ダメ男、ダメダメ(ダリオ、ダメ男編)
## 追跡の刃
夜明け前の薄明かりの中、馬車の車輪が土埃を巻き上げていた。光雷卿の行列は必死にヒヘルを目指していた。
「追手が来る!」
近衛隊長カルロスの叫びに全員が振り返る。数十騎の影が地平線を切り裂いていた――幻影軍だ。
「速度を上げろ!」
光雷卿が指示を飛ばす。
「妻の馬車は?」
「後方におります。おそらく……」
近衛兵の言葉が途切れる。
## ファリスの覚悟
後方でファリスの馬車が車輪に投げ槍が刺さり止まっていた急停車していた。後方から数十の騎影が迫る。侍女の執事が剣を構える。
「ファリス様を守れ!」
執事が叫ぶ。彼の顔に溝ができているが声は平静だった。
ファリスはハインツを抱き締めながら前方を見る。そこには停車した夫の馬車の灯火。
「あなた……止まらないで」
彼女の声は風に消された。「貴方は止まらないで……」
近衛隊長カルロスが近衛兵に光雷卿の馬車を出すように言う「おい!」
「奥さまは私が、光雷卿はヒヘルへ」ファリスを助けに向かう
## 誇りの最期
侍女が前に出る。「ファリス様!この場をお任せを!」
「私も共に」
執事が盾を掲げる。
馬が嘶きを上げる。幻影軍が迫る。
その瞬間、三本の矢が侍女の胸と腹を貫く。彼女は膝をついた。
「ミラ(侍女の名)!」ファリスが悲鳴を上げる。
執事が盾で敵の刃を受け止めながら進む。「ファリス様!早く馬車へ!」
「貴方も……」
「私のことよりご自分を!」
執事の盾が弾け飛び、彼の右腕が宙を舞う。それでも左腕で敵兵の喉笛を掴み地面に引きずり下ろした。
## 殉国の愛
カルロスの馬が砂塵を蹴立て現れ幻影兵を切り殺す。
「ファリス!早く!」
だがファリスは動かない。マルコス馬に乗り血塗れの身体でファリスの前に立ちふさがる。
「ご主人様の元へ!早く!」
「できません!」
2人が乗ったら重さで追いつかれると思ったファリスが
ファリスがハインツを差し出す。「ハインツだけでも……」
カルロスが少年を抱き上げ馬に乗せる。「お約束します。必ず……」
「お願いします」ファリスの声が震える。
一礼して駆け出すカルロス
「ハインツのあなた(光雷卿)幸せを……神に祈ります」
彼女が両手を合わせ祈るように目を閉じる、そこに殺到する幻影兵
## 救いの絶命
「誰の許しを得て俺の閣下の奥様を奪おうとしている?」
轟音と共に何かが戦場に飛び込んできた。巨大な武器が旋回しながら幻影兵を薙ぎ払う。
「ぐわぁっ!」
首が宙を舞い、2人目の胸板が縦に引き裂かれる。
「何奴だ!」
幻影兵の怒号の中、一人の大柄な男が立っていた。腕には無数の古傷。両手には異形の武器――長い柄の先に斧と槍と鉤爪が複合したような「絶命ハルバード」を握っている。
「ダリオ・ヴェルデ……?」
の瞳が微かに見開かれた。
「面白そうなんで来ました、奥様」
ダリオ・ヴェルデの顔には珍しい微笑みが浮かんでいた。
「ダリオ・ヴェルデ様……何故こんな所に?」
ファリスが疑問を投げかける。
「奥さまがお呼びになれば世界の果てからでも馳せ参じます。ましてや目の前にいらっしゃるなら尚更ですよ」
ダリオの目が無邪気に笑った。
絶命が猛威を振るう
カルロスが近づいてくる
「助かりました」
「このあと救出向かう、あと頼む」(分かる人にはわかるネタ)
そういって馬に乗っていく
# 月下の刃
## 闇夜の幻影
闇夜の森を抜けた平原で激突が続いていた。松明の明かりが交錯し、鋼の音が月明かりを切り裂く。
「下がるな!光雷卿の脱出路を確保せよ!」
マリイカの叱咤が響く。彼女の率いる五百の騎馬隊は倍以上の敵に囲まれながらも懸命に抗戦していた。
