23 気術の練習
ミカンは僕に、いくつかの気術の使い方を簡単に説明した。
「どの気術を使いたいかよりも、どの気術を使えるかを知ったほうがいい。人それぞれ、向き不向きがあるからね。」
ミカンは言った。
僕は、説明された順に、試していった。
指先からの明るい光は、簡単に出た。
明るさは強くなったり、弱くなったり、安定しなかった。
明かりを落として、精気のかたまりを飛ばすことはできた。
まっすぐ飛ばなかったり、フダにあたらなかったり、力が安定しなかったり、精度は悪かった。
足から精気を噴出させ、わずかに浮くこともできた。
これは、バランスを崩してすぐに転んだ。
傷を治療するというのは、感覚的によくわからなかった。
傷というものが、よくわからなかった。
獣を近付きにくくすることも、よく理解できなかった。
ばあちゃんが、木の上の家にしているヤツと同じだと思うが、どうやっているのか感覚がわからなかった。
生き物の歩いた跡をたどることは、できた。
生き物が放つ気配より、はるかに弱い気配が、地面に残されているのを見つけることができた。
が、見つけにくく、すぐに見失った。
僕の気術に、ミカンは感心してくれた。
「はじめから、ここまでできる子は、いないよ?」
ミカンがほめてくれた。
僕としては、はじめてという気はしなかった。
ばあちゃんから習ったことを、変化させたり、方向を変えたり、放出のしかたを変えたりしただけだった。
ほかにも、ミカンはいろいろと研究しているようだったが、理解できないので、聞かなかった。
「あんたは、精気を凝縮して飛ばすことが、1番向いているみたいだね。昔の達人で、火や氷を飛ばした人もいたそうよ。なんか、きっかけっていうか、火種みたいなものが、必要だろうけどね。」
とにかく、習ったことを強く確実にできるように、今日から練習することを、僕はミカンと約束した。
そして、お礼を言って、僕の気術の練習は終わった。
まだ、早かったので、僕は散歩をしようと、外に出た。
少し歩くと、村長がこちらに向かって来ているところだった。




