82 大賢者ラフレシアとの再会
「じゃあ、アコカンテラを倒せば、ばあちゃんの呪いも解けるんだね。」
僕が言うと、ばあちゃんは目を見開く。
「理屈で言えば、そういうことになるやもしれんが…。」
ばあちゃんが、言いよどむ。
「アコカンテラは強い。恐ろしく強い。
膨大な魔力で、多くの魔法を使いこなす。
それに、アコカンテラは黒い森の民じゃ。ワシと違ってまだ若いはずじゃ。」
「問題は、どうやって探すかだね。グズグズしてたら、ばあちゃんが死んじゃいそうだし…。」
僕は頭を悩ませた。
「ワシの話を聞いとるのか? お前が勝てる相手ではない。そもそも、お前は、高度な魔法と戦ったことがなかろう?」
「アコカンテラも、僕と戦ったことがないよ? 戦いなんてものは、やってみなくちゃわからない、ってね。」
僕は笑った。
「恐ろしいやつじゃ。お前の無鉄砲さが一番怖いわ。」
「まぁ、一晩考えてみるよ。どうやってアコカンテラを探すか。」
僕はそう言って、ばあちゃんの横に潜り込んだ。
「なんてやつじゃ、病人の寝台に。病人じゃないか。」
横でゴニョゴニョ言ってるのを聞きながら、僕は意識を手放した。
僕が、妖しい気配に目を覚ますと、横に毛玉がいた。
「やっぱり出てきたね。そんな気がしたんだ。」
僕が言うと、毛玉が笑った。
「生意気だね。ワタシを呼び出すなんて。
でも、しょうがないね。キミが、今の主だから。」
「力を貸してほしいんだ。ばあちゃんに呪をかけた魔道士アコカンテラを探したいんだ。」
僕はさっそく用件に入った。
「せっかちだね。
ああ、あのアコカンテラね。気味の悪いやつだ。
そもそもハナが呪われたのも、ワタシが迷宮から連れ出してくれって頼んだからなんだよね。ハナには悪いことをしたよ。
でも、あんな気味の悪いヤツが主になったら、嫌だろ?
キミだってそう思うよね。あ、アコカンテラを見たことないんだっけ。
まぁ、ハナには謝っておいてよ。もう、彼女はワタシと話すことができないからね。
主がキミに替わったからね。主しか見えないんだ、ワタシのことは。
アコカンテラね。いいよ。近いね。この島に来てるんじゃない?
同類の村に向かっているんだろうね。同類っていっても、森の民とは気が合わないんじゃなかったっけ? 黒い森の民は。
まぁ、キミも行ってみるといいよ、森の民の村に。
でも、ワタシのことは置いて行ってね。
キミが負けたら、アコカンテラが主になっちゃうからね。」
僕は驚いていた。
大賢者ラフレシアは、こんなにおしゃべりで、こんなに貫禄がなかったんだ。
「僕は、負けそうなの? けっこう強くなったと思うんだけど…。」
「戦いは、何があるかわからない。キミが言ってたんじゃなかったっけ?
まぁ、キミは単純な力とスピード勝負だからね。
確かに、キミは強いと思うよ。
でも、賢くて、経験を積んだ相手と戦うのは、苦労するんじゃない?
あと、ハナには少し、キミの力を分け与えといたほうがいいよ。
今のキミならできるんじゃない?
そうしないと、アコカンテラを倒すまで、ハナはもたないかもしれないからね。」
大賢者からは、いろいろと不吉な忠告を受けてしまった。
大賢者からは、いろいろと不吉な忠告を受けてしまった。




