エルデ神聖魔導高等学院 5
ぜひ読んでみて下さい。
一騒動あった女子寮の3階の一角。
王族専用のフロアーにある寝室で、リョウ、キョウ、ルレリアーヌは入学当日の朝を迎えていた。
「リョウ様、朝でございますよ。」
「え? ああ、もう朝なの?」
「はい、とても良いお天気の様です。」
リョウは、まだ開けきらない左手で目を擦りながら、ベットから出ようと右手を動かす。
ムニ・・・ムニ・ムニムニ
「あ、ん! だ、駄目、です。」
「え?」
(あれ? 何だ? 昨日も同じような感触が・・・・・!!)
「ル! ルレリ!? な、何で此処に!?」
一気に頭が活性化するリョウは、何故か一緒に寝ているルレリアーヌから、バッ! と離れる。
といっても同じ布団で寝ていたのでそれ程離れる事も出来ず、しかもリョウが飛び退いたせいで、布団がめくれ上がり、薄い寝巻姿のルレリアーヌを直視してしまった。
「「!!!」」
それはルレリアーヌも同じで、距離を置かれた為、リョウの可愛らしい寝巻姿が見えた事に加え、急に動いたせいで、所々寝巻が開け、白い肌が見えているのをつい見とれてしまう。
「「可愛い。」」
この時二人の思考は一時、時間を止めた。
「おはようなのじゃ!」
部屋の扉が開かれ、メアリに抱き抱えられながら入って来たキョウは、目の前の光景を見て、朝の恒例行事か! と心の中で突っ込んでいた。
「お主等、毎朝それを繰り返すのか? いい加減なれたらどうなのじゃ?」
「「え?」」
少し呆れ顔のキョウに言われ、ようやく我に返る二人だった。
「お!お姉ちゃん! ち、違うって! 僕たち何もしてないからね!」
「そ、そうですよ! 私達ただ一緒に寝ていただけですから!」
キョウの言葉に動転していたのか、二人は、ベットの上で手を取り合い寄り添ってキョウへ抗議をしている。
「その光景を見て、ただ一緒にと言われても説得力欠けるのじゃが、まあそういう事にしておこう。」
にい!と含み笑いをするキョウ。
わかっているのだが。どうもこの二人を見ているとからかいたくなるようだ。
「お姉ちゃん! 本当に何も無いからね! だいたい何で今日も一緒に寝てるのか判らないんだよ?」
「え?」
リョウの言葉に今度はルレリアーヌが悲しい表情になってじっと見つめてきた。
「え?」
「リョウ、様? 覚えておいででは無いのですか?」
ルレリアーヌがいっそう悲しそうな表情になり、リョウへとにじり寄って来た。
「ど、どうしたの? ルレリ?!」
「どうしたのって、昨晩、リョウ様が仰ったじゃありませんか。」
「な、何をかな?」
「これからも、ずーーーーと一緒に寝て欲しいって・・・・・言われました。」
顔を俯かせベットのシーツを握り締めるルレリアーヌを見て、嘘を言っているとは思えなかったリョウだが、そんな事を言った覚えが無いのも事実だった。
「ぼ、僕、そんな事言ったの?」
「お、覚えておられないのですか!?」
目に涙をいっぱい溜めて見つめる顔に、ドキッとするリョウ。
(女の子を泣かせるなんて男としてはどうなんだ!)
いえ、今は立派な女の子ですよリョウ。
「ごめんね。ルレリを泣かせるつもりは無かったんだけど、どうしても思い出せなくて。」
「それならあたしから説明してあげるのじゃ。」
キョウ曰く、昨晩お風呂で相当にはしゃいだせいで、リョウが湯あたりをしてしまって倒れたようだ。
その時、ルレリアーヌが看病すると言いだし、晩御飯もろくに食べずに、付きっきりでリョウの傍らにおったと言うことだ。
「その時、リョウ様がうなされておいでになったので、手を取って握りしめましたの。そしたら目を開けられ気がつかれた時に、仰ったのです。 ルレリ、何か凄い怖い夢を見たの、暗くて音も何もないところに一人でずっといたの。凄く苦しくて体が重たくて、ドンドン沈んで行く様な感じがして、もう駄目だと思ったの。そんな時、光が差し込んで綺麗で小さな、でも取っても安心感のある手が指し伸ばされて来たんだ、僕はそれを必死になって掴んだら、目が覚めた。そしたら君が僕の手を握ってたから凄く嬉しかったよ。って言われました。」
「それでどうしたのじゃ?」
「そしてその後こう言われたのです。 たぶん僕にとっての女神様ってルレリの事を言うんだろうな。もしこれからも僕がうなされていたらこうして一緒にいてくれる?」
「はい! 私でよければこれからずっと! 毎日一緒におります!」
「良かったあ、これで安心して寝れるね。これからもずっとお願いね。」
「と、言われたのです。」
涙を浮かべながら語るルレリアーヌにリョウは少し青ざめた表情で聞くしかなかった。
「リョウちゃん、寝ぼけてたのかも知れんが、ちゃんと責任取るのじゃ。」
(そういえば、一度起きた時に何かルレリと話をした様な気はする。実際、僕自身言ってそうだし、それに本心から言ってもルレリが側に居てくれるのは凄く嬉しいし、う~~ん。)
リョウは考えるが、どう考えても自分が悪いし、寝ぼけて言ったと言うことは本心である事の裏付けでもあると結論づける。
「うん、ごめん、ルレリ。君を悲しませるなんて僕は最低だ。そんな僕でも見放さないでくれるなら、改めてお願いするよ。僕と一緒にこれからも居てくれる?」
「はい!リョウ様!」
よっぽど嬉しかったのか、リョウに思いっ切り抱き着くルレリアーヌ。
「と、言うことじゃ。女王もそれで良いな?」
「はい! キョウ様! このセルマリアーヌ・エルデ・パルディア! しかと既成事実をみとどけました!」
キョウの問い掛けに答え部屋に飛び込んで来たのは、この国の女王で最高権力者でルレリアーヌの母、セルマリアーヌだった。
「お、お母様!?」
「でかしました! ルレリ! これで我がエルデパルディア王国と天界とは縁戚関係となり、三界の結束を固めるのにこれ程有用な事はありません!」
さも此処にいるのが当然の様に立つ女王。
いつもは気品と威厳ある姿はどこえやら? 握り拳を掲げる姿にキョウやメアリは苦笑いし、ルレリアーヌとリョウはただただ驚くばかりだった。
「キョウ様、私これで失礼させていただきますわ! この後婚約発表などの手配や、各国からの婚姻の要望を全て断りを入れなければなりませんし、とても忙しくなりますので!」
入って来たのも突然で、帰っていくのも突然の女王に呆気に取られる二人だった。
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