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エルデ神聖魔導高等学院 6

投稿いたしました。

学院入学編です。


「第990回、エルデ神聖魔導高等学院、今年度の入学式を間もなく開催致します。御列席の方々は指定された場所へと移動をお願い致します。在校生、新入生は、大講堂の各自席に着くように願います!」


学院の大講堂。地球での中世ヨーロッパで建造された教会の様に石造りで、その全てに細かな彫刻が施され、中に日の光を取り込む為の、ガラス窓とステンドグラスとがふんだんに使えわれており、重厚と透明感が融合する王国中でもその美しさでは1、2を争う建造物であった。

中に入ると、1000人近い生徒の他に、生徒の保護者や学院の教師教員、そして国からも女王を初め多くの列席者が余裕を持って入る程の空間が広がっていた。

天井からは、大小様々なクリスタル製のシャンデリアがいくつも高い天井から吊り下げられており、日の光に照らせれ虹色に輝く様は、まるで天界の園に来たと思わせる程だと、誰かが呟いていた。


大講堂の中央に整然と並ぶ生徒達。

その視線の先には、人の肩程の高さの舞台がありその中央には演説用の演台が設けられその両脇には色鮮やかな花々で飾られ、新入生を祝っていた。

その演台から見て前側に500人程の新入生が並び、その後ろに人、一人分の空間を開けて後ろ側に500人程の在校生が並んでいた。

学生が中央に集まり、大講堂の両脇の1階には教職員が並び、2階には観客席が設けられ、保護者や貴族、国の文官、武官が席についていた。

その中で、入試トップの成績を修めたルレリアーヌ王女は、舞台上の右奥に設けられた椅子に座り、その横には入試上位者5名が並んで座っている。

それに対を成すように左奥に座っているのは、在校生の生徒会執行部の面々が8人座っている。

これは、ここにいる全ての者に、現生徒会執行部が次代の執行部候補をお披露目する事を狙っての演出だ。

ただ、今年は例年とは異なっていた。

いつもなら、この舞台の上に居るだけで、全生徒から羨望の眼差しで見られるはずだった。

しかし今、その羨望の眼差しは一人の少女に向けられている。


「あの、大丈夫ですか? あなた体が震えてるようですけど? 体調でも崩されましたか?」


凜としていてでも優しさに溢れた綺麗な声で、本当に気遣う様に、隣の席に座る入試2位の少女に言葉をかける。


「ひ! は!はひ! だ! だいりょびです!!」

「本当に大丈夫なの? 物凄く汗かいておられますよ?」

「お、お構いなきゅ!!」

「でも、そんなに顔を青ざめさて風邪とかではありませんか? 私が保健室まで送って差し上げましょうか?」

「ひいいいい!!!」


栗色の髪をして、丸眼鏡をかけた可愛らしい少女に、ルレリアーヌは心配そうに手を取ったものだから、その少女は余りの嬉しさと、恥ずかしさと、異様な圧力に、精神が耐えられず、頭を大きくのけ反らせ気を失ってしまう。

栗色の髪の少女は入学式を保健室のベットで過ごすはめになってしまった。

一つ空席となったところを心配そうに見つめ、今度はその隣の少年にルレリアーヌが話し出した。


「あなたも汗かいてますよ? 大丈夫ですか?」

「ひいいいい!」

「姫様、天然もいい加減にしていただけますか? このままでは舞台上に生徒が居なくなります。」


これ以上犠牲者を出さない為に、メアリがそっとルレリアーヌに近づき小声で注意する。


「どうして?」

「どうしてでもです!」


メアリの言葉にそこに残る生徒達が一斉に頷いてきた。

良く判っていないルレリアーヌだったが、皆の視線が何かを訴えかけているように思えたので、それ以上は話すことを当分控える事にした。


「静粛に!」


一人の教師が集音器を片手に持ちそこへ声を発すると、講堂中の隅から隅までその声を届ける事が出来た。


「これより、エルデ神聖魔導高等学院の入学式を執り行います!」

「まずは、学院の顧問であり、我が国を導く女王であられる、セルマリアーヌ・エルデ・パルディア女王陛下のお言葉を頂く。一同立!」


この言葉を合図に、全ての者が立ち上がり、姿勢を正し直立する。


「礼!」


別にリーハーサルをした訳ではないが、一糸乱れず全ての者が中央全面の舞台上にある演台に向き、深々と頭を下げる。

それに合わせたかの様に、ただの一つもの音が消えた講堂に靴音が響き渡る。

それは舞台の中央まで歩き、演台の前で止まった。


「直れ!」


一斉に生徒達を始め、全ての人が頭を上げた。

その上げた視線の先には、王家の紋章を掲げる白いマントを翻し、赤を基調とした王家専用の礼装で佇むそのお姿に、全ての者が崇敬する。

女王は語る。学院の意義を。学生の在り方をその心に刻む様に話し掛ける。

その言葉に涙する者まで居たのだから、どれだけ女王が愛されているのかが判る。

新入生への言葉を述べ終えると一礼をし演台から降りて行く。

それからは、式も円滑に進み、学院長の挨拶、在校生代表の挨拶、来賓からの祝辞と進み、いよいよ新入生代表の挨拶へとなった。


「今年度入試最高得点者、新入生代表、ルレリアーヌ・エルデ・パルディア嬢!」


司会進行約に、敬称を省かれ呼ばれるルレリアーヌ。

これはこの学院が、生徒である以上、自分の身分階級を持ち込まず! と云う信念の基、教育するという大前提があるため、王族と言えど例外無く扱われる為だ。


ルレリアーヌは、椅子から立ち上がると、舞台中央の一番前にある演台へと向かいその前に静かに佇む。

読んでいただき有り難うございます。

また来て下さいね。

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