エルデ神聖魔導高等学院 2
投稿いたしました。
是非読んでやって下さい。
「本当にごめんなさい!」
今日何度目かの謝罪をするのは、エルデパルディア王国、第一王女にて第一王位継承者のルレリアーヌ王女殿下、13才だ。
「もう、別に怒ってませんし、どちらかというと僕も、その、ルレリの胸を、こう、なんというか触っちゃって、ごめんなさい!」
顔を真っ赤にしながら、恥ずかしそうに言っているのは、この世の美を寄せ集めても到底叶う事の無い美しい少女、リョウ・ゼウレシウリス神王陛下、10才だ。
「あ、いえ、それは別に。と言いますか、嫌じゃ無かったと言いますか。」
「え?」
「あ、いえ、その! ですね。」
二人は何故か向かい合って、俯いてしまった。
顔は赤く、モジモジとする二人。
端から見ていれば、ヤキモキ展開の爆発寸前。
「何をしておるのじゃ。そんな校舎入口の真ん中で見つめ合って、青春でもしておるのかの?」
二人の様子を傍らでジーと見つめていたのは、リョウにも劣らない美しさを将来見せるだろう幼女、キョウ・ブラウダリル魔王陛下、4才だ。
「そうです。王女殿下とあろうお方が、学院という神聖な場所で、不純同性交遊をしているとは、女王様がお聞きになられたら、どれほど喜ばれるか。」
などと、主人を主人とも思わない様な事を言いつつ、それでもルレリアーヌを一番に心配しているのは、ルレリアーヌ専属の戦うメイド、メアリ、年齢不詳だ。
「喜ばれるのか?」
「はい、キョウ様。ルレリアーヌ姫は真面目過ぎの奥手であることを、母君である女王陛下はとても心配されていました。けど、今のを見ますとこれはやっと春が訪れたと報告出来そうで、このメアリどれ程うれしい事か!」
涙を流しながら、喜びを噛み締めるメアリに、キョウは冷めたい目で言い放つ。
「よいか、メアリよ。リョウはあたしにとっても大切な弟、いや今は妹か。そして私もリョウの幸せを願う者で、リョウちゃんのお嫁さんになるつもりじゃからの。もしルレリアーヌもそう思っておるなら覚悟しておくのじゃな。この大魔王キョウ・ブラウダリルに肩を並べるようでなければあたしは認めんのじゃ。」
キョウの言葉にメアリも表情を崩す事は無かった。
「キョウ様、ルレリアーヌ姫様をあまりナメないでいただきたいものです。」
二人が盛り上がっているのを、顔を真っ赤にしながら聞いている、リョウとルレリアーヌ。
「お、お姉ちゃん達、何を言ってるんだよ!」
「何って、リョウちゃんをルレリアーヌがお婿にするって言うなら、全力でかかって来なさい! という事じゃ。」
「え? わ、私がリョウ様と?! え、えええええ!!」
「ルレリアーヌ姫様、わたくし全力で応援いたしますので、頑張って下さい!」
「そ、そんな事言われても、私のような地上界の人間が、神王様のお嫁さんなんて無理ですよ。」
「そうなのか? メアリ?」
キョウはメアリにその事を問うと、メアリは首を横に振る。
「そんな事はありませんよ。実際、神族もしくは魔族の方と地上界の人族との混血種も存在しますし、人族同士では異性で無いと子は出来ませんが、天界、魔界の方は同性同士でも子供を作れ、神族と人族の間で同性でも、子が出来た実例はありますから、後継ぎ等についても、なんの問題も無いです。」
「だ、そうじゃ!」
メアリとキョウの言葉を聞いて、リョウとルレリアーヌは体中が赤くなるのを感じていた。
(メアリさんもお姉ちゃんも、何言ってるんだよ。今朝が今朝だけに変に意識しちゃうじゃないか!)
「あのう、リョウ様?」
「は! はい!!」
突然、声を掛けられて、ビクッと体を強張らせてしまう。
「ルレリ?」
「リョウ様、その結婚とか私、まだ考えてませんから。メアリの言葉なんて気にしないで下さいね。」
少し固い笑顔で話すルレリアーヌに、リョウは少し寂しそうな顔になる。
「僕は、結婚とかそんなのは今判らないけど、ルレリといると凄く楽しいし、凄く安心するんだ。こんなのお姉ちゃん以外には感じた事が無かったんだ。」
恥ずかしそうにしながらも、しっかりとルレリアーヌの目を見て話す。
「だから、これからもずっと仲良しでいてくれますか?」
その言葉を聞いて、ルレリアーヌは少し顔を下に向ける。
そして少しの間そのままの状態でいたが、徐に顔を上げると、しっかりとリョウの顔をじっと見入る。
「はい、それはもちろんです! こんな私で良ければずっと仲良くして下さい。」
少し照れた顔の二人。
でも見つめ合うその顔はとても嬉しそうな笑顔をしていた。
「姫、良くそんな恥ずかしいやり取りを、こんな公共の面前で出来ますね?」
「そうじゃの、これが若さと言うもんじゃ。」
二人の言葉で、はっ! となる二人は、この時初めて周囲の状況を把握する。
4人は今日、明日行われるエルデ神聖魔導高等学院の入学式の準備と説明を受けるついでに、学院の下見にやって来ていたのだが、今いる場所が学院の玄関前だっていう事をすっかり失念していた。
「あれって、ルレリアーヌ王女様ではないのでしょうか?」
「あの小さい女の子可愛い! 誰のお子様?」
「あの恥ずかしそうにしている美少女誰だ?」
「あの二人って付き合ってるの?」
「今の愛の告白!?」
4人を中心に、数十人の学生と思われる人々がそれぞれに色々噂し、興味を持って見ていた。
「「!!?」」
「お!おい! 急にどうしたんじゃ? あたしを置いて行くな!!」
急に囲みを破って走り出すリョウとルレリアーヌに、置いて行かれたキョウが叫ぶ。
「大丈夫です、キョウ様。私に御掴まり下さい。」
メアリがキョウの体を軽々と抱えたと思ったら、次の瞬間、もの凄い勢いで二人を追いかけていった。
キョウは抱えられながら先ほどの事を考えていた。
(ふむ、ルレリアーヌは候補じゃな。あたし一人でもリョウちゃんを守って行くつもりじゃが、信頼出来る者が多いにこした事はないのじゃからな。一夫多妻かどうかは知らんが、王ならなんとでもなるじゃろ。あ?!この場合は、一婦多妻かの?)
読んでいただき有り難うございます。




