75 ウホウホの思い
『おまえたちは、きょうからおれのこぶんだな?』
唐突に、ウホウホが言った。
『ちょっとまてよ、ウホウホ。こんなにぞろぞろ引き連れて、洞窟探検か?』
僕は、驚いて言った。
『どうくつはおわりだよ。こいつらが、おおあなからここまでくることができたとおもうのかい?』
ウホウホが笑って言った。
『おまえら、おおあなからきたのか? いや、そんなはずあるか! そんなことが、できるはずがない。』
ボスザルが驚いて、自分に言い聞かせるように言った。
『ゴロゴロにあやまらなきゃならないことがあるんだ。』
ウホウホが、真剣な顔になっていった。
『わりとはやくから、ぼくはこのどうくつのでぐちがわかったんだ。それも、こいつらがここをねぐらにしていたおかげでね。ぼくらは、はながきくんだ。とくにどうるいのにおいは、とおくからでもわかる。だから、ゴロゴロをうまくごまかして、でぐちをさけてきたんだ。』
ウホウホは、すまなそうに下を向いた。
『なんで…、なんで、そんなことをしたんだ?』
僕は、別に腹も立たなかったが、純粋に意味がわからずに少し混乱していた。
『ぼくはよわかったろ? とってもよわかった。だから、おおあなにつきおとされたりするんだ。ぼくは、つよく、なりたかった。つよくならなければ、ならなかった。だれもがエサにこまらないぐらいに。つよいゴロゴロといっしょに、どうくつたんけんできるなんて、さいこうのしゅぎょうじゃないか?』
ウホウホは、喜びに目を輝かせたが、また、すまなそうな表情に戻った。
『ゴロゴロには、ほんとうにわるいことをした。あぶないめにあわせたし、ながいじかんをむだにさせた。』
ウホウホは頭を下げた。
『無駄な時間だとは思ってないよ。ウホウホとの冒険は楽しかったからな。それに僕も強くなれた。』
じっさいに、自分の強さは、角猿たちと戦って確信できた。
このながい、洞窟の中での生き残りは、僕達をずっと強くしてくれていた。
突然、ボスザルが顔を上げて言った。
『このジャングルには、《おおあなからもどりしものは、ジャングルをひとつにすべる》というはなしがある。ただのよたばなしだとおもっていた。そんなやつ、いままでみたことはなかったからな。』
ボスザルは、ひとつうなずいて続けた。
『オレたちは、ついていくぜ。おまえがそれをのぞむならな。それがツノザルのおきてだ。つよいものにしたがう。』
『じゃあ、この先は地上なのか?』
僕が、聞いた。
『ああ。こうせきのかがやくおおひろまのむこうは、ちじょうだ。』
ボスザルが答えた。




