42 ベリーの帰還
ベリーが帰ってくるまで、村で待つことにした。
ドリアンの治療は、ある程度うまくいった。
ケールは人間の身体のしくみにくわしく、ミカンが気術で補助するようだ。
骨はつながったから足は動くが、これまで通り思いのままに動くかどうかは、まだわからないそうだ。
「べつにええよ。もう、歳だし。」
ドリアンは、強がる風でもなく、言っていた。
口では僕に、助けてもらった礼を言わないが、ドリアンは僕に弓矢を教えてくれている。
ただ、「師匠」と呼ばないと機嫌が悪い。
みんながドリアンのことを「先生」とか呼ぶのが悪い。
しかたないから、なにか教えてもらうときには「師匠」と呼び、それ以外は「じいちゃん」でとおしている。
キウイたちの練習も、見に行った。
さすがに3,4日で戻ってきたら、口では喜んでくれたが、微妙な顔をされた。
こんなに短期間で、それほど上達することもないが、飽きずに地道に繰り返していた。
ズッキーニのことも、見に行った。
ズッキーニは微妙な顔をせず、単に無表情だった。
「師匠、無事で何より。」
それだけ、野太い声で言われた。
心配してくれているようだ。
ズッキーニは、ただひたすらに、木刀を振り続けているようだった。
ばあちゃんの教えは、あまり関係なさそうだったが、僕もズッキーニにならって、何度でも同じことを教えた。
そのうちに、ベリーが帰ってきた。
村長はよろこび、ベリーと2人で僕に何度も礼を言った。
欲しいものはないかと、何度も聞くが、食べたいものは、自分で狩ってくる。
よい剣を持っているし、ばあちゃんの胸当てもある。
ほしいものなんか、あるはずがない。
村長は、思いつかないからとりあえず、と、見晴らしの良いところに建つ、小さな小屋をくれた。
これは、助かる。
樹の下で寝ると、みんなが気にするし、みんなの家に何日も泊めてもらうと、こっちが気にする。
僕は、さっそく、僕の小屋に移り住んだが、明日にはばあちゃんちに帰る。




