48 鎧獅子
僕は、昨夜眠ったところまで、鎧獅子を運んだ。
鎧獅子をさばくと、いくつかの鎧と、肉がとれた。
鎧はとても丈夫そうだったが、肉はちょっと匂いがした。
その夜、焼いて食べてみたが、肉が固くうまくはなかった。
それでも、食べられるだけ食べて、残りは火を通して保存した。
翌朝からも、鎧獅子をさがして歩いた。
子供を連れた母親は、さけた。
1匹でいる、強い気配を見つけ、近づいた。
昨日、倒した鎧獅子よりも大きく、気配も強かった。
体中に古傷があり、筋肉が盛り上がっていた。
僕は、前に出て、気配を開放した。
鎧獅子は、正面から僕を見下ろした。
攻撃的な赤い色は放っておらず、緑の落ち着いた気配だった。
強者である、自分の前に出てきた弱そうな人間に、首をかしげているように見えた。
僕は、短剣を抜いた。
鎧獅子は、僕に興味を持ったようだった。
来てみろ、というように、鎧獅子は戦闘態勢になった。
僕は、剣をかまえて飛び込んだ。
鎧獅子は、前足を振り下ろした。
僕は、横に廻り込み、鎧のないわきに斬りつけた。
鎧獅子は、鎧部分をずらして、短剣を受けた。
そのまま、身体を廻し、僕を跳ね飛ばした。
僕は鎧獅子に向いたまま両足で着地、そのまま滑ったが踏みとどまって、すぐに鎧獅子に飛びかかった。
鎧獅子の顔に行くと見せかけ、前足と後ろ足の下に、滑り込んだ。
同時に鎧獅子の腹を短剣で払ったが、手応えはない。
鎧獅子は後ろ足で地面を蹴り、身体を前転させた。
僕も地面を蹴り、鎧獅子を追ったが、鎧獅子は1回転したところで地面を蹴り、こっちに戻ってきた。
僕は、鎧獅子の硬い頭にはねられ、ふっ飛ばされた。
跳ね起きようとしたところに、鎧獅子の前足が横殴りに襲ってきた。
僕は、もういちど、跳ね飛ばされた。
着地したところで、起こそうとした上半身を、前足の爪で押さえつけられた。
鎧獅子の目が上から見下ろしていた。
鎧獅子の気配は、穏やかな緑のままだった。
僕はあがいた。
こんなに簡単に負けてしまうわけにはいかない。
だが、鎧獅子の前足は、びくともしなかった。
僕は、自分の考えが足りなかったことに気がついた。
この鎧獅子は、あのオスの牙熊よりも、強い。
牙熊と戦えるようになるために、もっと強いヤツに挑んでしまった。
あべこべだな、これは。
そう考えていると、鎧獅子の前足に、もういちど激しく投げ飛ばされた。
立ち上がって、鎧獅子を見ると、興味をなくしたように、向こうに向かっていた。




