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丈夫なだけが、取り柄です…  作者: かたこり
1章 始まり - 森の中
46/97

46 岩山

朝になって、岩山を登った。

上空、ずっと高いところを、大きな鳥が回っているのが見えた。

木がないので、僕は上から丸見えのようだった。

僕は、赤鷲につつきまわされたことを思い出して、顔をしかめた。

「襲ってこなきゃ、いいけど。」

僕の希望は、かなわなかった。

鳥がまっすぐ、降りてきた。

僕は、赤鷲の弓を引き絞った。

やはり、僕の力では、この弓は硬い。

狙って射ったが赤鷲はかわし、足の爪がせまってきた。

僕は、横に転がってかわしたが、岩の上なので転げ落ちてしまった。

1度上空に上がった赤鷲は、僕の位置を確かめてから、もう一度、滑空してきた。

僕は、足場のよいところに登り、もう1度、赤鷲の弓を引き絞った。

今度は、精気をしっかり込めて、赤鷲を引き付けてから、矢を放った。

赤鷲は、矢が当たる寸前で身体をひねり、羽で方向を変えた。

矢はまた外れたが、精気をまとわせていたので、赤鷲の羽に衝撃が伝わった。

赤鷲は、バランスを崩し回転したが、体勢を立て直して上空に昇っていった。

赤鷲も警戒したのか、それ以上、襲ってくることはなかった。


昼頃には、岩山の頂上に出た。

風が吹き抜けて、気持ちが良かった。

このあたりで1番高いので、地形を確認することができた。

この岩山は長く続いていて、一方は森を分断していた。

もう一方は、ずっと遠くで山脈にぶつかっていた。

いま来た、村の側を見下ろすが、村は見えなかった。

ただ、川のような、森の切れ目がずっと遠くに見えた。

その向こうにあるという、湿地は見えなかった。

振り返って、今から降りる方向をみた。

虫の大穴があった。

大穴と言える大きさではなかった。

向こうの壁が霞むほどの広大な陥没があった。

穴は深く、底も霞んでいた。

この穴に降りて、戻ってきた人がいるというのが、驚きだった。

この、切り立った壁をどうやっておりたのだろう?

その縁の上は、岩場と荒れ地が広がっている。木はまばらだ。

大穴より向こう側は、もう一度森が続いているらしいが、よく見えない。

この岩山がぶつかっている山脈は、この岩山の数十倍の高さがある。

途中からは植物が生えていないように見える。

上の方は、凍っているのか、青白い。


僕は、長い間、この景色を見ていた。

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