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あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


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第213話:見えてない、見えてない

 一貫して見えていないふりをし続ける俺と、見えてる、絶対見えてる! と言い張る先生。研究尽くしでお疲れの先生の言い分と、普段通りの俺の言い分を比べて、どっちがより正常なのか、と人に尋ねたら、他の人にはアカネは見えてないのだから大泉先生あなた疲れてるのよ、となるのは間違いないだろう。


「まあまあ、肩をお揉みしますから落ち着いてください……ふにゃふにゃですね」


「まあ、凝るような原因がそんなにないからな……ってそうじゃない、本条君には本当に見えてないのかね? 」


「美少女ですか? 鏡を見たとかじゃないですよね。そこそこの美少女は映っていると思いますが」


「私を美少女扱いしてくれて嬉しいのか、レディではなく美少女扱いなのに怒るべきなのかはわからない……そうか、私にしか見えてないのか。触れないし、本当に疲れているのかもしれないな」


「少なくとも動けなくなるほどカロリーを消耗しきるまで研究に没頭してるような人が疲れてないというのは無理があると思いますよ」


『この人、よく今日まで生きてこれたな。今までも何度か電池切れを起こした経験がありそうだが』


『そのたびにお世話係が居たんじゃないかしら。ここでは幹也と彩花がその係になりそうね』


 アカネが現状を冷静に見る。確かに、このままだと俺か彩花がエネルギー補給係に任命されそうな雰囲気はある。次は朝日奈だが、あいつだと……あいつ襲い掛かったりしないよな? 大丈夫だよな?


『まあ、お世話すること自体に文句はないが、ちょっと複雑な気分だ』


「ああ、肩もみはもう十分だよ。さて、栄養も取ったことだし、少し休憩するかな。その間にはその美少女も見えなくなっているかもしれない。本条君も手間をかけさせたね。今日はありがとう」


 しおらしくお礼を言われたのでちょっと肩透かしを食らった気分だが、こういう日があってもいいだろう。大泉先生が椅子にもたれかかって目をつむったことを確認すると、ゼミから出て、ゼミの壁一枚隔てた外側で待つ。アカネはしばらくした後でゼミの中から心の中に話しかけてきた。


『時間差をつけて出ていったほうが、私が幹也に憑いている、というように見えなくなるだろうからもう少しだけゼミで遊んでいくわね』


『好きにしててくれ。俺はもう少し学内探検をしてからアカネを探しに来ることにしよう』


『じゃあそうねえ。三十分ぐらいしたらさっきのコンビニで会いましょう。それまでは適当に私もフラフラしてるわ』


『わかった。じゃあそういうことで』


 先にゼミから出ると、他の学部の学舎のまわりや環境などを調査し、ゆっくりできそうなところを探す。できれば学食から近いところがいいな。学食が人でいっぱいな所だと困るが、人が少ないならそこは俺のゆっくりできる環境、ということになる。


 今日のうちにある程度ポイントを探しておいて、平日に向かい直して人が多いのかどうかを確認して、人が少ないならそこを俺のゆっくりポイントとして登録しておく。実際にゆっくりできる環境かどうかはともかく、人がいない状態で場所を選定しておいて、実際に人がいるかどうかは後で確かめる。まずはそんな環境があるかどうかからだな。


 そして、見つけたうちの何カ所は既にゆっくりできないポイントとして登録されていた。どうやら人の出入りが激しかったり、騒がしい学生がたむろっていたりと、ゆっくりできない事情がそれぞれにある場所だったりする。


 お、ここは良いな。スマホで撮影しておいて後日確認しにこよう。さて、そろそろ三十分経つしアカネを迎えにコンビニに行くか。


 コンビニへ行くと、アカネは既に来ていてこちらを見つけると、何事もなかったかのように動き出し、そして頭の中で語りかけてくる。


『例の合法ロリ先生……はお昼寝の時間になったからその間にこっそり抜けてきたわ。尾行もされてない様子だし大丈夫ね』


『そうか。しかしうかつだったな。よりによってアカネが付いてきてる時に間接キスでコーヒーを飲み干されるとは』


『私も見てない間の行為だったから仕方ないわ。にしても、よほど喉が渇いていたのね。あの体にあれだけのコーヒーとは。全部飲まれちゃったんでしょ? 』


『そうだな。コーヒーならいくらでも入っていくボディをしているのかもしれない。まあ、アカネが毎回ついてくるわけでもないし、次回以降は問題ないか』


『そうかもね。さて、帰りましょうか。気晴らしにはなったでしょうし、次の授業の予習でもやっておくと良いわ。あと、夕食パスタは禁止ということで』


 ◇◆◇◆◇◆◇


 部屋に帰り、先に夕食の準備を終えてから予習を始める。英語や情報の講義は安いパソコンを生協で学生割引みたいな価格で譲ってもらったので、アパートに最初から付属している無線を使ってネットも使い放題である。


 前の家でスマホの小さな画面と細い回線速度でなんとか無理にでも情報を集めていたころとは違い、スマホより広い画面で悠々と調べものや息抜き、作業に集中するためのタイマー音楽なんかを楽しむことができる。


