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あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


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第181話:スクロール集め

 午前中の一方的なスケルトンの虐殺ショーが始まるかと思いきや、そうでもなかった。マップが狭い。そう、狭いので回避する余裕がなく、場所によっては通り道の、四人ですれ違えればちょうどいいぐらいの狭さの場所に、スケルトンメイジが湧いているケースもあり、これはこれでなかなかに都合が悪い。


 本来ならもうちょっと広いマップを想定して回避しながら戦う戦術を用意していたのだが、そういうわけにはいかなくなった。


「これは面倒くさいな。もしかしたら十五層でケットシー相手にマジックミサイルを調達するほうが正解だったのかもしれないな」


「向こうも同じかもしれないし、今から十五層に向かうより、午前中は大人しく十二層でいいんじゃないかしら。少なくとも往復の時間分だけ無駄な行動をとらなくて済むはずだわ」


「それもそうだな……しかし、狭いところのモンスターはうまく釣り出して……よし、エネルギーボルト当てて逃げて下がって、追いかけてくる間に広いところへ出てうまく対処すればいいな。しかし、揃ってまあこんな狭いところに滞在してなくても、もっと広いところにいてくれればいいのに」


 道の端っこや行き止まりに固まってるスケルトンメイジが比較的多く感じる。もっと広いところに出てきてくれればいいんだが、しかし広いところに集まりすぎると今度は一匹ずつ対処するのが難しくなるからな。なかなか難しいところだ。


 ◇◆◇◆◇◆◇


 午前中にスケルトンメイジを60体ほど葬って、出てきたスクロールが5枚。割と良いペースで拾うことが出来た。帰りにもホブゴブリンをきっちり狩って帰ったことで、バッグの中身はなかなかの収入になっている。


 昼ご飯を彩花が作ってくれるらしいので、その間に隆介に連絡。防具を買った時のレシートが残ってないか確認すると、残っているらしいので次に会った時に渡してもらえるように頼む。


「しかし、防具のレシートが必要ということは扶養家族から外れるギリギリのラインでダンジョンに通ってたってことだよな。そんなに儲けてたのか? お前」


「最近頻繁に行くようになってな。十一層に直接行けるようになってからはちょこちょこと通ってるんで、落としてくれる魔石と銀貨がいい収入になってたんだ」


「そうか、まあ、学校が終わるまでには渡せるよう手配しておくから安心してくれ。最悪年明けでもいいしな。納税申告は二月からだしな」


「そうなのか。まあ、そう言うことで頼むわ」


「おう、任せとけ。なんか後ろで音がしてるから結城が居るんだろうとは思うが、午後からダンジョンでも行くのか? 」


「んー、わからん。その時の気分で決まるかな。とりあえずご飯を作ってくれるらしいので楽しみに待ってるところだ。じゃあな」


 よし、これで確実に経費で落とせるな。後は武器を中古で買った時のレシートが出てきてくれれば……あった。これで更に余裕ができることになるな。レシートは大事だな。来年からもちょこちょことお世話になるだろうし、こういう細かいのをきっちり経費として処理していって、出来るだけギリギリまで現金化できるように頑張ろう。


「できたわよ、ありあわせになるけど。あと、ちょっと早いけどメリークリスマスってことでケーキを買ってきてあるわ。食べましょう」


「そうか、クリスマスか……恋人と過ごすという意識そのものがなかった」


「だろうと思ったわ。だから一方的に押し付けに来たわよ」


 彩花がやれやれ……という表情でこちらを見てくる。これは完全に俺の落ち度だな。


「今後はそういうイベントによく注目しながら人生を過ごすことにするよ」


「そうしてくれるとありがたいわ。いくら私でも、何のイベントも祝ってくれないような男の子とはちょっと一線を引きたくなるかもしれないから、精々私の興味を引き続けるように努力してみてね」


 小さく、はい、と答えながら、作ってくれた味噌煮込み天ぷらうどんを食す。天ぷらはありあわせものだが、冬という寒い季節にちょうどいい温かさと食べた気を感じさせてくれた。シンプルに美味しいと伝えると、ふんわりと笑いながらどういたしましてと返ってきたので、この対応は間違ってなかったんだな、と心の中で感じる。


「私の分はー? 」


「二人で食べちゃうけど、ケーキは三つあるわよ。それでもいいかしら? 」


「やったっ、大人しくご飯を食べ終わるのを待つことにするわ」


 こっちの道祖神様は和菓子でも洋菓子でもどっちでもいけるクチらしい。大人しく椅子に座ってるふりをして、空気椅子で食卓を囲んでいるアカネがちょっとシュールではあるものの、食事を食べ終えてケーキを取り出す。チョコレートケーキとショートケーキとモンブランの三種類が出てきた。


