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丈夫なだけが、取り柄です…  作者: かたこり
1章 始まり - 森の中
20/97

20 練習

朝、目が覚めると、知らない家だった。


ゆうべは、大人たちは盛り上がっていたが、子どもたちは先に帰った。

キウイの案内でコメさんの家に行くと、キウイのお母さんが待っていた。

とても優しそうな人で、やはり、お礼を言われた。

コメさんから事情を聞いていたみたいで、僕の分の敷布を用意してくれていた。

夕食は、大イノシシですませていたので、キウイとお母さんと少し話して、眠りについた。


顔を洗って、用意してくれた朝食を食べ、キウイと外に出た。

少し歩くと、猟師小屋の隣に訓練場があった。

でもそこは大人の猟師たちが使う場所みたいで、そこから少し離れた静かな木立の中の空き地に出た。

みんなは、もう集まっていた。

「おはよう。」

みんなが、うれしそうにいった。

なんだか、楽しみにしていたようだ。

「おはよう。」

僕も、こたえた。

「俺たち、前からときどきここに集まって、狩りの練習をしてたんだ。もっと強くなって、自分たちで狩りができるようになりたいな、って。」

ザクロが言った。

「ええ。私たちはまだ子どもだから、基本的なことしか教えられてないの。かってに狩りに出たら危ないからって。」

プラムも言った。

「ウチは気術師の家系だから、短剣や弓矢はだれも使えないんだ。でも、僕は、森の中で生きるには、気術だけじゃなくて、短剣や弓矢も使えたほうが、いいと想うんだ。」

ユズは、彼なりに考えていたらしい。

「ウチでは小さい頃から、狩りについて教えられてきた。でも、体も小さいし、力がないから、強くなっている気がしない。」

キウイも、なやんでいたようだ。

「わかった。僕がばあちゃんに習ったことをおしえる。大変だと思うけど、練習すれば、強くなる。」


僕は、最初にばあちゃんに習った、基本的な練習方法を教えた。

自分の身体を思い通りに動かすこと。

それに必要な力。

腕、腰、脚の連携。

無駄のない動き。

僕は、みんなに教えながら、ばあちゃんってスゴイな、って思った。

何も考えずに剣を振っていても、いつかは強くなるかもしれない。

でも、それは、とても遠回りだ。

「いまは、これだけしか教えられない。自分の身体を、強く、速く、正確に動かせるようになったら、まだ僕から教えられることがある。」

僕は、彼らの顔を見た。

彼らは真剣な目をしていた。

次に会ったときには、ずっと強くなってるのがわかった。

「ありがとうございました。」

みんなが、頭を下げた。

「え? うん、どういたしまして。」

僕は、なんだか、恥ずかしくてモゴモゴしてしまった。


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