表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

192/229

第192話:二日目もつつがなく終わり

 共通テストは無事に二日目も終わり、自己採点をその日のうちに済ませた。あくまで自己採点だが、9割5分は取れた。共通テストでこれだけ取れていれば充分だろう。


 そして、共通テスト翌日はわが校は休み。テスト会場になったわけではないが、自己採点と復習の機会をそれぞれで行って次へ進めるべきだ、というのと、テスト疲れで翌日に授業を行っても疲労でまともな授業を行うことは出来ないだろうということから、休みという形になっている様子だ。


 そのため、今日一日は暇……というわけなんだが、隆介と彩花が同じタイミングで報告会と行こう、ということで何故か俺の家に集まることになった。まあ、隆介の家に行くには彩花が場所を知らないし、彩花の家に行くには怪しすぎる。そして学校は休み……ということで、俺の部屋に集まることになった。


 アカネは俺と彩花にかけた分の神力を補充してくると言って手ぶらで出かけていったため、アカネバレの心配もない。落ち着いて話し合いができるな。


 昼過ぎになって二人ともやってきたので、準備しておいたコーラとお菓子を出した。まだ資金的に余裕があるのでちょっとしたパーティーとまではいかないが、お疲れ様の慰めぐらいはできる。


 二人とも勉強道具を抱えてきたので、ただの報告会だけで終わらせるつもりはないらしい。学生としての本分と、今後の予定は崩さない、という点についてはちゃんとしているらしい。


「というわけで来たわよ! 」


 だんだんアカネじみてきた彩花。親子でもないのに似る部分があるのだろうか。まあ、信者と神様も疑似的な親子関係とは言えなくもないのか。元気なのは結構なことだな。


「というわけで来たぞ! 」


 真似をしてみる隆介。隆介なので特に感想はない。


「自己採点は終わらせてきたのか? 二人とも」


 念のため、昨日の試験が終わってから気が抜けてないかを確認する。もし気が抜けて腑抜けになっていたなら喝を入れてやらなきゃいかんからな。


「私は昨日のうちに終わらせておいたわ。一応足りなかったと思った部分も知識として仕入れておいたから、抜かりはないわよ」


「俺もだ。試験明けすぐが一番危ないというのは鉄則だからな。カバーリングはできるだけ早くするのが出血を小さくするための必要な儀式だ」


 二人とも心配ないらしい。さて、上がってもらうと俺の部屋の円卓に座り込んでお互いの勉強を始める。


「さて、で、どのぐらい取れたんだ? まさか9割取れなかったなんてことはないよな? 」


「9割5分だな。これ以上ない結果であるとは言える。残りの5分もちょっとした計算間違いや意図の読み取り不足だ。英語については両方合わせて200点取れたし、そっちのほうは心配なしだな」


「それだけ取れていれば医学部でもどこでも行き放題だが、それでもダンジョン学部を目指すんだな、幹也は」


「ああ、他にやりたいこともないしな。せっかくだしその道を究めてみようと思うよ。まだまだわからないこともたくさんあるしな。それを一つ一つ紐解いていくのが俺とは限らないが、その手伝いが出来ればまあ、もう少し世の中面白くなるかなってさ」


「ふむ。まあ、大学に入ってからでもいい自分の進路を今のうちに決めていく……というのも悪くはないだろうし、お前がやりたいことをやるのが一番いいだろう。そういう意味ではかなりどこまでの幅で求められているかがわからないのが問題だな」


 それぞれ勉強道具を出しながら、話を続ける。


「それが今回一番難題なんだよな。どこまで点数が取れていれば入学できるのか。二次試験の内容が数学理科と発表されているのが救いだが、これで当日まで試験内容が不明……とかだったら問題だったがな」


 その点、あらかじめ配点が決められていてそれに向かって頑張ればいい、というのは確かに気楽に受けられる、というところだろう。しかし、問題は難しさだ。どのぐらいの難しさの二次試験を課してくるのか。できるだけ簡単であればありがたいが、簡単すぎても差をつけられないからまた難しいだろうし、頭を悩ましているのは向こうも同じなんだろうな。


 どのぐらいのレベルの生徒が集ってくれるのか。そのためにどのような実績をこれから上げなければいけないのか。そのためにはどの時点で足切りをする必要があるのか。そもそも充足するのか。色々と考えることがあるはずだ。


 それらの悩みを吹き飛ばすような生徒が現れてくれなければ困る、というのが学校側の意思なのだろうな。そのためには現役学生だけでなく、現役探索者で知力の衰えてない者でも優先的に求めるぐらいの現役推薦枠、なんてものがあっても面白いぐらいだな。


 さて、本当に理数系で良いのだろうかと思うが、実際の所どうなんだろうな。他のダンジョン関連学部も理数系の二次試験範囲であるからなのだろうが、本当に理数系で良いのだろうかという不安は残る。まあ、実際にオープンキャンパスで知った範囲でも理系の講義内容が多かったようだしな。


