47 荒れ地
岩山を下りると、荒れ地に入った。
日も沈みかけていたので、大きい木の下で火を焚いて眠った。
翌朝は、強い横からの日差しに起こされた。
木はところどころ生えているが、地面は赤土で乾いている。
日差しが強く、木の下を選んで歩く。
遠くに強い気配を感じる。
その強い気配は、弱い気配を追っているところのようだ。
気配を消して、走って近づいていく。
木の陰から覗き込むと、ちょうど狩りが終わって、鹿のような動物を食い始めたところだ。
鋭い牙、強靭な爪、太い四肢、関節や首などの可動部分以外を覆う硬そうな鎧。
身体の大きさは牙熊ほど大きくはない。
気配を探ると、オスの牙熊ほどの圧倒的存在感は感じなかった。
僕は木の陰から出て、気配を消すのをやめた。
鎧獅子は食うのをやめて、こちらを睨みつけた。
エサを横取りされることを、警戒しているようだ。
僕は、1歩近づいて鉄の短剣を抜いた。
僕が逃げ出さないことを知ると、鎧獅子は完全に身体をこちらに向けた。
そして、躊躇せずに飛び込んできた。
速い。
が、予想していたこともあり、僕は、横に飛んでかわしながら剣を振ったがとどかなかった。
鎧獅子は、かわされたことが意外そうだが、すぐに次の攻撃に移った。
勢いはさっきほどではなく、僕がよけると、すぐに止まり振り向いた。
そして、右の前足を叩きつけるように振った。
僕は、ギリギリのところで、後ろに下がってかわした。
そこに、鎧獅子は飛び込んできて、僕は鎧獅子の頭で突き倒された。
僕は、鎧獅子の頭を剣で受けていたが、頭の鎧のような皮膚には、傷をつけることはできなかった。
さらに、鎧獅子は両前足の爪で、倒れている僕を叩き潰そうとするが、僕は転がってかわした。
こんな、やり取りを何度か繰り返していると、鎧獅子のスピードに慣れ、攻撃パターンにも慣れてきた。
僕は、鎧獅子の攻撃をよけるたびに、鎧のないところを短剣ですばやく攻撃していった。
鎧獅子の前足、後ろ足に何度か攻撃を決めると、鎧獅子の動きは、遅くなっていった。
それでも、その後の鎧獅子の渾身の爪での攻撃は、速く重いものだった。
僕は、わずかによけ損なったが、その力を回転に変えて、瞬時に精気を爆発させた剣を、鎧獅子の首の鎧のすぐきわに、叩き込んだ。
鎧獅子は、その場で静かに崩れ落ちた。
僕の身体には、力が満ちる感覚があった。




