76 ウホウホとの別れ
角猿たちは、大丈夫だった。
結構強く殴ったつもりだったのに、しばらくすると、身体を痛そうにさすりながら立ち上がった。
電光を喰らった連中も、頭を振りながら、立ち上がっていた。
『ツノザルはじょうぶだからね。』
ウホウホが笑って言った。
全員が立ち上がると、ボスザルが言った。
『やろうども! オレたちは、このウホウホについていくことになった。オレがかんたんにまけちまったからな。ツノザルのおきてだ。』
ボスザルが、ウホウホを見た。
『ボクは、すべてのツノザルをひとつにまとめるよ。エサにありつけないツノザルがいるなんて、おかしいからね。ついてくるのがイヤだったら、ぬけてもいいよ。でも、ボクにむかってきたら、たたきつぶすよ。』
ウホウホは笑ったが、他のツノザルは笑っていなかった。
あんな戦いを見せられたら、笑えるわけがない。
でも、ウホウホがボスザルを倒した時には、みんな気絶してたけどね。
僕らは洞窟の入り口まで出てきた。
久しぶりに見た外の景色は、文字通りまぶしかった。
目が太陽の明るさになれるのに、時間がかかった。
『じゃあ、ここでお別れだな。』
僕は、ウホウホに手を差し出した。
『やっぱり、いっちゃうのかい? いっしょにきてくれたら、こころづよいけど…。』
ウホウホは、悲しそうに僕の顔をのぞき込んだ。
『ああ、こっからは、お前の戦いだもんな。頑張れよ。』
僕はながいこと留守にした、村とばあちゃんちに帰ろうと思っていた。
『ツノザルをひとつにしおわったら、また、いっしょにぼうけんできるかな?』
『ああ、もちろんできるさ。』
僕が笑って答えると、ウホウホはやっと僕の手を握ってきた。
『ありがとう。ほんとうにありがとうゴロゴロ。ボクをたすけてくれて。』
ウホウホは顔をクシャクシャにしている。
僕は笑顔で手を振って、その場を離れた。




