05
○
「戦車、一台潰してきた。これで軍も動かざるを得ないだろうよ」
「傑作だ」
「ああー超体がダルイぜ。俺もトマホークの旦那同様寝かせてもらう」
「ああ、良いだろう。ところで南の街でこんなのを見つけたがどうだ?いるか?」
暗黒不死鳥が持っていたのはゴスロリ服だった。
「ああー、喋り方難しいんだけどな。一応貰っておくよ。」
ジャージも気に入ってきたところだが、と悪態は尽きながらも丁寧に服を貰う。
場所は廃ビルの二階。
「しっかしさ~トマホークのにいちゃんは今回も寝たまんまだったね」
話を切り出したのは、小さな大鋏。
「それは違う」
「?」
「今回はこれからが本番だからな、お前たちも休める時に休んでおけ」
「お言葉に甘えまして僕も寝るとするよ、その前にお風呂入りたいな、ソードのねえちゃん銭湯しらない?」
「せ、銭湯ならここをでてすぐの場所に小さいのがあったわ。き、気付かなかった?」
「え?どこどこ?教えてよ。あ、そうだこれからフェニックスとソードのねぇちゃんと三人でそこ襲って乗っとるってのはどう?」
「も、もう特別非常事態宣言が出てるから、誰もいない」
「つまらない~。まあいいやお風呂に入れれば良しとするよ、で場所は?」
「わ、私もお風呂に入りたいから一緒にいきましょう」
「うん、そうしてくれると助かる~」
「ふぇ、フェニックスも一緒にどうですか?」
「今回は遠慮しておこう」
「わ、わかりました」
そう言い残すと二人は廃ビルから出て行った。
「ふぁあ」
「何だ?トマもう起きるのか?」
「いいや、ションベンだ」
「そうか」
「ところでフェニックス・・・あそこで寝ているジャージの娘は誰だ?」
「ミナだが」
珍しいものを見たと言わんばかりの視線を送るがすぐに、
「他の連中は?」
「今、出ている」
「連帯行動ってもんがなってねぇな」
「お前に言われたらおしまいだよ」
ミナヅキと司は驚愕していた。
理由は二つ有る。
第一の理由が、イザヨイが完治していた事。
これについては後に二人から説明を受け、納得した。
が、もうひとつの第二の理由にはどんな裏事情があるのかさっぱりとわからなかった。
これは何かの厄災の前触れか?
いや、『一級指定災害集団』レッドアイズの襲撃を受けている今、これ以上の厄災は困る。
何が二人を戦慄させているかというと。
「遅かったのう、二人とも」
「おい、司これは目の錯覚か何かか?」
「今、僕が見ているありのままの事を話すと」
レイが料理をしている・・・。
あの食い意地が服を来て歩いていると言っても過言では無いレイが。
「さ、早く食べるがよい」
しかも、提供してくれている。
見た目は豪華に色艶も美しく、今にもすぐに食べたくなる様な料理ばかりが並んでいる。
「お前料理出来たのか・・・」
「無論じゃ。何十年も生きておれば出来て当たり前のすきるじゃ」
「お前の場合何十年どころじゃないだろうが、ここはあえてツッコまずに食べさせてもらう」
「司はどうじゃ?食べていくか?」
「あ、ああ、そうだね僕も頂いて行くとしよう」
「じゃ、じゃあ頂きます」
一口ぱくっと食べたところで二人は固まった。
強烈に不味い。
見た目はこんなにも美味そうなのに。
いや、だからこそか、そのギャップで何倍ものギャップで不味さが増している。
「どうしたのじゃ?早く感想を述べよ」
「何が有って、料理したかしらんが、二度とお前に包丁は握らせねぇ」
「こ、これにはミナヅキと同意見だよ」
「やはりダメじゃったか、最後に料理したのが七十何年前だったかのう。調味料が増えすぎていて何をどうすればいいのかさっぱりじゃった」
