11 氷山の短剣
ばあちゃんとの生活をはじめて、2年がたった。
僕は、ばあちゃんが決めたところの16歳になった。
恒例の誕生日パーティをしたあと、プレゼントを貰った。
「今度は、氷河の短剣じゃぞ。」
ドヤ顔で、ばあちゃんが言った。
それは、透明感のある青黒い刃をもった、美しい短剣だった。
「これは、マグマの短剣と対を成す、短剣じゃ。気をつけて使わんと、凍傷になるぞ。」
例のごとく、2人で岩場に来ていた。
ばあちゃんは、氷河の短剣をかまえて集中している。
しばらくして、剣先からこぶし大の氷が落ちた。
落ちた氷をしばらく見ていたばあちゃんは、
「精進せい。」
と、言い残して帰っていった。
これも、扱いにくいことにかけては、マグマの短剣と対を成していた。
氷、吹雪、水、水蒸気が、どこに飛ぶかわからなかった。
心を穏やかにして使うのがいちばん扱いやすいのは、マグマの短剣と同じだが、やはりその効果は物足りなかった。
苛立って、荒々しく精気を剣に込めると、自分の両足が凍ることになった。
その日は、なかなか家に帰ることができなかった。
このあたりは熱帯で、一年中蒸し暑い。。
そこで、氷河の短剣は、便利に使われることになった。
慎重に氷を出せば、冷たい水を飲むことができた。
大きめの氷を出せば、暑い夜にも涼しく眠ることができた。
ふと、あることに気がついて、ばあちゃんに話しかけた。
「僕ばかり祝ってもらって、悪いよ。ばあちゃんの誕生日はいつ?僕が祝ってあげるよ。」
「女性に年齢をきくつもりかい?子どもは余計なことを考えなくて、いいんじゃよ。」
ばあちゃんは、ニヤリと笑った。




