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丈夫なだけが、取り柄です…  作者: かたこり
1章 始まり - 森の中
18/97

18 ドコンの村


ドコンの村に着き、リーダーのコメが門の中に声をかけると、門が開いた。

門の中にはたくさんの人が集まっていた。

「ご苦労であった。怪我はないか?」

小柄なのに、どこか貫禄のある白ひげのおじいさんが、リーダーのコメに聞いた。

「ええ、誰も。我々は何もしていないので。」

コメが、気まずそうに答えた。

「どういうことじゃ?」

コメたちに運ばれてきた大イノシシを見下ろして、おじいさんがきいた。

「このゴロゴロが、ひとりでしとめました。」

コメたちが僕を見て言うと、みんなが僕を見た。

「子どもじゃないか。」

「まさか…」

「大イノシシをひとりで?」

周りがざわついた。

「いや、本当のことじゃろう。」

白ひげのおじいさんが、僕をじっと見据えて言った。

おじいさんの視線に、なんか体の中にふれられてるような、不思議な感覚をおぼえた。

「村長、そんな…。」

周りの人たちは、それでも信じられないという顔をしていた。

「ワシが村長のドンブリじゃ。ゴロゴロといったかな?村を代表してお礼を言わせてくれ。ありがとう。」

貫禄のあるおじいさんが、頭を下げている。

なんだか、くすぐったい。

「うん、わかった。」

僕は、照れ笑いで感謝をうけとった。

「ゴロゴロも知ってのとおり、大イノシシは力が強くて、気性が荒い。放っておいたら、村や畑がめちゃくちゃにされてしまう。この村の精鋭4人に託したが、正直なところ、コメたちも無事ではすまないと思っておった。」

コメたちも、だまってうなずいていた。

「この村まで、大イノシシが下ってくることは、めったにないのじゃがな。数が増えて、縄張りを勝ち取れない若いヤツが、ここまで来たのやもしれん。」

僕はうなずいた。

やっぱり、僕も思っていたとおりのようだ。

いままで、ばあちゃんと2人の食べる分しか狩らずにきたが、よく状況を見て、考える必要がありそうだ。

「この大イノシシは、ゴロゴロが対価なしでゆずってくれるそうです。」

コメが、村長に報告した。

「よいのか?」

村長が僕を見る。

「いいよ。」

「そうか。それは、ありがたい。」

村長がうれしそうにうなずいた。

「それではみんな、うたげをひらこう。ゴロゴロを歓迎しようではないか。」

みんなの歓声がわきおこった。


村の中心の広場で、猟師や女性たちが手ぎわよく大イノシシを焼き、みんなに配った。

僕にも、焼かれた大イノシシ肉を持ってきてくれた。

肉を頬張っていると、次々と僕の周りに人が集まってきた。

たいていは、大イノシシ退治と肉のお礼だった。

「ウチの畑は、ポリポリの実がちょうど成っているところなんだ。大イノシシに畑に入られたら、全部やられるところだった。助かったよ、ありがとう。」

「大イノシシ肉なんて、初めて食べるわ。脂が乗っていて、とても美味しいわ。ありがとうね、おにいさん。」


また、強くなるコツを聞きにきた、若い猟師もいた。

「大イノシシが来る前に、ガッと行って、ズドンとすれば…。」

僕がていねいに説明すると、微妙な笑顔を残して、去っていった。

僕と同じ歳くらいの少年と少女たちもよって来た。

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