「マリイカ殿!敵は我々の数倍!」
副官の声に彼女は馬上で冷笑した。「だからどうした。ここで潰れてこそ栄誉というものだろう」
## 喰らいつく闇
だが敵は暗闇での戦いに熟達していた。松明の明かりを巧みに利用し、影から影へと移動する。
「後方を取られた!」
副官の絶叫。マリイカの背後に回り込んだ幻影軍が一斉に矢を放つ。数百の鏃が夜空を彩り……
「避けろッ!」
マリイカの警告が遅かった。彼女の騎馬兵四十が矢に倒れ伏す。
「畜生め!」
彼女は歯噛みし、長槍を振るう。「退くな!守れ!」
だが疲労は隠せない。徐々に包囲網は縮まっていった。
## 崩れゆく陣形
「マリイカ殿!右翼が崩壊!」
副官の悲痛な報告。敵の騎兵三百が突破し始めている。
「光雷卿は?」
「馬車があります!」ファリスの壊れた馬車
マリイカの瞳に苦渋の色が浮かぶ。彼女の騎兵二百は既に四散しかけていた。
「このままでは……」
突然背後から弓、彼女の騎馬が矢を受け転倒する。地面に叩きつけられる。
「殺せ!」
幻影兵の哄笑が近づいてくる。マリイカは剣を構えるも落ちた時に左脚を骨折したのだろう思うように動けない。
「ここで終わるのか……」
彼女の額に汗が滲む。絶体絶命の状況。
## またまた絶命のハルバード
「誰の許しを得て俺のマリイカを奪おうとしている?」
轟音と共に何かが戦場に飛び込んできた。巨大な武器が旋回しながら幻影兵を薙ぎ払う。
「ぐわぁっ!」
三つの首が宙を舞い、五人目の胸板が縦に引き裂かれる。
「何奴だ!」
幻影兵の怒号の中、一人の大柄な男が立っていた。腕には無数の古傷。両手には異形の武器――長い柄の先に斧と槍と鉤爪が複合したような「絶命ハルバード」を握っている。
「ダリオ・ヴェルデ……?」
の瞳が微かに見開かれた。
「面白そうなんで来ました、マリイカ」
ダリオ・ヴェルデの顔には珍しい微笑みが浮かんでいた。
「ダリオ・ヴェルデ様……何故こんな所に?」
マリイカが疑問を投げかける。
「マリイカがお呼びになれば世界の果てからでも馳せ参じます。ましてや目の前にいらっしゃるな‥」
ダリオの言葉遮り「光雷卿は!」
「ああ無事だよたぶんヒヘルに向かってる」
「騎馬隊撤退!!」ここで戦う意味がない
# 夜明けの涙
## 闇を抜けて
マリイカとダリオは朝焼けに染まる小さな村落に辿り着いていた。幻影軍を逃れた疲労困憊のマリイカは村長の好意で空き家を借り受けた。
「まずは怪我の治療を」
村長が水桶を置き去る。マリイカは礼を述べ寝た。
「大丈夫か?」
ダリオが尋ねる。彼の豪快な態度と優しさを帯びていた。
「……ダリオさん」
彼女の声は乾いていた。
## 三つの喪失
怪我の治療のために村にいた夜に村人から聞いた話に、壁にもたれた。
「孤児院時代から一緒だったスベッチが処刑された。昨日のことよ」
彼女の瞳に光がない。
「同じ頃引きあげてもらった、孤児院で育った3人全員死んでしまった、私だけ残った」
指を折る仕草。三本目で止まる。
肩を震わせる。「私たち四人、ずっと一緒だったのに……」
ダリオの胸で泣いた、
ダリオは黙っていた。彼の額に脂汗。戦闘後の興奮と女体の全身を駆け巡る。
「マリイカ……」
彼の声がかすれる。
「何よ」
「悪い……俺も……限界かもしれん」
突然ダリオがマリイカを床に押し倒した。
「何をするの!」
抵抗する彼女の手を抑える。ダリオの目に獣のような欲望が宿っていた。
「逃げるなら逃げてくれ」
ダリオが自分の欲望と戦い手を少し緩める
「いいよ」小さくいった、悲しみを紛らわしたかったのか、命の恩人に何か返したかったかわからないが・・・




