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あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


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第217話:探索力強化期間

 さて、ゴールデンウィーク本番が始まった。昨日の今日でさすがに彩花が来る……というわけではなく、彩花も結局二、三日実家に帰ってゆっくりするそうだからしばらくは一人である。この間に何をするか。アカネもいることだし、一人で悶々とするわけでもない。


「聞こえてるわよ。私をおかずにするほど年下に興味ないとか言ってなかったかしら? 」


 言ってた。なので、やるべきはこと細かい日ごろの調整や、普段ではなかなかいかない長期戦でのダンジョンアタックにこそ費やすべきだろう。そんなわけで、今日の仕事はオークチーフランだ。オークチーフが湧き次第すぐに倒して次の時間までオークを倒して待ち、三十分経ったら再びオークチーフを倒して……を繰り返す。


 弁当箱にパスタとパスタソースと入れて、ペットボトルの緑茶を持ち、家の中だとしても、出来るだけ移動時間を短縮して面倒な工程を除去し、効率的に探索ができるように、必要そうなものは持ち歩く。早速弁当入れと、ドロップ品二種類が分けられるバッグの出番ときた。


 今日の目標はオーク肉をそこそこ集めつつ、オークチーフのドロップである【威圧】のスキルスクロールの枚数を集めていくのが目的だ。それ以外は特に目的として求めない。はっきりこれだけに絞ることで、オーク肉塊やオーク肉でドロップが一杯にならないように努めるつもりだ。途中でバッグが一杯になったら流石に帰るが、そこまでの物にはならないだろうとは思っている。


 いつも通り装備をそろえて朝飯をしっかり食べて、途中で中途半端にお腹が空かないようにしっかり調整しての出立だ。アカネはさすがについてこないだろう。ついてこないよな?


「行かないわよ。十五層方面に行くならまだしも、そういうわけではないのだろうからデバッグする必要はないと思うしね。精々頑張って来なさい。あとは階層が浅いとはいえ充分注意してくることね。へんな怪我して帰ってきたりしたら承知しないんだから」


 アカネに無事に送り出しの一言をもらったところで出発だ。三層までは真っ直ぐ歩いていけるのも【威圧】のおかげ。常時フル稼働させながら進むことで道中のモンスターも目の前に現れてくることもなく、ダンジョン内の隅っこでプルプルと震えているのだと思うと少しかわいそうでもあるが、今日の目的は君らではないので、倒されないという安心感を得るにはちょうどいいんじゃないだろうか。


 レッドキャップもクリアし、早速オーク地帯に入るので常時威圧をオフにして、出てきたオークに対してだけ威圧をかける。そうすることで目の前で身動きの取れなくなったオークを倒して魔石を確実に拾い、ボス部屋までの道案内をしてもらう。


 ボス部屋までたどり着いたところで堂々とオークチーフが俺の前に姿を現す。やあ、久しぶりだねえ。


「グモオオォォォォ! 」


 いつもの咆哮と共にオークチーフも威圧を放ってくるので、威圧合戦だとばかりにこちらも威圧を仕掛ける。


「グモ……」


 威圧合戦に負けたオークチーフが言葉も弱々しくなり、中ボスから何とも頼りなさげなモンスターへと降格されていく。こちらの威圧で動けないうちに、オークチーフの首を真横にスパンと切り落とすと、それでオークチーフは終わりだ。オークチーフを倒し、ドロップとして魔石と、今回はスキルスクロールがドロップした。肉塊なら良いけど、武器がドロップした場合は一回帰って荷物を置きに戻った後再度来ることになるんだろうな。


 まあ、今日は一日この作業だ。さあとりあえず昼ごはんまでいっちょ頑張るか。


 ◇◆◇◆◇◆◇


 お昼ご飯まで6回ほど繰り返し、武器が一回出たのと肉塊が1回出たのと、そしてスキルスクロールが合計3枚ドロップした。全部が威圧だと午前中の成果としては非常に楽なものだが、これが全部【精力絶倫】だったら処理に困るな。武器である山賊刀はこれで三本目にはなるんだが、彩花に回す分として一本持っておいて、とりあえず一本はどこかにあるだろう中古品ショップに流してしまってもいいだろう。


 荷物を置きに戻って三層にまた来て、オークチーフを倒したところで今日のお昼ご飯、ミートソースとトマトソースの合いがけパスタだ。さすがに今日仕事をするってのにわざわざ手の込んだお弁当を作る理由はないし、彩花も見てないのでセーフだ。ちなみに彩花には部屋の合いカギは渡してあるので、こっそり訪ねてきて装備がないことに気づいて後から追いかけてくる、という可能性はある。


 しかし、彩花はゴールデンウィーク前半は実家に帰っていると言っていたので、嘘じゃなければまだ実家に居るだろう。実家で早速ゴロゴロして家でのんびりしていればいいと思う。その間に俺は自己強化に努める。


 パスタを食べ終えて水分も取って、ちょうどオークチーフが湧く時間になったので、腹ごなしの運動には少し早いがオークチーフとご対面、そして撃破。ドロップは魔石と……スキルスクロール。今日はスキルスクロールの入手確率が若干高めだな。悪い傾向ではないのでこの調子で午後もしっかり集めていこう。午後は計算上あと11回ほど、夕食までに倒す機会がある。その間に何枚スキルスクロールが出るのか、しっかり見極めつつ計算して戦っていこう。


