は他の女の子とお弁当を食べているため、桜泉は晴也と一緒にご飯を食べる事にした。
けれど体の体温が徐々に上がっていき、フラフラだった。
『桜泉…?大丈夫?』
食堂に行く途中、桜泉は体が重く感じて足が上手く動かなかった。
『(大丈夫…って…強いところ見せなきゃ…)』
桜泉は力を振り絞って姿勢を立て直すと笑って『大丈夫だよ』と伝えた。
食堂に着いて、お弁当を広げた。
食べ物が喉を通らない。
『全然食べてないじゃん。もしかして体調悪い?』
桜泉は顔を上げて『ううん』と首を振った。
そして桜泉は手紙とカップケーキとネックレスが入った袋を晴也に渡した。
『え!?…あ、俺今日誕生日だっけ…?』
晴也は照れくさそうに頬をかいた。
桜泉は『おめでとう』と笑って返した。
『ありがとう…ネックレス!?すげー…あ、桜泉のカップケーキも入ってる!あと…手紙…?家に帰って読むことにするね』
優しく笑ってくれた。
『(よかった…喜んでくれた…)』
桜泉はホッとした。
その時にはもう桜泉の体はかなり限界を迎えていた。
席を立って教室に戻ろうと階段を上がっていた時だった。
『……!』
視界がぼやけて体の力が一気に抜けると階段に足を滑らして階段から落ちた。
『桜泉!?』
晴也は振り返って倒れ込む桜泉のところに駆け寄った。周りの人が驚いた様子で桜泉を見入った。
後輩は『大丈夫ですか…?』と声をかけたり先輩は『先生呼べ!』と声をかけていた。
『熱っ…』
桜泉の体はゆでダコのように熱くなっていた。
桜泉は息が荒くなってもがいている。
『大丈夫?ちょっとどいてね』
保健の先生と他の先生が桜泉のところに来て桜泉は抱き抱えられると保健室に連れていかれた。
放課後。
晴也は急いで保健室に向かった。
晴也の母と保健の先生は高校の同級生のため仲が良く、晴也とも仲が良かった。
ガラガラ!
保健室の扉を開けると保健の先生は資料をなにやらまとめていた。
『あら晴也くん。もしかして桜泉ちゃんが気になってきたのー?』
保健の先生はかなりフレンドリーなため、ほとんどの生徒は下の名前で呼んでいる。
『桜泉は…大丈夫…?』
『まぁ、大丈夫って言ったら嘘になるかな?かなり高熱で保健室に連れてきて測った時には39℃だったわ。インフルエンザの可能性が高いから桜泉ちゃんのお母さんにお電話しようとしたんだけど、なかなか出なくて…。もしかしたらお仕事なのかなー?って』
保健室の先生はそう言うと温かいココアを晴也に渡した。




