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あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


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第226話:金に物を言わせて

 大学ダンジョンに到着して、出入口の方から回ってきたように見せかけて、いつも通り換金所までたどり着く。換金所で手持ちの魔石とスキルスクロールをすべて出し、とりあえず二等分でお願いする。


「大量ですね。一日分ですか」


「ちょっと諸事情があって門限に間に合わなかったので、前回の分を含めてなので一日分ではないのですが、頑張って持ってきたのでよろしくお願いします。あと、分配が終わった後でスキルスクロールをいくつか購入したいのでそれもお願いします」


「わかりました。まずは換金から進めていきますね」


 カバン目いっぱいに魔石を詰め込んでこれたため、自宅にあったいくつかの魔石も詰め込んで持ってくることが出来たのはラッキーだろう。スキルスクロールが合計4枚。全部底値でも120万円ほどにはなる。二等分して60万円、魔石の分も込みにするなら70万円ほどにはなるだろう。その金額で、安めの【体捌き】や【剣術】、それからこれは俺の個人的な理由から【聞き耳】などを入手して、性能を強化していきたいと思うところだ。


 十五分ほどして魔石とスキルスクロールの鑑定結果が出てきたので確認をしてもらう。魔石で153200円、スキルでそれぞれ【体当たり】が4万円、【狂化】が8万円、そして【精力絶倫】で120万円という値段がついた。精力絶倫は底値ではなかったらしい。もしかしたら売り時だったかもしれないな。


 これらを二等分して、一人当たり736600円の予算となった。俺がこの金額をそのまま受け取ると、今年は自力で健康保険や所得税なんかを払っていかなければならなくなるので、ここからいくらか削って経費とすることで回避しなければならない。どっちにしろ確定申告は自分でしなくてはいけないが。


 面倒ごとだが、きっちり稼いでいないことを報告するためには必要な行為ではある。尤も、今年は軽々とその金額を超えてしまいそうな気がするので、来年の正月休みの帰省には書類をそろえた上で爺ちゃんには説明しに行かないといけないか。その辺は俺のほうがはっきり……いや、爺ちゃんも結構したたかだからな。案外何とかしているかもしれないし、爺ちゃんのほうから聞いてくる可能性もあるからしっかりしておくべきだろうな。


 さて、この金額の予算で何のスクロールを買うか。とりあえずスクロールの種類を一覧で受け取って、今このギルドに在庫として何のスクロールが何枚あるか、ということを教えてもらうことにした。俺の願いは【聞き耳】、【剣術】、【体捌き】、【忍び足】、といったところだ。特に【聞き耳】はもう2枚ほど欲しい。


 さすがにレベル1では聞き取れない音や風の息づかいなんかを聞き取るためにもこいつはもうちょっと性能を上げてもいい。それから【剣術】。今後、新しい剣に持ち替えるようなことがあっても、このスキルがある程度補正を利かせてくれるならば、それに応じるのが最も効果的だ。【体捌き】についても同じ意味合いを持つ。


 最後に【忍び足】だ。これはレベル1のまま放置されているのでいい加減取りたいし、自分で取りに行ってもいいのだが……購入できるなら購入した方が確実に入手できるし、忍び足を入手するために専用ダンジョンでふらふらしているのもあまり効率のいい話ではないしお腹も膨らまない。金が余って忍び足も余っているならば購入するに値する物だろう。


 二人に対して提示されたリストとお値段を計算していくと……とりあえず【体捌き】と【剣術】を10枚ずつ購入することに決めた。これで40万円の出費。それと、【聞き耳】が二枚あったのでそれでさらに10万円。あとは【忍び足】があれば完璧だったのだが、こっちのギルドには現在【忍び足】の在庫がないようだ。


「あ、現在こちらで在庫切れになっているスキルに関しましては、新しく売却されるか、他のギルドからの取り寄せもできますがどうされますか? 」


 取り寄せができるのか。つまり、例えば駅前ダンジョンからこちらへ移動させてもらってこの金額で購入させてもらえるのか? と問いただすとそのとおりらしい。なので取り寄せをお願いして連絡先を伝え、在庫として入荷次第連絡をもらう、ということになった。ギルド便利万歳。


 取り寄せの分のお金は取り寄せが完了した時に支払えばいいということなので、今日のところは持ち帰りか。スキルを受け取ると、その場で覚え始める俺と彩花。さすがに枚数があるので大変だが、全部で22枚のスキルを覚えるのは大変だ。


 それに加えて彩花は【聞き耳】の代わりに【バッシュ】と、装備で攻撃を受け流す作用のあるスキル【パリィ】を購入していたのでその分の習得もある。換金所の隅っこでひたすらスクロールの文字を体に馴染ませている光景を周りから見たらどう感じるのだろうか。


 さて、なんだかんだで23万円ほど手持ちで歩き回ることになってしまった。危ないので早く家に帰って安全な所に保管するなり銀行に入れるなりしてしまいたいところだ。


 しかし、このうち20万円は確実に近日中にギルドへ払い込みをする金額なので預けて引き出して……とやると二度手間になる。全部まとめて鍵付き引き出しに入れて保管しておくのが安心か。


