匂い
『晴也たすけて』
そう送ると数秒して既読がついた。
『たす…けて…?』
晴也はちょうどベッドの上で寝ながら漫画を読んでいたところだった。
晴也はLINEで桜泉に
『どうした?なにかあった?』
と送った。
『体が痛くて起き上がれない』
晴也はそのLINEが来ると『え…』と声を漏らして体を起こした。
『(もしかして…宮本たちが…)』
嫌な予感がした晴也は走って家を飛び出すと公園に向かった。
公園に向かうと起き上がろうとするがヨタっとなっている桜泉がいた。
『桜泉!!どうした?!』
倒れそうになった桜泉を腕で受止めて公園のベンチに座らせた。
『もしかして宮本たちにこんなことされたのか?』
晴也は桜泉の目の前にしゃがんでそのときのことを話してもらった。
『…晴也は…喋れる女の子の方が…一緒にいて…楽しいよね』
桜泉は手話で伝えた。
『はぁ!?何言ってんだよ!桜泉といるほうが1番楽しいって!桜泉と話してて喋れる喋れないってそんなに気にしたことない。手話だってしてて楽しい!』
晴也はこの前桜泉にやられたように人差し指で桜泉のほっぺをグイッと上にあげた。
『ほら。笑って』
晴也は優しく言うと笑った。
桜泉はポロポロと涙が溢れてくる。
『本当に桜泉は泣き虫だな…w』
桜泉はブンブンと首を横に振って手首で涙を拭った。
そのとき、晴也は桜泉の体をギュッと抱きしめた。
暖かくていい匂いで優しいハグだった。
『んー桜泉めちゃくちゃいい匂いする』
『!!』
晴也は桜泉のことをもっとぎゅっとした。
そうすると晴也は桜泉から離れて笑顔で
『桜泉の匂いすごい好き』
と言った。
桜泉は『私も晴也の匂いが好き』と笑った。




