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あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


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第225話:ケンタウロス戦 3

 30分かけてきっちり十五層をうろうろしてきた。アカネ曰く「十六層への道を作るならこの辺りが良さそうね」と言っていた場所にマーキングをして、次回十六層以降へ進むときに余計な時間を使わなくて済みそうなので、そういう情報は助かるな。


 十五層も実質一時間半歩き回ったおかげで階層のほぼ全域を回ることが出来た。そしてすべてとは言わないがケットシーを一通り倒し切って、またスキルスクロールが一枚出たので鑑定した後、覚える。


 これでレベル8になった。マジックミサイルは通り道とはいえ、この若さでこれだけの数のスキルを覚えている奴はそうそういないだろうな。金持ちの息子でとにかく金に物を言わせてスキルを集めている奴はいるかもしれないけどな。


 さて、円形巨石群まで戻ってくると、ケンタウロスはまた同じ位置で足を折りたたんで座り込み、槍を地面に突き立てて相変わらず祈りのようなポーズをしている。あれはどういうオマージュや意味合いのある行為なんだろうな。帰ったら調べることがまた一つ増えたか。


 そのままゆっくり近づき、ケンタウロスが立ち上がったところで雷魔法を全力で撃ち込み、その後マジックミサイルを胴体にぶつける。同時に発射することはできないが、できるだけ短時間で次のスキルを撃ちこめるように努力はしているので、時間差もそれほどひどくはなく、連射した、と言えるだけの短時間での行使はできたように感じる。


 ケンタウロスに雷魔法が当たり、若干痺れているところにマジックミサイルが物理的衝撃と共にケンタウロスを軽く吹き飛ばす。どうやらレベル8にもなるとケンタウロスを吹き飛ばすだけのダメージを与えることができるらしい。実際に痛いのかどうかはさておき、効果は確認できた。


 ゆるゆると立ち上がったケンタウロスに更に追撃の雷魔法を打ち込む。ケンタウロスはまたもや雷魔法を受けているが、先ほどのダメージの分だけ更に余裕がないのか、そのまま雷魔法を受けて、その後で地面に槍を通して雷撃を通り抜けさせたらしい。


 そして、多少傷ついた体でこちらにランスチャージを仕掛けようと突っ込んでくるが、それほど勢いがないのでマジックミサイルの二連射で再び転び、手を離した槍が俺の足元まで届いてきた。俺が槍を拾うと、そのまま後ろへ投げ捨て、ケンタウロスの攻撃手段を少なくさせる。そして彩花は三連射の火魔法でケンタウロスを容赦なく炙る。


 火だ雷だミサイルだ、と大変なことになっているところへ、斬り込んで片手と前足一本を切り落とし、戦闘力をほとんど喪失させられたケンタウロスはここへ来てまだあきらめず、残りの足ともう片腕で必死の形相でこちらに一撃喰らわさんとしてなおも向かってくる。


 これはちゃんとトドメを刺すのが礼儀だな、と、近づいて一気に心臓の位置に山賊刀を突き立て、楽にして差し上げることにした。戦闘を長引かせる理由なんてないからだ。別に帰りの門限に余裕があるからゆっくり倒したい、というわけでもなく、長く苦しめたほうがドロップ率が上がるとかそういうわけでもないだろうしな。


 心臓部を貫いてぐりっとひねると、そこからは黒い霧が一気に噴き出し、そしてケンタウロスは消滅していった。ドロップは魔石とスキルスクロールが二枚。またスキルスクロール二枚か。まあいい、三回も倒せば十五層までは無事にたどり着けたと自信をつけることができるだろう。


「じゃあ、お疲れ様。私は一足先に帰ってるわよ。あのうるさい場所をもう通りたくないからね」


 そういうと、アカネは俺達を置いて一足先に出入口までワープしたらしい。


「さて……俺達も帰るか。その前にちょっと休憩して、一応ボス戦だったし疲労が溜まってるといけないからな。疲労抜きの休憩と水分補給はしておこう」


「そういえば、水魔法で出てくる水って美味しいのかしら? 」


「試したが味のない水だった。あまり体にいいとは言えなさそうだが、水分がどうしても必要な時は飲むしかないって感じだったな」


 10分ほど休憩して、帰り道に差し掛かる。さすがに短い帰り道ではケットシーもスキルスクロールをくれなかった。もう一枚ぐらいくれても罰は当たらないんだが、まあ現状でも充分すぎるぐらいの儲けは出ているんだし、細かいことは気にしないでおくか。


 十四層、十三層を早めに切り上げて、真っ直ぐ素早くできるだけ手短に、をモットーにして行くことで、行きの6割ぐらいのペースで帰ってくることが出来た。問題は十二層。ここでもうちょっと粘ってスキルスクロールを集めるか、さっさと帰って今日のお仕事を締めにするか、という微妙な所だ。


「一枚出るまで粘っていかないか? 」


「稼ぎたいのは解るけど、荷物もそろそろ重いし諦めたほうがいいんじゃないかしら。それに、一枚ぐらいなら十一層にたどり着くまでに出るだろうから心配はないと思うわ」


 彩花は真っ直ぐ帰る派か……なら、無理矢理つき合わせるのも悪いしここは大人しく帰ることにするか。


「わかった、素直に帰ることにする。こういう時に粘るとよくない方向に向かうのはおおよそ物語の常だ。安心安全でボス退治はしてきたのに、その道中の帰りで怪我してりゃ世話ないもんな」


