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丈夫なだけが、取り柄です…  作者: かたこり
1章 始まり - 森の中
30/97

30 戦いの跡

しばらく川沿いに進んで、ゴツゴツとした岩山を登っていく。

ドリアンの気配は古く弱いが、他の生き物の痕跡が少ないせいか、どうにかたどって行ける。

岩山の上をしばらく進み、反対側に下っていく。


森の開けたあたりに、激しい戦いの跡があった。

木は倒れ、地面には何かがすべった跡や、巨大な爪が踏ん張った跡が残っていた。

「何が暴れたら、こんなことになるんだ?」

僕は、戦いの跡をたどって奥へ行った。

そこには、巨大な牙熊の死骸が横たわっていた。

身体には、何本もの矢が刺さっている。

僕は驚いていた。

「弓矢で倒せるものなんだ。」

弓矢は獲物との距離をかせげる。

でも、一撃の破壊力が、剣よりずっと弱い。

牙熊に近づいてよく見ると、その目にも深く矢が刺さっている。

「これが、とどめになったんだ。」

すごい腕をしている。

偶然ではなく、狙って渾身の一撃を目に命中させたんだ。


僕は、周りを見回した。

牙熊との戦いは、ここで終わっている。

でも、さらにずっと奥の方に、大きな怒りの気配がある。

その気配は、ふつうではない憎悪を燃やしている。

しかも、とても強いくて大きい。

僕には、勝てる気がしない。

近づくな。

本能がそう言っている。

ばあちゃんも、そう言ってた。

でも、そこにドリアンがいるという確信も、なぜかあった。

「もう、やられちゃってるかもしれないけど…。」


僕は、自分を奮い立たせて、そこに向かった。

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