表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
丈夫なだけが、取り柄です…  作者: かたこり
1章 始まり - 森の中
29/97

29 上流へ

似たような景色が続く。

生えている植物も、住んでいる生き物も、変わらない。

昼に休憩をとって、さらに歩き続けた。

日が傾きかけると、少し、景色が変わった。

葉の茂りかたが、だんだんまばらになり、歩きやすくなってきた。

枝の隙間も多くなり、空がだいぶ見えるようになってきた。

気温も下がってきたのか、汗が落ち着いてきた。


川岸の地形を見ながら歩き、村長とばあちゃんの話から、見当をつける。

たぶん、もうすぐだ。

大きな岩が、2つ出てきた。この上の斜面を登れば、ドリアンの小屋があるはずだ。細い道を登ると、崖のくぼみに木で作った柵が見えた。

人間がやっと通れる岩の隙間を通り、柵の前まで来た。

これならば、大型の獣は柵までたどり着けない。

中には、人の気配はない。

「ドリアンさん。いますか?」

大きな声で、呼んでみる。

返事はない。

柵には門があるが、外からどうやって開けるのかがわからない。

ミカンに習った、浮遊の気術を試してみる。

僕は、うまくバランスをとって上がることは、まだできない。

岩壁に向いて、傾いて身体を岩壁に押し付けるように、少しずつ上がっていく。

プルプルと身体が震えている。

今にも落ちそうだ。

どうにか柵の上を超えていく。

柵の先が尖っているのが、とても危ない。

僕のおしりにめり込んでいるけど、怪我はしていない。

完全に柵を超えてから、集中を解く。

地面に向かって激しく落下を始め、無様な格好で着地する。

立ち上がって、土ぼこりを払う。

小屋と言うには立派な建物だった。入口を引くと開くが、やはり中に気配はない。

部屋の中は片付いているが、今朝まで人がいたような空気ではない。

机の上にも、気術を使わないと気がつかない程度に、ホコリが薄っすらとかかっている。

「しばらく、留守にしているみたいだな。」

小屋の中の椅子や、食器や、壁にかかった弓矢から、ドリアンの精気の波長を探る。

中には、違う気配も混ざっている。

ベリーが来ていたのかもしれない。

ドリアンの気配をたどって、表に出る。柵の入口は内側からは簡単に開いた。

よく見ると、外側からも狭いところに手を突っ込めば、開けられるようになっていた。


僕は、さっき登ってきた狭い道を、ドリアンの気配をたどって降りていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