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魔王登場 え? 5

魔王キョウが気絶したので、謁見の場からリョウのプライベートルームへと場所を移していた。

今この部屋にはリョウ以外に、レティア、ラティスにグニエルの六大天使の3人と、テルエそして魔界人のコーウェンが招かれていた。

ただし、キョウは気絶しているので、リョウのベットの上で寝かせている。

なんでプライベートルームなのか?

ただ単にキョウが気絶したんで、ベットで休ませたいリョウが、今度は離れたくないと言い出したのでこうなっている。


「さてコーウェン将軍、お聞きしても良いですか?」


リョウは円卓の一番奥、ベットに近い所の席に座り真向かいに座っているコーウェン相対していた。


「もちろんですとも。何なりとお聞き下さい。」


将軍と言っても線の細い体格に少し茶が混じる金色の髪を肩まで伸ばし、端正なマスクと優しそうな緑がかった瞳を持つ、職務とは似つかわしくないその風貌で、柔らかく微笑みながら応える。


「まず、ラティスにご執心とお聞きしましたが?」

「な!? リョウ様!」


同じ円卓のリョウの左側の一番近い席に座っていたレティアが、いきなり自分の話を持ち出されたので慌てて立ってしまっていた。


「おお! ご存知でしたか! 我が心は3000年前より今日に至るまで、ラティス殿の事を思わなかった日などありませんでしたぞ。あの華奢な身体に今にも倒れそうなスラッとした白い足と細い腕、抱きしめれば壊れてしまいそうな儚い美しさを持ちながら、実は天界の騎士のトップであり、神王リョウ陛下の守護六大天使の筆頭! それなのに文学にも精通されており、その小さな口から紡ぎ出される言葉はまさしく天使。この方を見て以降、他の女性が美しいとは思えなくなりもうした。」


いつのまにか立ち上がり、身振り手振りのオーバーアクションでレティアの事を語るコーウェン将軍。


「えっと、それってレティアの事ですよね?」


リョウが聞き返すと、もちろんですとも! と大きく頷く。


「う、何気にリョウ様が酷い。」


よよよ、とか言いながら円卓の掛けられた白いシーツの端を手に持って目を拭う仕種をみせるレティア。


「なんと儚く可憐な! 私の心はレティア殿に支配されておるわ!」 

「えーっと、ラティス、この人いつもこんな感じ?」

「はい、3000年前の大戦では縦横無尽のご活躍をされた、破壊魔と呼ばれる方ですが、その反面、即決婚者とか言われている女性の味方であり敵ですね。」

「即決婚者?」

「はい、気に入った女性にその美貌と地位で落とし即断で婚姻してしまう色魔ということです。」

「そ、そうなの?!」


それを聞いたリョウはコーウェンの自分を見る目が恐ろしく感じられた。


(い、今の僕は女の子だし、自分で云うのもあれだけど、美少女だよね。うわ~なんかこっちを変な目で見てる気がする。)


「リョウ陛下、大丈夫ですよ。先程、念のため魔界に取り次ぎコーウェン将軍がリョウ陛下に対し少しでも口説いたり触ったりしたら、私達六大天使が総力となり、コーウェン将を抹殺して良いと許可を戴いております。」

「なんですと!!!?」


ラティスの言葉にコーウェン将軍は驚き、良く見ると額から汗が吹き出していた。


「もしかして本当に口説こうかと思っておいでになりませんよね?」


ラティスの冷たい視線がコーウェンを刺し、いつのまにかラティスの横に座っていたグニエルが剣を鞘から抜きだし、その剣先をコーウェンの喉元に向けていた。


「ハハハハ! これは失敬な! わた、わたくしがその様な、ふ、ふ、不敬な事をされるとお思いか! 私の心はレティア殿一筋ですぞ!」


怪しさ大爆発のコーウェン将軍。

必死にそんな事は考えていないと説明するのを見て、リョウは冷たい視線をコーウェン将軍に向ける。

ちなみに、現在10人の奥さんと18人の子供と21人の孫がいるらしい。


コーウェン将軍の旗色が悪いと見切ったレティアはここぞとばかりに攻勢に出る。


「私レティアは一生リョウ様にお使えする身。片手間に愛を宣うコーウェン殿のところに行くつもりなど、世界が滅んでも絶対にありえません! ですのでコーウェン殿はそうそうに退散願いたい!」


息を吹き返したレティアがここぞとばかりにコーウェン将軍を追いだそうと息巻くが、それをリョウが手をあげて止めさせる。


「レティアごめんね。取り合えず君をコーウェン将軍にはあげないけど、他にも聞きたい事があるのでもう暫く居てもらうよ。」

「そ、そうですか。」


いまだにグニエルに剣先を突きつけられながら、そんなあ~レティアどの~とか言いながら半泣きのコーウェンに向かって、あっかんべーとか子供みたいな事をするレティア。

コーウェン将軍がまだこの場に残ることを不満に思いながらも、とりあえず一安心と椅子に座り直した。

その時、リョウの方に少し椅子を近づけていたのだが、ラティスとグニエルに見られてしまい、そそと元の位置に戻らされるレティアだった。

読んでいただき有り難うございます!

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