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貴族様と言われたい  作者: チョウリョウ
第3章  スワイケルド公国編
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策士


### 【第三都市ヒメラセ攻略計画概要】


第三都市ヒメラセ攻略計画。バレン家派閥に属する同都市は市民不満と財政悪化の脆弱性を利用し、「外部からの威嚇」→「傭兵団解雇」→「内部から攻略」という三段階で計画。


### (1)情報精査

  市民不満および財政状況

・第三都市の税率は平均の1.5倍。生活必需品への課税が重い。

・バレン伯爵の浪費により守備兵を解雇。防衛機能は低下。

・それを補うため傭兵団を雇うライアン率いる斥候部隊が「ラッツ傭兵団」他複数の存在を確認。


(2)経済戦略実施

・都市周縁部への小規模攻撃を定期的に行い第3都市に圧力をかける。

・守備兵不足を補完する形で傭兵団依存度を高めた上で傭兵団の継続雇用をさせる。


(4)傭兵団解雇とベルガー家の新規雇用

・計画通り第三都市の金銭枯渇によるラッツ傭兵団他複数傭兵団の解雇計画。

・解雇確認後ベルガー家使者を通じ、ラッツ傭兵団他複数傭兵団の新規雇用交渉。条件は「第三都市内側からの攻略」採用理由は都市内部へ再侵入の成功の可能性が高い。



## ≪経済戦略≫


作戦会議でアレクシスが指揮棒を振る。


「我々は明日から第三都市に対して小規模な攻撃を繰り返す」彼が宣言する。「ただし城壁を直接攻撃するのではない。周辺の畑や集積所を狙え」


将校たちが顔を見合わせる。


「傭兵団に『敵が近づいている』と思わせ。傭兵団は毎日給与を要求させる」


「第三都市の財政状態を考えれば……」


「傭兵団の費用で金が底を尽きる」


「正解だ」アレクシスが頷く。「最終的には彼ら傭兵団を解雇せざるを得なくなる」


## ≪心理戦≫


数週間後。傭兵に払う金がなくなる。


第三都市の傭兵団長ラッツが領主邸に出向く。


「閣下」ラッツが険しい表情で告げる。「我々の契約期間が満了します。給与未払いで兵士の士気が低下しています」


領主バレン伯爵が舌打ちする。「分かった。延長分の支払いは追って行う」


「信用できませんな」ラッツが厳しい表情で言う。「我々は明日までに撤退させていただきます」


## ≪契約終了≫


翌朝。第三都市の城門前。


「皆の者!荷物をまとめろ!第三都市との契約は終了した!」ラッツが大声で叫ぶ。

傭兵団が撤退をする。ほかの傭兵団も続き第三都市から撤退する。


# 逆転の一手


## ≪ギルドでの出会い≫


「契約終了報告を頼む」ラッツがギルドの窓口に立つ。「第三都市ヒメラセとの契約は完了した」


「了解しました」受付嬢が書類に目を通す。「ちょうどよかった」


「なにが?」


「実は……」別のギルド職員が奥から現れる。「パベル王国のベルガー家があなた方を雇いたいと」


「ベルガー家?」ラッツが怪訝な表情を浮かべる。


「詳しくはこの方に」職員が手招きする。


廊下の奥から紳士的な男性が現れる。「私はベルガー家の使者です。あなた方が第三都市ヒメラセを攻略を依頼したい、そのための必要な準備はすべて整えております」


「なぜ我々を?」ラッツが疑念を隠さない。


「契約終了直後の傭兵団が最適だからです」使者が微笑む。「あなた方が第三都市に再侵入するのに警戒されることは、あまりないでしょう」


「なるほど」ラッツの目に理解の色が灯る。「ずいぶんと策士がいるものだ」


「報酬は倍額を保証します」使者が確約する。


## ≪心の葛藤≫


深夜。ラッツ傭兵団の宿舎。

「本当に受けますか?」副官が問う。


「どう思う?」ラッツが聞く。


「契約的に問題はありませんが……」副官が言葉を選ぶ。「我々は一度彼らのために働いたのです」


「だからこそだ」ラッツが立ち上がる。「第三都市の領主は傭兵を単なる消耗品としか見ていないし、市民にとっては悪い領主だ、金さえ払えばどんな仕事でもさせると思い込んでいる。俺の嫌いなタイプだ」


