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あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


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第180話:久々の自宅探索

 期末テストも終わり、終業式が近づく。そんな休日の中だが、久しぶりに自宅の探索をしようということになり、彩花も呼んで十二層でスキルスクロールを集めに行かないか、ということになった。


 彩花も遠距離攻撃手段を取れることに喜んでいるようで、今まで俺が一方的にエネルギーボルトでモンスターを倒していたのがちょっとだけ羨ましかったらしい。


 あらかじめ調べておいたことによると、スキルスクロールを重ねた枚数分だけいわゆるマジックポイントの総量は増えるようで、その話によれば、俺と彩花がそれぞれ何かのスキルのレベル1を覚えた場合でも、俺のほうが彩花よりも連射したり継続使用したりする際に有利に働く形になるようだ。エネルギーボルトレベル8の分はそういう意味では無駄にならないらしい。


 それぞれの種類のスキルを使うには、それぞれのスキルで覚えないと共通部分がないので無駄、と切り捨てられることもあったのなら、ここまで頑張って覚えたエネルギーボルトのほうが更に奥で手に入るスケルトンメイジの魔法よりも効果的であるということになってしまう。そうならなくてよかったと心底思うところだ。


 彩花が来るまでに部屋の片づけと持ち物の整理を終わらせる。今日は一日かけてゆっくり回れるので、朝から潜って昼で一旦部屋に戻って食事して、昼からまたダンジョンに潜って、帰り際に暗くならないうちに駅前ダンジョンの換金カウンターで換金する、という流れになるだろう。


「で、アカネさんや、ダンジョンの進捗のほうはどうなってますやろうか」


「急に口調が変わったから何事かと思ったわ。ダンジョンなら、十五層まで出来てるわよ。今日の予定は十二層らしいけど、目的はスクロール集めってことかしらね? だったら十五層のモンスターでもスクロールは出るのではなくて? 」


「ああ、ケットシーか……確か物理的作用のある魔法を落とすんだったな。それも欲しいが……午後に回すか。午後のほうが時間あるし、午前で満足するだけのスクロールが出るならそれで充分だし」


「手堅いわね。男なら一発に賭けて深いところで戦ってみたらどうなのよ」


「俺が一人で行くならそれもありだろうが彩花もいるからな。二人のダンジョンだし進捗も含めて相談して決めたいところだな」


「それはそれはご馳走様。まあ、焦って攻略する理由もないし好きにすればいいと思うわ。お金稼ぎをするにしても自己強化に努めるにしても、どっちにしても便利ではあるんだし、自分の特典を思う存分使うと良いわ……そろそろ結城さんが到着するわよ」


 アカネがそういうと、一分もしない間に彩花が到着して玄関のチャイムを鳴らす。やはりアカネ自身は信者が近くにいるかどうかを判断できるらしい。


「きちゃった」


「来るっていってたしな。どうぞ」


「最近、少し幹也が私慣れしてきて新鮮味が足りない気がしてきたわ」


「さすがにあそこまでいってると難しいところね……腕を組みながら探索するわけにもいかないでしょうし、刺激が足りないって奴かしら? それとも正式な恋人の儀式を行う前に倦怠期って奴かしら。もう、この冬にかけていっそのことやっちゃったらどうなの? 」


 アカネが指に指を通して具体的な行為のハンドサインを始める。流石に下品すぎると口を出そうとしたら彩花が先に口を出していた。


「それは卒業後まで取っておいてある特別製のものだからいいのよ。普段のときめきがもう少し欲しいってところね」


 さすがの彩花もアカネの下ネタにも慣れてきたのか、冷静にそこは返している。俺より落ち着いているかもしれない。


「うーん、目新しさか……一歩とは言わず半歩だけ前進してみるとか? 」


 半歩の内容を彩花に耳打ちすると、ボッと一気に赤くなる彩花。そして少し足をモジモジさせたあと、俺にそっと耳打ちする。


「それはとても興味があるけど……そこで止められるの? 」


「そこは俺も心配なところではある。そのまま突っ走っちゃうんじゃないかと」


「でも、その……あぁ、私、期待しちゃってるのが自分でもわかるわ。こんなにスケベな子でごめんなさい」


 彩花が顔を赤らめたままうるんだ瞳で俺を見つめ続ける。うん、今日もかわいいな彩花は。


「多分半分はそこの道祖神のせいだからあまり気にしなくていいと思うぞ。それに、今おっぱじめたら確実に覗かれるがそれでもいいのか? 」


「覗くどころかガン見するわ! もし触れるなら一緒に手伝うまであるわね! 」


「……な? 」


「オーケー、ちょっと気持ちが楽になったわ。確かに初めてを覗かれながら……何てことになったら変な癖がついてしまいそうだし、勘弁して欲しいわね」


 彩花が正常に戻ったところで、今日の予定を考える。十層、十一層の簡易地図は出来ているので、その後の十二層部分について探索を始める予定であることと、午前中の進捗によっては午後は十三層以降にも手を出してみようという話になる。


「そのケットシー目的で十五層に行こうってことなのね。十二層で適度に集め終わったら、よね? 無理だったらまた十二層に引き続いて潜って、ある程度カバンが一杯になったら換金しに行く、ってことでいいのかしら」


