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好きと言えるのなら  作者: まる
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13/40

雨

放課後

『角北くーん』

教室の扉から女の子が晴也のことを呼んでいた。

上履きの色は赤。同級生だった。

晴也はその女の子のところに向かうとなにやら話していた、楽しそうに。

『(楽しそう…)』

桜泉は少し悲しかった。

話が終わって晴也はカバンを背負うと桜泉のところに来た。

『今日、部活ないんだけどマネージャーが来週の試合について少し話したいことあるから一緒にカフェで話そうって言われたんだ。だから今日は一緒に帰れない…ごめんな』

『(えっ…でも…)』

晴也は手を振って走って彼女のところに行ってしまった。

また笑って話してる。


結局、桜泉は1人で帰る事になってしまった。

『(雨だ…)』

下駄箱を出ると雨が降ってきた。傘を忘れてしまった桜泉はそのまま歩いて帰ることにした。

『(そうだよね。言葉を話せない彼女なんてつまんないもんね…)』

桜泉はトボトボと歩いた。

そんなこと思っていると校舎から合唱部の歌声が聴こえた。

それに続いて1年生が笑いながら走って桜泉を追い越して走って行く。

その光景を見ていると正門の前を楽しそうに話しながら喋る小学生がいた。

『(話せれば楽しいのに。いじめられることないのに。本当の気持ちを…叫ぶことができるのに…。)』

桜泉は情けない自分が憎かった。殺してやりたかった。声が出せないくらいなら死んだ方がまだいいのかと思っていた。そして泣いていた。

周りの視線なんて気にしない。そんなこと気にする暇ない。

『(私のこと好きになる人なんて…いるわけないじゃん…。晴也は…私のこと…なんとも思ってないよ…。)』

桜泉は走り出した。なぜ走り出したのかはわからない。でも悲しくて辛くて…。

『……!!』

ちょっとした段差でコケてしまった。濡れた地面に叩きつけられる。

『(もう…わかんない…)』


桜泉は家には帰らず、とある場所に向かった。


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