「罠かもしれません」


「いや」ラッツが確信を持って言う。「この策を考えた者は我々の価値を理解している。『敵を欺くにはまず味方から』か……」


「詩人みたいなことを」


「昔読んだ本の台詞だ」ラッツが苦笑する。「しかし実際に有効だな」


「では?」


「契約を受けよう」ラッツが決断する。「ただし一つ条件を付け加えたい」


「どのような?」


「第三都市の市民に危害を加えないこと」ラッツが静かに言う。「それが我々の信条だ」


## ≪無防備な侵入≫


翌朝。第三都市城門前。


ラッツ傭兵団と他の傭兵団が笑い声あげながら第三都市入っていった

守衛たちが混乱する。「なんだ」「バレン家に金を払てもらってなまた第三都市ヒメラセを守ることになった」堂々と入っていく。「そういうことかと」何も疑わず中に通した


「金をもらったのはベルガ家だがな」ラッツが笑う。傭兵団が都市内を闊歩する


都市内部へ侵入成功、都市の要所へ向かい、


「作戦開始」ラッツが合図を送る


「門を閉じろ!」ラッツが叫ぶ。「内側から鍵をかけるんだ」


「了解!」傭兵団員たちが迅速に行動する


「詰所を抑えろ!」別の隊長が命令する。「衛兵を無力化せよ!」


傭兵団が手慣れた動きで各所を制圧していく。城壁の監視塔も占拠され、鐘楼からは偽の警報が鳴り響く。


「市民に騒がないよう伝えろ!」ラッツが指示する。「我々は都市を解放する者だ!」


## ≪最後の一手≫


領主館の玄関が轟音と共に吹き飛ぶ。

「出てこい、バレン伯爵!」ラッツの怒号が響き渡る。「もはや逃げ場はない!」


館内から悲鳴が上がる。豪華な衣装を纏った太った男が現れた—第三都市の領主バレン伯爵だ。


「お前ら……傭兵団!?何故戻ってきた!?」伯爵が震える声で問う。


「ベルガー家にやとわれた」ラッツが冷たく言い放つ。「裏切り者」「裏切者?俺はお前に雇われた、そしてお前は金を払わず、契約が終了した、そして俺はベルガー家に金で雇われた、俺たち傭兵は金のために働く、それ以上でもそれ以下でもない」


「金ならいくらでも……」伯爵が懐から財布を取り出す。


「金あるんじゃねえか」ラッツが短剣を突きつける。「未払い分として貰っとくよ」奪い取る


伯爵の顔から血の気が引く。かつて雇われていた傭兵団に裏切られるとは!


「投降しろ」ラッツが命じる。「そうすれば命だけは助けてやる」


伯爵は恐怖に震えながら両手を挙げた。こうして第三都市最大の障害は取り除かれた。


## ≪凱旋の時≫


第三都市攻略の三日後。


「ベルガー家軍のご来臨!」


荘厳な行列が第三都市の通りを行進する。先頭には騎乗したアレクシスが悠然と進み、両脇にはベルガー家軍が整列している。


群衆の中から歓声が上がる。市民たちは新時代の到来を喜び、ベルガー家を連呼する。


「よくやってくれた」アレクシスがラッツと握手を交わす。「あなたの機転と判断力のおかげだ」


「我々は契約を果たしただけだ」ラッツが謙虚に答える。「ずいぶんな策士だね」笑う


アレクシスが微笑む。

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