「彩花からどうぞ」


「アカネさんから」


「いやいやこっちはお供えしてもらう立場だし結城さんから」


「どっちにしろ食べるんだからアカネさんから選べばいいわよ」


「じゃあ俺が」


「「どうぞどうぞ」」


 一連の流れを断ち切って、チョコレートケーキを頂く。そしてアカネがモンブランを選び、彩花がショートケーキを選ぶ流れになった。


「メリークリスマス、彩花」


「メリークリスマス、幹也」


「二人ともメリークリスマス。ごちそうをありがとう」


 かなり多めの青い光がアカネに注ぎこまれる。幸せオーラが大きいほど神力もまた多くなるらしく、また一段階大きくなる。当初から考えるとかなり成長したな。もう立派な女の子と言えるだけの成長を遂げたと言える。ただ、ストライクゾーンにはまだ遠いか。


「この調子なら、来年には幹也のストライクゾーンには入れそうね」


 アカネが自分の背の高さを手を高く伸ばして位置を教えて、このぐらいにはなれそうだと宣言する。


「幹也はそのぐらいのほうが好みなの? 」


「心の中では触れられる前提だけど、もうちょっと成長した結城さんぐらいのほうが好みだと言っているわ」


「俺に内心の自由はないのか」


 俺の心の中を勝手に読んで、そのまま発表するのは止めてほしい。


「私に対して限定で言えばないわね。ついでに結城さんもまだもうちょっと成長してるらしいから幹也は楽しみにしてると良いわよ」


「っ……まあ、いいわ。成長した姿をお見せして触れてもらえるのも幹也だけだし、そういう点ではまだまだ見どころも伸びしろもあるから、幹也の心は掴んで離すつもりはないから」


 嬉しいことを言ってくれるなあ。さっき見捨てられないように頑張れと言われたのがウソのようだ。だからと言って胡坐をかくことなく、飽きさせない男として頑張ることにしよう。


 ケーキを食べ終わったところで、さっき拾ったスクロール六枚を鑑定。【火魔法】が三枚、【水魔法】が一枚、【雷魔法】が一枚、【風魔法】が一枚、という結果になった。さて、売らずに溜めこんでおくとして、どれを覚えるかだな。


「とりあえず彩花、どれがいい? 系統だけでも決めておけばあとはまた溜まった時に覚えるなり、今覚えて早速使うなりできると思うけど」


「そうね……せっかく三枚あるし、【火魔法】にしようかしら。後で複数覚えたくなったらもう一系統覚える、ってのもありよね? 」


「二人の戦果だし、三枚までは持って行ってもいいぐらいだからな。また一人でうろついているときに【火魔法】がでたら残しておく事にするよ」


「じゃあ、覚えるわね」


 彩花が覚えると念じたのか、三枚とも同時に彩花の中へ文字が吸収されていく。


「覚えた……と思う。ダンジョンの中で試し打ちしたいわ。ホブゴブリンにどのぐらい効くか、進みながら確かめましょう」


「十五層まで行くのはそれなりに疲れるだろうから、途中で息切れしないようにね、注意していくのよ。あと、水分もちゃんと持っていきなさい。サラマンダーみたいに暑い階層はないはずだけど、水分不足でのびたりしないようにね、あとハンカチ、ハンカチも持っていきなさい」


 オカンみたいな世話焼きを始めたアカネを適度に相手して、食休みをして再びダンジョン内へ。


 十層を難なく抜け、十一層で早速彩花が【火魔法】を使い始めたが、やはりスケルトンメイジが作っていたイメージがそれに近いのか、同じような物を作り出しては発射している。スケルトンメイジがやっているより素早く、そして確実にモンスターに当てていっているので、ぱっと見でスケルトンメイジが使っていたものよりも使い勝手は良いんだろう。


 全力っぽいファイヤーボール的な何かを当てた後、トドメに切り込みに行って動きの鈍くなったホブゴブリンを一人で倒してしまえた。どうやら三枚重ねるとそれなりの威力にはなっているらしい。


「ふむ、三枚でもこれだけの威力が出るのか。俺の八枚重ねたエネルギーボルトより使い勝手良さそう」


「目一杯出力を上げてるからそう連射はできないけど、確実に当てられるなら便利よこれ」


「俺も何か覚えるか。次にスケルトンメイジが落としてくれたものが被るだろうからそれで行こう」


「火魔法が出たらその時はどうするの? 」


「その時はさらに次回に持ち越しだな。急いで覚える必要もないわけだし、そんなに急いで使いたいならエネルギーボルトでも困るわけじゃないからな」


 そのまま十一層を抜け、十二層からさっき見つけておいた十三層への道をたどる。途中には相変わらず狭いところにスケルトンメイジが引っかかっているが、無視して通り過ぎて後ろから撃たれるのも怖いので湧きつぶしも込めてしっかりと倒していく。途中で二枚ほどスキルスクロールをくれた。今回は黄色と緑が落としてくれたので、【風魔法】か【雷魔法】のどちらかだろう。どっちを覚えようかな。


「これで、どっちか選択できるようになったわね」


「どっちを選んでも微妙さはあるな。【風魔法】はなんか地味だし【雷魔法】はエネルギーボルトと被る。あえて雷系統に寄せていくのも有りかもしれないが……ああ、この後で十五層で【マジックミサイル】を拾って覚える、という手もあるのか。まだ選択肢は残ってるな、よしよし」


 十三層に抜けると、ゲコゲコとあちこちから聞こえてくる。どうやらバブルフロッグの鳴き声があちこちから響いているようだった。

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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