16 下流の村へ
僕は、何日か出かけてくると、ばあちゃんに言った。
川の下流の村に行ってみると言うと、ばあちゃんはいろいろと教えてくれた。
ドコンというその村は、この川の近くにあって、百人以上が住んでいる。
ほとんどの住人が、狩猟、採集、農耕をして、生活をしている。
そして、森の外の町へ行って、森の素材と町のモノを交換している。
住人の中に、ばあちゃんと昔、仲良くしていた人がいる。
今では、ばあちゃんは長い時間歩けなくなり、しばらく会っていない。
まず、その人を訪ねる。
こんな情報をえて、僕は出発した。
森の中は気持ちがいい。
木の生い茂っている所があれば、少しひらけたところもある。
色んな種類の鳥が鳴き、小動物が走り回る。
地形もなだらかなところがあり、急な崖もある。
この辺のことは、狩りで歩き回っているので、よく知ってる。
太陽が高くなったところで岩の日陰を見つけ、干し肉とパンで昼食をとり、休憩をした。
もう少し歩くと、よく知らない地域に入る。
狩りでも、あまり、来ることがなかった場所だ。
初めてみる景色によろこびを感じながら、歩き続けた。
地形は、ばあちゃんちの周辺よりもなだらかなことが多く、大型の獣の気配も減ってきた。
森の木も、いくらかまばらになり、陽の光がたくさんふりそそいでいる。
日が傾きかけた頃、遠くに人の気配がたくさん感じとれた。
ばあちゃんが言ってたとおりの時間と場所に、村はあった。
僕は、そっちに向けて歩き出した。
村にだいぶ近づいたところで、1匹の大イノシシの気配を感じた。
今日は、この瞬間まで、こんなに近くに大イノシシの気配を感じることはなかった。
放っておくには、村に近すぎるようだ。
村の人達は、大イノシシを狩るほどには、強くはないと聞いている。
僕は気配を消して、大イノシシに近づいていった。




