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新たな生活の始まり 4

「ルレリ! 僕頑張ったよ!」

「あたしも頑張ったぞ!!」


二人は満面の笑顔を、宿舎の一室で待っていたルレリアーヌに報告をしていた。


「はい、それは宜しかったです。それで自信の程はいかほどですか? リョウ様、キョウ様。」


二人は顔を見合せると、さらに上乗せした笑顔をルレリアーヌに見せる。

それを見て、一安心のルレリアーヌ王女だった。


「それでは、御二人共、2日後の入学式には一緒に出れそうですね。」


ルレリアーヌも嬉しそうに答える。

思えば、始めにリョウとキョウの二人に出会い、その正体を知った時は、自分は死んだと思ったほど衝撃的だったと振り返るルレリアーヌ。


(今思えば、どうやって接すれば良いのか検討もつかなかったわ。)


でも、リョウ様がとてもルレリアーヌを気遣かって語りかけくれたり、自分の話を嬉しそうに聞いてくれるし、ルレリアーヌの方が年上という事もあり、ルレリと呼んでくれるようになったいた。

そんなリョウがとても愛おしく思えてきたルレリアーヌは、今では本当の姉妹の様に接する事ができていた。

一方キョウとは、話が良く合うせいか、色々な事について語り合う仲になっていた。

姉妹というよりは親友といった感じだろうか?

でも見た目4才の子と親友というのもどうかとは思うが、当の本人同士が問題ないようなので放っておくことにしたとは、メアリの話だ。


「リョウ様、キョウ様、ルレリアーヌ様、お茶の御用意が出来ましたのでこちらにどうぞ。」


部屋の一角にある、小さめの丸いテーブルに白磁器に鮮やかな青色で絵付けされた高価そうなソーサーとティーカップが三つ並べられその真ん中には色鮮やかなケーキやお菓子が銀色のスタンドに乗せられ、三人の少女を誘惑していた。


「ありがとう、メアリさん!」

「凄いの、こんなにしゅて貰ってもよいのかの?」


リョウとキョウは、メアリの用意してくれた豪華なお菓子に目を丸くしていた。

前世では、両親を早くに事故で亡くしていたので経済的にはそれ程余裕は無かったので、こんな贅沢なお茶会など始めての経験だった。


「私達、地上界の者がこうして生活をおくれているのも、その昔、御二方が命掛けで守って下さったおかげなのです。はっきり言って恩返しをしようにもそれに見合うものが考えつかない程です!」


言い切るルレリアーヌにそれでも困惑するリョウ達。


「そうは言っても、僕達にその当時の記憶がある訳じゃないし、逆に前世で普通の学生だったので、世界を助けたとか守ったとか言われてもピンとこないんだよね。」

「そうじゃの、だからこんなに良くしゅてもらっても心苦しいのじゃ。」


困った顔の二人を見てどうしたものかと思案するルレリアーヌにメアリが助け船をだしてくれる。


「僭越ながら、これは姫様がリョウ様、キョウ様と仲良くなりたい為の点数稼ぎです。遠慮なさらなくても大丈夫ですよ。」


身も蓋も無い言い方だが、間違っている訳ではないので、怒るに怒れないルレリアーヌ。

そんな彼女を、じっと見つめるリョウ。


「僕、ルレリとはもう大の仲良しだと思ってるよ?」


その訴えかけるような、上目使いの視線にルレリアーヌは一瞬で骨抜きにされた様な感覚に陥る。


(こ、この表情、凄まじい破壊力! し、しかし此処で落ちる訳にはいけませんわ!)


昇天してしまいそうな意識をなんとか保つ自分を褒める。


「な、仲良しに限度なんてありませんわ! リョウ様、キョウ様!」


「そうだね! 僕ももっともっとルレ姉の事いっぱい知って、もっともっと仲良くなりたい! これからも仲良くしてね?」


何の打算も無い、その笑顔は、ルレリアーヌを始め、メアリ、そしてキョウまで、魅入ってしまう程の可愛いらしさだった。


「お、おほん! わ、わたしもルレリと友達になれて嬉ちいぞ! それとリョウちゃんと友達になってくれてありがとうなのじゃ。」


キョウはその小さな体をめいいっぱい使ってお辞儀をする。


「え? キョウ様、べ、別にお礼を言われる程では無いですし、むしろ神王様と魔王様と友達になれて光栄なのは私の方ですから!」


慌てるルレリアーヌを見て首を横に振るキョウ。


「リョウちゃんもそうじゃが、前世でのあたし達は早くに両親を亡くして、それ以降ずっと二人だけで暮らしぃとったからの、友達と遊んだりとかあんまり経験がなかったのじゃ。」


一つ大きくため息を付くキョウ。


「それにリョウちゃんは、まだ母親が恋しい年頃じゃったからの、ルレリみたいに包容力のありそうな女性がどうしても気になるんじゃよ。」


相変わらず、4才の体と可愛らしい声でこの口調は違和感有り過ぎのキョウに言われ、自分がリョウ様にとって必要と思ってもらえると思うと嬉しさが込み上げてくる。


「お、お姉ちゃんそんな事ルレリの前で言わないでよ!」


プウと頬を膨らまし唇を尖らす仕種も、また眼福と三人は顔を綻ばす。


また来て下さい。

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