 高校のうちに買っておいても良かったかな……いや、それはそれでやりたいことが増えて多分集中できなかっただろうから、大学を機に購入した、ということでいいだろう。それほど値段がしなかったのが一番の理由でもあるしな。後、前の家にはネットが無かった。マズローの五段階欲求の最底辺であるWi-Fiがないのは今まで人権が無かったのと同じだ。


 パソコンが無くても授業は何とかなったし、パソコンじゃないとできないことはできるだけ外製……高校でパソコンを借りたりして何とかしてきたので、これを機にノートパソコンを一つ購入して使ってみているのだ。あまり遅くまでパソコンをいじったり、VTuberを追いかけたりする趣味はないのでスパチャを送って散財する趣味もない。それがしたければ精々ダンジョンで金を稼いで、税金分も余った金で遊ぶ必要があるな。


 ただ、やり過ぎはご用心だし、そんなにスパチャばかりしていると彩花に私の方に構って欲しいとへそを曲げられそうなので、やはり俺には向かないのかもしれない。より大事なものに金を使いたいというのは間違った欲求ではないだろうな。


 ……と、思考がずれてきているな。講義の内容に戻すか。プログラムの講義はやはりパソコンで疑似環境を作って実際にいじくり回せるところから始められるのがいい。これもスマホではなかなか難しいところではある。学べるサイトは数あれど、実際に動かしてプログラミングをして実験して……と出来るのはパソコンのほうが圧倒的にやりやすい。


 本番環境に近いということもあるが、画面が広いのが何よりも便利だ。スマホの小さい画面で指先で要らんところをタップして画面が戻ったり予期しない事態を発生させたりしないのがより良い。


「幹也もパソコンを買って、新しいおかずを探し求めるのに夢中なのね……技術的進歩を感じるわ」


「おかずはもうさっき作ってレンジの中にあるぞ……と、もうこんな時間か。早速夕食にしよう」


 作っておいたお好み焼きをレンジアップして、ご飯を炊飯器から上げると炊飯器を先に冷ましてしまう。レンジでお好み焼きが温まってる間にさっさとシンクに移動させ、しゃもじと一緒に水を入れて冷やしておく。食事が終わったらまとめて洗いものだな。


 レンジアップして温まったお好み焼きに鰹節とお好みソースとマヨで彩りを加えて出来上がり。お好み焼き定食、完成だ。スープはついてないが、おこのみでポタージュスープぐらいなら用意はできる。が、今日はなくても問題なさそうだな。


「では今日も……いただきます」


 両手を合わせて祈ると、自分で作って偉いよポイントがアカネに吸収されていき、アカネとご飯との間に青白い神力のつながりが現れる。これまで一年間何度も見てきた光景だ。今更驚くものはない。ちゃんとありがたみを享受できているのは間違いないので、今年も来年もきっと、同じ光景を目にしているのだろうな。


「今日もごちそうさま。しかし、私も成長したものよね」


 青い光が出終わったところで、早速食べ始める。今日はオーク肉ではなく普通のブタ玉だ。野菜もちゃんと混ぜ込んであるので栄養分は充分。お好み焼き一枚でもカロリーも栄養素も充分取れると自信ある一品だ。


「そうだな。ちょうど会いに来た頃に比べたら一年ではありえないぐらい成長したな」


 仮に俺に成長期の親戚の女の子がいたとしても、ここまで大きく変わることは数年放っておかない限りはあり得ないだろう。そう考えるとやはりありえなさはぬぐえないな。胸もちゃんとあるし、腰も女性っぽさが出始めてきた。ワンピースもパツンパツンとは言わないが、どことなく窮屈さを認めるようになってきたし、ちゃんと成長しているんだろう。


「どこ見て考えてるのよ、すけべ」


 俺とアカネの道祖神から笑顔の苦情が飛ぶ。


「神様もすけべなんだからその氏子がすけべであっても何ら問題はないと思うが? 」


「ワンピースの下がどうなっているのかが気になるんでしょう? 違うの? 」


「アカネは俺の頭の中が読めるんだから確認する必要はないと思うが」


「直接口から言われるうれしさに比べたら頭の中で思ってることを読むぐらい大したことではないわ。言っていいのよ? 見てみたいって。もしかしたら叶うかもしれないわよ? 」


 アカネがワンピースの裾をちらつかせてヒラヒラとまくっては、眩しい太ももをあらわにしている。正直、目と股間に悪い。そんな股間の様子を頭に浮かべることなく、華麗にアカネの誘惑に打ち勝つ。


「今はいいや。お腹空いてるし」


「連れないわねえ。そんなに食べるほうが大事なの? 」


「食わないと今日の合法ロリみたいになるからな。そういえば、ちゃんとあっちは夕食食べてるんだろうか。流石に昼夜続けてエネルギー切れを起こすことはないとは思うが」


「さすがに大丈夫なんじゃないかしら。二日続けてゼミの研究室の前でエネルギー切れで倒れているのを学生に発見されるなんて恥ずかしいことはそうそうないとは思うし」


 そうだよな。いくらなんでもこの半年はこの大学にいたわけだし、その間に問題行動を起こしていたならそれを理由に何らかの処分や保護観察は付いてるはずなんだ。大丈夫大丈夫……

作者からのお願い


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続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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コーヒーが原因だったか、、、
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