↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/23

守りましょう

4ヶ月ぶりの投稿になります。

文章は短いですが、楽しんでいただけたら嬉しいです。


「こっ!これは!?」

ハクウから受け取ったモミジは渡された物を見て驚きの声をあげた。

(どうやら、彼女にとって希望のようだ)

コノハの反応をよそにハクウは火の確認をする。

肌から感じる熱さを頼りに火加減を見る。


(さて、これで僕の役目は、終わり……)

そう締め括ろうとハクウは思ったが

(そうもいかないようだ)

ハクウはコノハの手を掴んだ。

「ど!どうしたのですかぁ!」

突然の事に驚くコノハ。

『すいません。しかし、どうやらコノハ様は歓迎されていないようです』

『か、歓迎って』

『あいつらにですよ』

杖でやつらを示す。

『カガワの手の者ッ!』

彼女の反応から見てコノハは彼女に関係のある者だと推測した。


そうこうしている間にハクウ達は囲まれていた。


「随分と久しぶりですね。コノハ姫」

一人が代表するように話しかけてきた。

「ふん!白々しい言葉を」

言い返すコノハ。

(全く。侮蔑のこもった〝気〟だ。そして、コノハ姫は、〝怒気〟か)


「しかし、奴隷として売られたのですか?それは、それは、姫も地に落ちましたね。そして、そちらがあなたの買い主ですか。いやはや、もったいない。」

「あなたに買われるよりは何万倍もマシです!」

「つれないですね」

残念そうに呟くが、ゆっくりと腰の得物に手を掛けていく。

その様子にコノハは後退る。

そんなコノハの前に壁ができた。

「何のまねですか?」

声を出せないハクウは何も答えず杖を前に出して構える。


「ふん。愚かな浮浪者が、」

見下して男は

「かかれぇ!」

合図した。

暗闇に隠れていた者達が一斉に二人に襲いかかる。

シャッ!ビュウッ!

音とともに焚き火の火が消失した。

(何が!?『静かに。僕の服をつかんで』え…)

突然の事態に混乱しかけるコノハにハクウが声をかけた。

コノハは訳もわからずにハクウの服をギュッ!と掴む。

次の瞬間。近くで

ザシュッ!ズバッ!

「グア!」

「ギャアアアア!」

「どうした!」

「やろ!ギャアアアア!!」

誰かが斬られたのか二人くらいが倒れる音をコノハは聞いた。


「早く火を持って来ないかぁ!」

男が叫ぶ。

そして、一人、一人と火を着けていく。

「〝灯れ〟」

男が唱えると男の手に炎が燃え上がった。

この世界に存在する魔法だ。

「こんな事に使いたくはなかった」

悪態を吐きながら周囲を照す。

しかし、照された光景に男の表情は一変した。

「な…ん…だと!?」


そこには、コノハを守るように立っているハクウとそこを中心に倒れている男の部下達が数人倒れていた。


(信じられない!?)

目の前の光景に男と同じくらいにコノハも驚いていた。

突然自分を庇うように動いた盲目の人。

その人に言われて背中にしがみついた。そして、視界が火で明るくなったらそこには、自分達を襲おうとした男達が死んでいた。

そしてコノハは自然とハクウを見ていた。

まさか。

と思った。しかし、ありえないとは思えなかった。

目が見えないのに自分を看破した実力。そして、声が出せないのに自分と話せる能力。

納得がいく自分に驚いた。

そして、暗雲とした未来に光が差した気がした。


「どうやら。ただの浮浪者じゃないようだな」

日本刀を抜く。

(抜いたか)

対するハクウは杖を前に出して静かに構える。

ハクウは感じていた。今、目の前にいる男が自分に警戒と敵意を向けているのを。

『離れて』

『!で、ですが』

『大丈夫。あなたは僕が守ります。ですから』

『は…はい…』

ハクウの底知れない気迫に呑まれて返事をする。

そしてハクウから後退るコノハ。

その瞬間を待っていたのか男がコノハに向かって駆け出し手に持つ得物を上段に降り下ろしてきた。

コノハに刃が迫る。


「何!?」

男の表情が驚愕した。

男の刃はコノハに当たることなくハクウが抜いた得物の刃によって受け止められていたのだ。

ハクウの手には一振りの日本刀が握られている。

鍔は付いていなく、鞘も柄にも装飾はない。刃を鞘に納めれば一本の杖になる。

仕込み杖。いや、杖に見える日本刀。それがハクウの得物だ。


(これは、久しぶりに振るうことになるな。全力で…)

ハクウは力を込めて男を押しきった。

男は後ろに跳躍してハクウと距離をとった。


鞘を腰に差し構える。

再び男が迫る。今度はハクウに向かって。

男の一撃、一撃を受け止める。

その動きは目眩だとは思えない腕と動きである。

「グァ!」

男の左腕をハクウの刃が掠めた。


「引け!引くんだ!」

状況が不利と判断したのか叫んだ。

男の言葉に一斉に退却していく。


最後に残ったのはハクウとコノハだけとなった。

コノハは緊張が解けたのかその場に尻餅をつくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。