 うーん、実際問題どういう講義になっていくのかさっぱりわからんな。考えるのやめるか。先の先を考えるより目の前の課題を何とかしよう。目の前によその大学のダンジョン学部の過去問が目の前にある。二次試験は理系なので同じ方向性での学力が求められると考えて、一つずつ確実に解いていこう。時間はまだある。その間にしっかり反復訓練と確実な勉強をしていこう。


「しかし、こうやって三人で集まるのもあと少しだと思うと寂しいものがあるな」


「小学校からの隆介との付き合いも大学で一旦離れることになるのか。その様子だと関東にでも行くのか? それとも大阪か、もっと遠く九州か」


「第一第二志望は東京だな。第三志望で大阪、ということになってる。遅くとも第二志望で決めるつもりではいるからな。まあ、なんとかなる……少なくとも俺は」


 隆介はともかく、彼女のほうは大丈夫なんだろうか。今日も彼女をほったらかして俺達のほうに来ているし。


「いいのか? 彼女をほっといてこっちに来てて」


「向こうは門限や家庭がちょいと厳しめなんだ。勉強のためとは言ってもふらっと遊びに行ってお邪魔できるほど格式の低いお家ではないんだよな」


「あー……私、小林が誰と付き合ってるかだんだんわかってきたかも」


 彩花は心当たりがあるらしい。俺のほうはサッパリなので、多分誰と付き合ってるかを教えてもらってもそんな生徒がいたのか、で終わってしまうような気がする。


「まあ、この様子だと幹也に教えたとしても広める気もないどころか、それ誰って言われそうな顔をしている」


「そんな感じだ。だから今更話しても無駄だろうし、その分学力を詰め込みたいところだな」


「違いない。というわけで問題を解く方に頭を使おう」


 三人で勉強を始める。無言だが、着実に筆を進めていく三人。どうやらこの三人については、休み明けの試験ボケとかそういうものには無縁らしい。良かった、寝ぼけてる奴がいなくて。


「しかし……この一年で成長したのは幹也の学力もそうだが、次は冷蔵庫の中身だろうな」


「たしかに、ダンジョン通い始めてから肉類が常にある、という状況ではあるな。ダンジョンで手に入るオーク肉もそうだが、オーク肉を売却したお金でスーパーで安い豚コマを買い求めることでより多くより健康的な食生活を送れるようになっている。その点はダンジョンに感謝してもしきれないな。あと、ダンジョンなかったら彩花ともこうしてないだろうし」


「それもそうね。ダンジョンがなかったころの受験生って本当に勉強しかしてなかったのかしら」


「それこそ親世代に聞いてみないとわからない話だが、受験が落ち着いたら昔ばなしとして聞いておくのも悪くないだろうな。ダンジョンがなかったころの学生とダンジョンが出来てからの学生。受験先や進路相談なんかも変わってくるだろうし」


「ダンジョンがないころの話なあ……先生にでも聞いてみたら一発でわかるんじゃないか? それこそ古文の広瀬先生なんかはダンジョンが出来上がる前にはもう教鞭をとってたような年齢だろうし」


「広瀬先生か。話しかけやすさにしても適任かもな。今度自習になった時にでも話を聞いてみるのは面白いだろうな。機会があったらそうしてみるか……と、まあこんなもんか。俺は共通テストの洗い出しは完了した。そっちはどうだ? 」


「こっちはもうちょいだな。なんで間違えたかをまだ見いだせないでいる。どこで勘違いして間違えたかをはっきりさせておかないと、同じ間違いを繰り返す可能性があるからな。そこをしっかり確認しておかないと……と、これなんでだ? 」


「どれどれ……」


 隆介が詰まっていた部分を指摘して、引っかかっていた所を教えてやると、「なるほど、そういうことか」と納得して、ようやく次に取り掛かれるらしい。確かに、一カ所引っかかってる問題があるとそこが気になり続けて他の問題に進んでも心のどこかに残り続けてしっくりこないことはある。それをときほぐせただけ隆介にはいい薬になっただろう。


 しばらく三人でそれぞれの勉強を進めたところで、隆介は早々と退散していった。詰まっていた所の引っ掛かりが取れたことで前向きに勉強できるようになったから後は自分一人で進めるそうだ。


 俺の部屋で二人残された中で、お互いの勉強をし続ける。行く先も同じ、学力は俺のほうがちょいと上、というこの中で、静かに過去問を解き合っている。


 更にしばらくして、遅くなるからと少し早めに彩花が帰っていった。帰る前にしっかりとほっぺにキスをしてくれたので、俺としてはそれだけでなんだか満足してしまった。そして、彩花と入れ違いに帰ってくるアカネ。今日はそれぞれ歯車がいい感じに噛み合った日、ということになったんだろう。


「もうみんな帰ったの? 」


「ああ、彩花とすれ違わなかったか? 」


「すれ違ったのを見かけたから帰ってきたのよ。結城さんが帰ったのなら隆介はもういないだろうと思って」


「それは勘のよろしいことで。隆介はさらにもう一足先に帰ったところだ。だからばれる心配もないぞ」


「そう……で、ちゃんとみんな勉強できたのかしら? 」


「そこは心配する必要ないかな。それぞれやるべきことは決まってるみたいだし、やれるところまでやるってのは同じらしいしな」

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