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丈夫なだけが、取り柄です…  作者: かたこり
1章 始まり - 森の中
74/97

74 ボスザル

身体の大きな角猿たちが、一気に僕とウホウホのもとに迫っていた。


ウホウホが、電光の杖を持った腕を高々と掲げると、そこから稲光がほとばしった。

最初にウホウホが使ったときの光とは、光の量も範囲も強さも桁違いだった。

僕は近くでしょっちゅう電光に巻き込まれていたので、頭を下げ、脚を地面から浮かせて最低限の被害にとどめていたし、すでに耐性ができていた。

でも、初めてこいつの直撃を喰らった奴らには同情した。

一瞬で意識がとび、膝から崩れ落ちていた。

でも、ウホウホはこの長い期間で、電光の杖を手足のように使いこなせていた。

今の電光も、僕に大きなダメージが来ない範囲で落としていた。

僕より外にいた連中は、ダメージを受けてよろめいていたが、倒れてはいなかった。

僕は、ふらついている角猿たちに立ち直る間を与えず、蹴り倒し、殴り倒していった。

あっという間に、立っている角猿たちは半数以下に減った。

それでも角猿たちは、強かった。

戦い慣れていた。

ウホウホの電光の杖を恐れるのではなく、対処する方法をすぐに考えた。

ウホウホから距離を取り、僕をウホウホとの間に置く位置をとった。

でも、僕達はもっと強かった。

僕は、角猿達より素早く動いた。

角猿の腕をかわし、背中から拳が飛び出すか、というほどのパンチを腹に決め、頭が飛んでいくかという勢いの蹴りを的確に当てた。

端から次々に、角猿を沈めていった。

ウホウホはウホウホで、僕をまたいで向こう側に電光を落とすほどに、電光を操っていた。


あっという間に、立っている角猿はボスザルだけになった。

ボスザルはいまいましげに、ウホウホの杖を見た。

『そんなおもちゃがなきゃ、たたかえないのか?』

ウホウホは笑って答えた。

『これは、さいこうのおもちゃだよ? でも、おまえとはすででたたかうよ。』

ウホウホは、電光の杖を僕に放った。


それでも、劇的な展開にはならなかった。

ウホウホも、この長い期間、電光の杖ばかりを使っていたわけではない。

ウホウホはもともと身体能力が異常に高く、角が生える頃には力も強くなり、僕と互角に戦えた。

もともとの臆病さも、長い間戦ううちに、自信へと変わっていた。


ボスザルは、一瞬でウホウホの足元に這いつくばることになった。

ボスザルは、ウホウホに触ることもできずに、重いパンチ一発で、動けなくなっていた。

ボスザルは、顔に苦痛をうかべ、目に驚きの色をたたえていた。

呼吸が戻ってから、ボスザルはやっと言った。

『つよいな。オレもとしをとったが、ウンババには、まったくはがたたなかったわけじゃなかった。おまえは、とんでもないばけものだな。』


ボスザルは、がっくりとうなだれた。

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