20 練習
朝、目が覚めると、知らない家だった。
ゆうべは、大人たちは盛り上がっていたが、子どもたちは先に帰った。
キウイの案内でコメさんの家に行くと、キウイのお母さんが待っていた。
とても優しそうな人で、やはり、お礼を言われた。
コメさんから事情を聞いていたみたいで、僕の分の敷布を用意してくれていた。
夕食は、大イノシシですませていたので、キウイとお母さんと少し話して、眠りについた。
顔を洗って、用意してくれた朝食を食べ、キウイと外に出た。
少し歩くと、猟師小屋の隣に訓練場があった。
でもそこは大人の猟師たちが使う場所みたいで、そこから少し離れた静かな木立の中の空き地に出た。
みんなは、もう集まっていた。
「おはよう。」
みんなが、うれしそうにいった。
なんだか、楽しみにしていたようだ。
「おはよう。」
僕も、こたえた。
「俺たち、前からときどきここに集まって、狩りの練習をしてたんだ。もっと強くなって、自分たちで狩りができるようになりたいな、って。」
ザクロが言った。
「ええ。私たちはまだ子どもだから、基本的なことしか教えられてないの。かってに狩りに出たら危ないからって。」
プラムも言った。
「ウチは気術師の家系だから、短剣や弓矢はだれも使えないんだ。でも、僕は、森の中で生きるには、気術だけじゃなくて、短剣や弓矢も使えたほうが、いいと想うんだ。」
ユズは、彼なりに考えていたらしい。
「ウチでは小さい頃から、狩りについて教えられてきた。でも、体も小さいし、力がないから、強くなっている気がしない。」
キウイも、なやんでいたようだ。
「わかった。僕がばあちゃんに習ったことをおしえる。大変だと思うけど、練習すれば、強くなる。」
僕は、最初にばあちゃんに習った、基本的な練習方法を教えた。
自分の身体を思い通りに動かすこと。
それに必要な力。
腕、腰、脚の連携。
無駄のない動き。
僕は、みんなに教えながら、ばあちゃんってスゴイな、って思った。
何も考えずに剣を振っていても、いつかは強くなるかもしれない。
でも、それは、とても遠回りだ。
「いまは、これだけしか教えられない。自分の身体を、強く、速く、正確に動かせるようになったら、まだ僕から教えられることがある。」
僕は、彼らの顔を見た。
彼らは真剣な目をしていた。
次に会ったときには、ずっと強くなってるのがわかった。
「ありがとうございました。」
みんなが、頭を下げた。
「え? うん、どういたしまして。」
僕は、なんだか、恥ずかしくてモゴモゴしてしまった。




