22 気術
ミカンの気術は、スゴかった。
翌朝からミカンの家の裏庭で気術を習うことになった。
もう1日、コメの家で泊めてもらったあと、ミカンの家に移ることになった。
コメも、キウイも、お母さんも、なごりおしそうにしてくれた。
「まだ、何日かこの村にいるから、また来るよ。ありがとう。」
僕は、笑顔でコメの家をあとにした。
ミカンは裏庭で、気術をいくつか見せてくれた。
ミカンは指先を上に向け、ジッと見る。
指先はじょじょに明るくなり、焚き火よりも明るくなった。
「わ!」
僕は驚いた。
これなら、夜間や洞窟の中も、歩いていける。
光は、じょじょに小さくなり、消えた。
次に、ミカンは大きな木の方を見た。
20メートルほど離れた木の枝に、木のフダがいくつかヒモでぶら下げてあった。
ミカンが集中して手を差し出すと、そのフダのうちの1枚が向こうに激しく跳ね上がった。
ミカンの手の先から強い気配が飛ぶのを感じられたので、目に精気を集中させて見てみた。
指先から、かがやく光が飛び出すのが、見えた。
その光は、鋭くフダまで飛び、フダを跳ね上げた。
「スゲー!」
僕は驚いた。
ばあちゃんから習ったことの中にはなかったし、聞いたこともなかった。
人は、練習すれば、こんなこともできるようになるんだ。
フダを何枚も跳ね上げたあと、ミカンは手をおろして、また静かに集中した。
すぐに、ミカンの身体が浮き上がり始めた。
「うお!」
これにも、驚いた。
それほど高くはないが、確実にミカンの身体は浮き上がっている。
ミカンはゆっくりと着地し、少し乱れた呼吸を整える。
「これは、精気を大量に消費する。大した使いみちはないが、敵は間違いなく、驚く。」
僕はもういちど、驚いた。
敵を驚かすだけなんだ。
その他にも、目に見えにくい気術がたくさんあるとのことだった。
小さな傷を治療したり、獣が近付きにくくしたり、生き物が歩いた跡をたどったり。
その、いくつかを、教えてもらえることになった。