 午後二時ごろ、オーク肉が手持ち一杯になったので一旦冷蔵庫に保存しに行く。そして新しいビニール袋に入れ替えると再びダンジョン内へ。ついでに魔石とスキルスクロールも置いていって、荷物を軽くしておく。


 午後三時ごろ、ドロップ品で同時に二枚スキルスクロールが出た。同時に同じものが出るというケースは……ビッグバットが魔石を二個くれることがあったから、威圧が二枚出る可能性もあるが、【威圧】と【精力絶倫】が出たと考えるほうが自然だろう。また換金できない資産が増えてしまった。夏休みに帰省する時に爺ちゃんに相談するか。


 午後五時、あと3回倒したら帰ろう……と思っているさなかに山賊刀がまたドロップ。仕方ないので背中の荷物を置きに行くついでにまた部屋へ戻る。あと3回きっちり戦って今日の分としてきっちり数えていこう。


 ◇◆◇◆◇◆◇


 午後六時半、終業時間だ。今日もしっかり働いてかなりの金額を稼いだはず。ベッドの下の箱に魔石が入りきらないかもしれないな。こっちの隠し宝箱もそろそろ容量を増やすか、定期的に搬出して数を減らすなり努力していかないといけないが、これも収入としてカウントされる以上素直に換金しに行けばいい、というわけではないのが何とも歯がゆいところ。


 とりあえず今日の仕事が終わったのは確かなので、そのまま着替えて消臭スプレーして、明日の作業のための用意はしておく。明日も引き続き探索に出かける。明日は十二層でひたすらスキルスクロールだけを集め続ける予定だ。明日の予定はきちんと組み上げたし、二日続けてソースパスタ……というと仕事とはいえ彩花に怒られそうなので、ちゃんと弁当っぽいものを作っていこう。


 さて……手元には合計9枚のスキルスクロールが手に入った。一日のスキル鑑定の限界数は10回なので、ここからは失敗は一回しか許されない。毎回きっちり撮影して失敗しないように鑑定をお願いすることにしよう。


 スキルスクロールを鑑定した結果、7枚が【威圧】、2枚が【精力絶倫】であることが分かった。【精力絶倫】は二人分で二回分以上ある、ということになる。若いうちからそんなに元気になってどうするんだろう。


 とりあえず【精力絶倫】は相変わらず付箋をはっておいておくとして、7枚の威圧を連続して覚えていく。一気に覚えて何か脳に違和感を感じたり、覚えすぎて効果がなくなるのかなどとも考えて事前に調べておいたが、スキルスクロールは現状ではまとめて覚えても一枚ずつ覚えても効果に差はないらしい。なので、探索者を勧誘する時に、たとえば「【盾術】50枚支給するのでタンク役お願いします」等の募集方法も充分に効果があるらしい。


 とりあえずこれで威圧は、現在行ったことのある階層よりも高い数値を維持できているはずだ。たしかこれでレべル18ぐらいになっている。これもパラメータとして自分のスキル状況をまとめたノートかなにかを用意して、そこに記録しておいたほうがいいな。忘れることもあるだろうし、そこはしっかりしておこう。


「ただいまー。幹也帰ってきてる? 」


 玄関のほうからアカネの声がする。結構遅くまで仕事を頑張っていたらしく、こんなに遅くなるのは珍しいな。普段なら明るいうちに帰ってくるというのに。


「おかえり、どうしたアカネ。なんかどっと疲れてるように聞こえるぞ」


 アカネには表面上の区別こそつかないが、声の聞こえ具合からしてかなりお疲れな様子だ。


「うん、ちょっとね……なんか美味しいもの食べたいわ。甘いものが良いわね」


「今日はしっかり収入もスキルも得てきたからな。肉の処理が終わったらコンビニでスイーツでも買ってこようか。何がいいか考えておいてくれ」


 近くのコンビニのサイトをスマホで出し、アカネに自由に選んでもらう。もし、狙い通りのものがあったらそれを買ってくる、という寸法だ。


「これが良いわ、いちご大福っぽい奴。これが食べたい」


 実際に食べるのは俺だが、疲れた体に甘いものは染み渡るだろうな。気合入れて待っててもらうとするか。


「じゃあ、頼んだわよー。留守番はしておくから」


 アカネに送り出されながら、コンビニまでちょっと自転車を走らせる。ついでに夕飯のおかずも調達していくか。ちょっと割高になるがカット野菜の袋詰めなんかを買っておいて、ちゃんと野菜も摂ってます、という雰囲気にしておこう。


 さて、主食は……何にするかな。ホットドッグ型のたんぱく質も取れる系のものを買っておけば、金はかかるが確実に栄養素は取れるな。後はカット野菜と家にある野菜を生で食べられる物を用意して、ミネラル分もきちんととっているという風にすればいいだろう。


 明日は今日とは違い深いところへ行く。さて、スケルトンメイジ相手にどこまで【威圧】が通じるのか、スケルトンメイジに【威圧】をかけるとどういう反応が返ってくるのか、というのを調査する一日になりそうだ。

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