 とりあえず我が家へ戻って引き出しに現金をしまうと、夕食の準備を始める。今日の夕食は、彩花が作った弁当の残りを利用してのお好み焼きだ。大阪風だとどんな具材が入っていても粉を溶いてキャベツを入れて焼いて、ソースを塗って青のりをかけたものはお好み焼きと言い張ることができるのが強いところだと思う。


 使い切らなかったブロッコリーやアスパラのちょっと茎が太いところや、冷凍唐揚げを温めて四つ切ぐらいにしたやつなんかも混ぜてしまおう。人参も型抜きをした型の外側も綺麗に使ってしまうことにする。できるだけ生ごみを出さないように気を付けて作るとなると、やはり粉物文化は偉大であると言えるだろう。


 アカネも彩花も待ち遠しく思っているらしく、フライパンの上で焼き上がるのを楽しみに待っている。ちなみに、新しく追加した食材の中にはとろろと卵と豚バラ、揚げ玉があるので、立派にお好み焼きを名乗っていいだけの風格は漂わせている。


 豚バラ以外のすべての材料を混ぜ合わせて、つなぎである溶き粉が傾けても下がってこない程度にかき混ぜると、フライパンに投入。しばし焼いて、片面がカリッとしてきたら、豚バラを乗せてからひっくり返す。


 そのあとでフライパンに蓋をして蒸し焼き風にして五分ほど焼き、焼き上がったらもう一度裏返して今度はしっかり焼く。ここでカリッとさせるのがコツ……らしい。俺も受け売りのうろ覚えだからはっきりとは覚えていないが、最後の焼きで蒸気を飛ばしてカリふわにするのがコツらしい。後はお好みソースとマヨビームを好きなだけ乗せて出来上がりだ。とりあえずソースとマヨは俺も彩花も好みの量があるだろうから、各自で乗せるということにしておいた。


 ご飯をよそってお好み焼き定食の定食抜きの完成だ。飲みたければスープを後でつけることにしよう。


「では、いただきます……よし、美味しく出来てるな」


「いただきます……うん、カリッとしてて美味しい」


「いただきます……うん、これはなかなかの神力ね」


 三者三様の味わい方だが、それで丸く収まっているならそれでいいと思う。今日の昼は彩花に御馳走になったので夜は俺のごちそう、ということになった。


 アカネにも評判はいいので、きっとおいしく出来ているんだろう。早速お好み焼きにソースとマヨビームを適量かけたところで食べるが、ちゃんとキャベツや豚肉がカリふわになっているので今日の夕飯はもう勝利確定BGMが流れてもいいところだ。


 ご飯にも合わせることができるお好み焼き定食、メインはキャベツと豚肉なので、実質的にこれは豚肉の生姜焼きと同じようなものだ。お好み焼き定食は決して炭水化物と炭水化物の組み合わせではないということを立証してくれている。


 味のほうもしっかりついていて、豚肉のカリッと感を失わせない量のソースとマヨビームのおかげで食感も良い。外はカリッ、中のほうはフワッ、理想的なお好み焼きの仕上がりだ。ベチャッとしてしまうのは水分が多いか、最初に作った種の水溶き量が多かったせいだとよく言われるので、そこの見極めが大事なのだ。


 うまいうまいと思いながら食が進むので、アカネに常に青白い光が流れ続けている。特に、彩花からアカネへの流れだし量が多い。そこまで美味しいと思って食べてくれているのかと考えると非常にうれしい。ついにやにやしながら眺めてしまう。


「何? 人が美味しそうに食べてるのがそんなに嬉しい? 」


「嬉しい。だって、今日のお昼だって俺が美味しいってあまり言わずにひたすら掻き込んでたの見てニヤニヤしてただろう? 同じことだ」


「まあ、そう言うことにしておくわ。実際嬉しかったし」


 彩花がてれてれとしながらごまかすようにご飯を食べだす。つられて俺もご飯を食べ、そして和やかな空気をさらけ出しつつ、アカネが俺と彩花を素早く見て、ニヤニヤとし始める。


「で、今日はヤるのかしら? だったら目だけ出して様子を確認しておくところだけど」


「今日は……よし、中ボス倒した記念に一回だけ頑張るか」


「前はそう言って三回してたから……その分いっぱい神力が溜まりそうで嬉しいわね」


「本当に……一回だけ? 」


 彩花が一回では満足しなさそうな顔をしている。


「三回やると門限間に合わなくなるから一回だ。俺も名残惜しいが一回で我慢するから、その分満足できるのを頑張ることにしよう」


「うんっ」


 そう言うと、俺より先にご飯を食べ終えた彩花がお風呂を沸かしに行った。なんだかんだしっかり汗とかかいたしな。そういえば、替えの下着とかこっちに用意しておかなくていいのかな。神域として触らないようにしておく自信はあるが、彩花が一度履いた汚れた下着をつけたくない……といった性格だった場合難儀だが、一応今度確認しておくか。今日はとりあえず……楽しみに全力投球することにしよう。

作者からのお願い


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続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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