「そうそう。わかってるようでよろしい」


 彩花からなでなでされる。そのなでなでの向こう側でスケルトンメイジが近づいてきているのが見えたので、魔法を威圧でキャンセルさせた後マジックミサイルで反撃、そのまま核を割って倒した。魔石は落ちたがスキルスクロールはなかった。


 十二層から十一層までに新たに三枚のスキルスクロールを手に入れることが出来た。ここまでで……使った分も含めて14枚か。なかなかの収入になったな。その内3枚はマジックミサイルでもう使ってしまったので、残りの枚数の内5枚は効果不明のスキルスクロールが落ちてきたことになる。さて、何のスキルを拾ったのやら。ケンタウロスが何のスキルスクロールをドロップしてくれるのかを調べて、それから鑑定にかけるべきだろう。


 十一層と十層を威圧をかけっぱなしのまま歩き通し、荷物を満載して帰還する。アカネは先に帰ってきていたが、こっちの帰還を確認すると、じゃあお仕事してきまーすと、外へフラフラと出かけていった。きっと、帰ってきた時にくんずほぐれつしている可能性に思いを巡らせているに違いないが、今日はそれ以外にやることがいっぱいあるので困るのだ。


 とりあえず、スキルスクロールの鑑定からだな。靴は……これも鑑定サイトにかけるわけではないが、情報が載っているサイトを探してそこの言うとおりに装備するなり、それとも販売するなら目安の金額を教えてもらってそれに従うことにしよう。


 さて、まずは彩花が持ってる6枚のスケルトンメイジのスキルスクロールの鑑定からだな。これはどうせ10枚からあふれてしまっているので、俺のスマホと彩花のスマホ両方から鑑定する必要がある。よって彩花が持ってる分のスキルスクロールは彩花のスマホで、俺の持ってるケンタウロスのスキルスクロールは俺のスマホでやってしまうことにする。


 彩花のスキルスクロールの結果は、【火魔法】2、【風魔法】2、【雷魔法】1、【水魔法】1 となった。【火魔法】は早速彩花に覚えてもらい、【雷魔法】は俺が覚える。これでまた雷魔法が一歩先んじて強化されたな。


 さて、問題のケンタウロスのスキルスクロール5枚の鑑定結果だが、【狂化】というスキルが一枚手に入ったことが分かった。そして、残り四枚の内1枚は【槍術】、2枚は【体捌き】、そしてもう一枚は【体当たり】という結果になった。


【槍術】と 【体捌き】、そして【体当たり】は解るとして、【狂化】はなんだろう。しかし、【体当たり】というスキルがあるのが意外だった。どうやら、槍術と組み合わせたり盾術と組み合わせることで、シールドバッシュの上位互換のような扱い方もできるらしい。また、【体当たり】自身は盾が無くても使えることから、つぶしが効く意味でもこちらの方が人気はあるそうだ。


 そして問題の【狂化】だが、ダメージが自然回復しないのと理知的な思考能力を奪われる代わりに一時的に身体能力をブーストすることができるスキルらしい。お値段は、デメリットが大きすぎるとして10万円ほどになっている。


【体捌き】も【槍術】もそれほど高いスキルにはならないが、体捌きはそれぞれ俺と彩花で覚えてレベルを1ずつ進めておく。


「【槍術】は売るとして【体当たり】をどうするかだな」


「【狂化】もよね。多分使うことはないだろうからそのまま売り払うと思うんだけど」


「そうだな……今から大学ダンジョンへ行って、カバン一杯の魔石とスキルスクロールを売り払ってきて、ついでにいくつかスキルスクロールを仕入れるってのでどうだ? 欲しいスキルスクロールがあったらその場で引き換えてもらうことで、必要なスキル……たとえば彩花の場合もう少し【剣術】を伸ばしておくとかそういう方向性で経費として使ってしまえば収入も相殺できるし、俺もある程度色んなスキルを入手できると思うんだよな」


 ついでに、【精力絶倫】を一枚売り払って現金化して、そのお金でスキルを買いあさることもできる。


「なるほど……それは充分にありな話ね。予算はあるの? 」


「精力絶倫が5枚もあって困ってる。このうち一枚を換金してそれが軍資金だ。色々一杯買えるぞ」


「2枚ずつ残すってことは、1枚は頑張りたいときに、もう1枚はさらに楽しみたいときに残しておくってことでいいのね? 」


「いいぞ、それで彩花が納得するならな」


「そうね……楽しみではあるけど、今はまだ普通に楽しめるから問題はないわね」


 じゃあ、もうしばらく塩漬けでいてくれるわけだな。その分他のスキルに切り替えて、たっぷりとスキル調達タイムと行こうか。【精力絶倫】を1枚バッグに忍ばせると、荷物を整理して大学ダンジョンに向かって自転車を漕ぎ出す。


 これで、いくつか必要なスキルを見繕うことが出来れば次のダンジョン探索はもっと楽にできるようになるだろう。金に困らないってのはいいことだな。

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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