僕が女神様?11
投稿いたしました。
「それと、こちらが魔界王家の公式な書状です。」
相変わらず無表情なラティスの部下さんが差し出したもう一通の手紙を、ラティスが受けとる。
二人とも、やっぱりレティアの行動はいつもの事で何も思ってないようだ。
「公式の? ですか? 何でしょう?」
受けとったラティスは、その書状をレティアに預けた。
(あれ?なんでわざわざレティアに預けるんだ? そんな事したらまた燃やすんじゃ?)
一瞬そう思ったリョウだったが、その書状を受けとったレティアはそのまま、僕が座るベットの横まで寄って来た。
リョウが不思議そうにしていると、それに気付いたのか、ラティスが説明を始めた。
「もしかして、書状をレティアにわざわざ渡した事を不思議に思ってませんか?」
「う、うん、どうして?」
「それは、一応ですがレティアが六大天使守護騎士の筆頭だからですよ。あんなでも一応私の上司になりますから。」
全く上司と思っているとはいえない態度で話すけど、一応けじめは有るんだと少しは感心するリョウだった。
「国家間の書状ですので、リョウ様に拝読の許可頂きたいのですが。」
ラティスの言葉に若干反応しながらも、一応職務を優先するレティア。
「うん、良いよ。レティアが読んでくれるの?」
「はい、では拝読させていただきます。」
慣れた手つきで、厳重に封緘してある手紙を開封し、中に入っていた手紙を取り出すと、その内容を確認し始めた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は? え? ど、どうして!!?」
読み続けていたレティアの顔がどんどん青ざめ、手も体までも奮え始め、目が血走り始める。
その異変にラティスもリョウもただならぬ事を感じ緊張が走る。
「あなた! 離宮に居る侍従長と衛士長を直ぐに呼びなさい! それと六大天使と元老院に伝令、もし1時間以内にこの離宮に到達出来る者が居るようなら最優先事項として召集をかけます! これより第特級緊急歓待の準備に入ります!!」
「はっ!!!」
レティアの命令で手紙を届けに来た部下が、まず即答し一瞬で姿を消す。
「レティア! 本当に特級なの?!」
「そうよ! あなたも他の天使に連絡を! 下手すると後数時間しか無いわよ!」
「了解だ! リョウ陛下の事頼むわよ!」
ラティスも、レティアの言葉に少し青ざめている様に見える。
そして直ぐにリョウの部屋をから姿を消した。
その光景を呆気に取られて見ているしかなかったリョウだったが、レティアの変貌ぶりにただ事で無い事くらいは判っていた。
「レティア、何かまずい事でもあったの?」
「はい、いえ、まずいとかそういうのでは無いのですが、相当に面倒な事が起こった事は確かですね。」
作り笑いで、返答するレティアにこんな真面目な顔も出来るんだと、不謹慎な事をつい思ってしまうリョウ。
「今、物凄く失礼な事考えてませんでした?」
ブンブンと大きく首を横に振るリョウ。
「まあ、いいです。それよりリョウ様には、急がせて申し訳ありませんが、これから身支度をしていただきます。」
「身支度? なんの為の?」
「はい、ある方をお迎えする為です。」
「ある方ですか? 緊急でお迎えってそんなに簡単に来れるような人を、こんなに慌てて迎えるなんて、何か矛盾してません?」
「ですから困ってるんです! 本来なら数ヶ月以上前からの予定をして、接待の内容決めたりと本当はそれぐらいの事をする必要がある方なんです!!」
レティアの態度から相当焦っているのは解る。
「それで、そのある方って誰なの?」
「魔王様です。」
「え?魔王って、確か僕と一緒に転生したっていう魔界の王様だよね?」
「はい、三界大戦の時、神王のリョウ様と双璧を成し、鬼退治に多大な力をお示しになられた魔界の王、魔王キョウ様の事です。」
リョウにとってはこの世界での記憶が無いので、魔王がどういった方なのか想像もつかない。
でも魔界のトップ、地球でいえばどっかの大国の大統領クラス以上だろう人が、ホイホイ他の国に来れる訳がない事くらいはリョウにも解る。
「断るとか出来ないの? 準備ができないとかで?」
「それは無理です。」
「どうして?」
「後2時間程で到着するそうですから。」
開いた口が塞がらなかった。
(何そのフットワークの良い王様って? そんなの振り回される部下が可哀相な気がするんだけど。)
リョウはちょっと我が儘な方なのかと、少し不安を感じていた。
「復活されているとは聞いていたのですが、まさかこんなに早く来られるとは思いませんでした。」
「僕より前に復活してたんだね?」
「はい、一ヶ月程ですが。その時は魔界から、まだ謁見など出来ないので後日連絡をすると言っていたので、得に準備もしていなかったのです。」
溜息を大きく吐くレティアとリョウ。
「とにかく、来られるのは仕方がないか。できる限りの事は準備しよう。レティア大変だけど僕が今あまり役にたたないからよろしくお願いするよ。」
「いえ、勿体ないです。そのお言葉だけで十分励みになります。」
「そう? じゃあ皆にも宜しく伝えといてね。」
「はい、それと私も直ぐに準備に入りますので、身支度の方は、そこで寝ているテルエを起こして手伝わせて下さい。お召し物等は後ほど側仕えの者を寄越しますので。」
そう言うが早いか、レティアも一瞬でその場から姿を消し、魔王をお出迎えする準備の指揮に向かったようだ。
「さて、僕も頑張らないと。転生してまだ落ち着かないし、お姉ちゃんの事もあるけど今は目の前の事をやってからだね。まずはテルエさんを起こさないと。」
リョウは座っていたベットの真ん中で眠るテルエに四つん這いになって移動し顔の直ぐ横に腰を落とすと、テルエの肩を手で揺さ振り始めた。
「テルエさん、テルエさん、起きて下さい。ちょっと大変な事が起こってますから。」
そう言って何度か肩を揺さ振っていると、テルエの口から声が漏れ出し始めた。
「テルエさん、テルエさん!」
「・・・え、あ、はい。私、どうしたのでしょう?」
まだ覚束ない頭で、ゆっくりと上半身を持ち上げベットの上に座る状態で、ゆっくりと首を回し当たりを確かめるテルエ。
そして最後に自分の右横を視線が向いた時、そこにこの世界に一人しかいない美の極限を形どっている少女が心から癒される笑顔を自分に向けている姿が映った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「し、し! し!? しん!! 神王さまあ???」
「うん。それよりテルエもう大丈夫? 身体とかどこか具合悪いとか無い?」
リョウは、心配そうにテルエの頭や身体を優しく撫でながら、気分が悪くないか確認していた。
「!!!!!!!!!!どて!」
「テ? テルエ!! テルエー!!!」
全ての身体中の力が抜けたのかだらし無く再びベットに倒れ込んでしまったテルエ。
今日2度目の気絶だ。
これのおかげで、側使えの女の子達が来るまでの5分間。
何も出来ないでボーッとしているリョウ。
来たら来たらで、テルエの横に座り軽く頭などを撫でていたところを側使えの女の子に見られ、テルエ様だけずるい! と抗議を聞き、皆の頭を2、3回撫でてあげることで許してもらったりしていたので、最終的に身支度が出来たのは、魔王到着予定の10分前だった。
よんでやってください、




