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エンドロールは皿の上  作者: 龍崎悠
8/18

7皿目

町長…町長。

町民会館…市役所から役所仕事を抜いた、児童会館のようなもの。町民がここに来るのは習い事か祭りか、町長と話すかの三択。

自販機の紅茶…侮ってはいけない。最近の自販機飲料はどれも中々の味。

公園…はなばたけ公園。花畑はない。いくつかの遊具と掃除道具の入った物置がある、ちょっと日当たりの悪い公園。ボール遊びと花火は遊具から離してやるなら許可がおりている。

【5/24 AM8:30】


ため息をついて町民会館を出る。起き抜けに電話が来たので町長と話し込んでいたのだった。隣の篁さんが「酷い話だ」と眉根を寄せた。

「もう五人だよ、あまりに多すぎる」

「そうですね。…こんな所で起こす事件としては、少々やりすぎかと」

「ここじゃなくてもやりすぎでしょう」

町長はここを「町」として機能させた張本人であり、絶対的な権力を持つがそんなもの無用とばかりに鼻にかけず、毎日を町民会館で自販機の紅茶を飲みながら過ごしているのである。習い事等でふらりと立ち寄る町民と話すことを好み、人同士の決め事を良しとする。長としては変わり者であるがなんてことはない普通の町長だ。ちょっとばかり優しすぎるのが玉に瑕かもしれない。それ故に今回の事件で町長は大変胸を痛め、その事を大分長い付き合いになる自分と篁さんに泣きながら愚痴った、という訳だ。

「それにしても、なんでこんな朝方に」

「本人も悪いと思ってるから起きてそうな人選なんじゃない?ほら、この時間なら僕と令くんは確実に起きてるから」

「そしてツバサは寝ていると」

「勇実ちゃんは学校ね」

「純星さんは?」

「論外!でもまあ、これだけ事件が起これば仕事の方じゃないかな」

そう言って彼は歩きながら公園に巡らされた規制線を見る。つられて自分もそちらに目を移した。この町には子供も少なくない、皆どこで遊んでいるのだろう。如何に寂れていようと夕方にははしゃぎ回る声が聞こえた場所からは、今や見回っている警察官の声しかない。

「どうしてここなんだろう」

彼の呟きを聞くのは自分だけ。さっきまで泣いていた町長の言葉も同じ声色だったことを思い出す。純粋な疑問、篁さんは表情が動いていないけれど町長は顔を歪めていた。服のフリルに涙が落ちて淡い桃色から濃い色へ。適当な返事をして流そうと思っていたのに、二人の姿が脳内で重なって、出てきたのは違う言葉だった。


「じゃあいっそ、俺達で探ってみませんか」


驚いたように目を開きながら彼が振り返る。いつも閉じられたその瞳。それがまた閉じて、おかしいことを言ってしまったと慌てかけるこちらにそれもいいね、と微笑まれるまでは数秒。そういえば彼は町長に似てると気がついたのはこの時が初めてだった。

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