「その予定だけど……多分換金の限度額があるんだよね。あんまり高額な交換をしてしまうと今年の扶養家族の範囲を超えてしまうからほどほどにしないといけない」


「そういえばその金額はいくらまでならいけるかわかってるの? 」


「ギルドで換金する分には、バイトと同じで103万円までならいけるらしい。今年はいくら稼いだっけな……」


 ギルドの換金時に出されるとっておいたレシートと、リサイクルショップでの取引金額を調べておおよその金額を出してしまう。


「まだ10万ぐらいは大丈夫か。スキルスクロールの買い取りをお願いしない限りは大丈夫そうだな。税金関連の話は12月で一旦〆になるはずだから、冬休みが明けたらまた1から稼ぎに出られそうだな」


「なら、精一杯稼いじゃっても大丈夫ってことになりそうね。最悪お金にしなきゃいいんだし、気楽に行きましょう」


 早速防具を着こみ、着替えてダンジョンに入る。アカネは「行ってらっしゃいー。中でお二人ご休憩ごゆっくりー」と送り出してくれたので、ついては来ないらしい。どうやら中のデバッグなんかも終わってる様子だ。


「やけに素直に送り出したな。流石にからかいすぎたと思ったんだろうか」


「そうかも。本当に中でゆっくりしてたらモンスターのお世話になることになると思うんだけど」


 多分ごゆっくりの意味を勘違いしている彩花のそれを訂正せず、そのまま十一層方面へ移動する。シャドウウルフを威圧で完全に動きを止めさせながら彩花がすっぱりと首を切り落としていく。


「【威圧】便利よね。落としてくれるモンスターが意外と階層が浅いこともあって複数枚手に入ってるんじゃ? 」


「なんだかんだで……レベル7かな。ホブゴブリンにはまだ効果がないらしいからまた戦いに行ってかき集めてくることにするか。威圧で抑え込んで倒すのが一番楽でいい」


「でも、それに慣れちゃったら本来のモンスターの倒し方を忘れちゃうんじゃない? それこそ、小林と一緒に駅前ダンジョン潜るときなんかに困るんじゃないかしら」


「それもそうだな。こっちは練習ダンジョンなんだから威圧に頼らずに正々堂々と勝負を……いや、でもせっかくの高効率ダンジョンで更に効率化できるのにそこを効率悪くしちゃうのもなんだかなあ」


「まあ、精一杯悩んでくれればいいわ。私は幹也に合わせるから、威圧を使うなら使う、使わないなら使わないでそれなりにやってみせるわ」


「そういえば、そろそろその剣も替え時じゃないのか? もしオークチーフがこれと同じの落としたらそっちに持ち替えるか? 古いほうは売って現金にしてくれて構わないからさ」


 山賊刀を軽く揺すりながら彩花に提案する。そろそろ落ちそうな気がするんだよな。


「そうね……それも悪くないけど、もっと軽くて切れ味のいい武器を中古屋さんに探しに行くのでも、新品を調達するのでもいいのよね。たしか武器の購入分は収入から引いて計算して良いはずだったから……経費? になるんだったかしら」


「ってことは、俺も買った防具の分だけ経費扱いにできるからもうちょっと稼げるわけか。レシートは……ああ、もしかしたら隆介が保管してくれているかもしれん。後で確認しておこう」


 話をしながら十層のシャドウウルフは威圧で抑え込んでサクッと倒すことで切り抜けることにし、威圧が効かなくなるホブゴブリンから奥は真面目に戦っていこうということになった。楽できるところは楽をするのは大事だよな。


 そして十一層にたどり着き、十二層に向けて真っ直ぐ十一層を横断する。ここから先は真面目に対処しないといけない相手だ。同時に二匹出てくることがないとはいえ、ドロップ品の銀貨と魔石は確実に入手していく。


 二匹に一匹は銀貨をくれるので、少々の重さでなかなかの稼ぎをくれる。ホブゴブリンさえ狩っていればすぐに一年分の収入に匹敵しそうな程度に数もドロップ量も多い。やはり、駅前ダンジョンでも十一層は稼ぎ場なんだろうな。


 十一層をそのまま抜け、十二層へ。ここからが戦い所、スケルトンメイジ相手の十二層だ。それぞれのマントの色によって魔法を使い分けてくるテクニカルな判断が要求される。が、少なくとも駅前ダンジョンより狭い専用ダンジョンでは、同時に二匹出てくるようなケースがないと考えている。


 同時に二匹出てきて戦闘場所を展開させられるほど広さを感じさせないこの専用ダンジョンでは、モンスターが同時に二匹出てくるほどのコストを捻出できていないと感じさせる。モンスター二匹というシチュエーションはそもそも想定していないと見るべきだろう。


 予想通り、最初に青スケルトンが一匹で出てきた。早速直線状に長く滞在しないように回り込みながら走り込む俺と彩花。青スケルトンは水魔法を撃ちこむが、撃った先には何もおらず地面を濡らすのみ。そのままきっちり心臓部分の核を割って倒し終わると、早速スキルスクロールをドロップしてくれた。やはり、ここも十二層は美味しいようだ。

作者からのお願い


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続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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