じゃあ何故作ったのか。
「くそっ不味い」
それでも一向に箸を止めないミナヅキ。
「ミナヅキ、無理に食べなくてもいいんじゃないかな?」
「どんな、に、不味くても・・・こいつがどんな腹づもりで作ってたにしてもよ、食べ物は粗末にしちゃいけないだろう。おいお前もこのなんだかよくわからない味がする奴の処理を手伝え」
目線をレイとイザヨイに向ける。
「はぁい、分かりました」
「わしは味見で腹いっぱいなんじゃが」
それぞれ応えて。
「いただきます」
「うむいただくがよい、そしてわしもいただくが」
料理を食べ始めた。
「だいたいよ、イザヨイ。お前がいてなんでこんな自体になったんだ?」
「だって私料理出来ませんし」
「うえ、不味い。誰じゃこんな不味い飯を作ったのは!」
「お前だよお前!」
その様子は一見して兄妹のような”家族”のような団欒だった。
司は思う。
兄弟・・・と。
司にも兄弟はいる。
腹違いだが。兄が二人。
全員が全員軍部の上層部を任されている。
あの男の指示で。
「海月高校から、聖が盗まれたそうだよ、兄さん」
「奏少将。今は公務中だ」
「失礼、響中将」
「今、公務は終わった、何だ奏お前の所には今連絡が入ったのか?」
「いや、話は大分前に上がってきてたけどさ。あの末弟がこの話を聞いたらどんな顔をするかと思ってさ」
奏と呼ばれる男の顔にはあからさまに邪悪な笑みがこぼれている。
「奏、お前はそういうところがあるから未だに私を越えられんのだよ。才能はあるのに勿体無い」
響と呼ばれる男の顔には呆れがあった。
「それに、虎徹・聖だが今は司には黙って経過報告を見ろとのことだ」
「なんで、なんで、なんで?あの末弟が知ったら絶対に泣き崩れるじゃん?そんな顔見れないなんて悲しいよ」
「奏、もしもだが、この聖強奪の件、裏でその司が手を引いていたとしたら?」
「ない、ない、ない。あの末弟が、あの臆病者が、そんな大胆不敵な所業出来るわけ無いじゃん」
「私も無いとは思うが、司が手を引いていたとしたら次にどう動くと思う?」
「わっかんないな~。やっぱ父上への復讐?ははは!ありえる~」
「とにかく、今はレッドアイズの件で手も回せまい。今は放置だ」
「ナンバーズもまた一名か潜り込んだようだよ、兄さん」
「あちらこちらからこの街になんの用があるのかね」
「兄さんともあろう方がわからないはずないでしょ、”父上が住む街”だよ?ここは」
次の日は雨が降っていた。
ジトジトと。
「いい天気になったよ、ママ。うん、そう、ナンバー0の回収かレッドアイズの内誰か一人でも殺れば僕は自由になれるんだって。僕頑張るよ。どっちの方が楽かな?ナンバー0の目撃例はこの街でちらほらと出ているんだけどさ僕としてはさ、こんなにいい天気なのに探しものを探す方が馬鹿馬鹿しいかなって。大丈夫だよ、もうアジトも見つけたしこんなにラッキーな事はなかなかないかなって。うん、そう、ありがとうママ。愛してる」
場所はレッドアイズが拠点としている廃ビル前。
一人のまだ幼さも残る顔の男が雨合羽をかぶり独り言をつぶやいていた。
「本当にいい天気になったよ、ママ」
雨が止まった。
やんだのではない。
雨の水が空中で静止しているのだ。
そして、それぞれが細かい針状へと形を変え廃ビルへと向かい飛んでいった。
「ナンバー156・・・自由のために戦うよ。ママ」
いち早くそれに気付いたのは、大槌少女だった。
「なんかやべぇもんがくるぞ」
それは勘としか言いようが無いものだったが、すぐにハンマーを取り出しぶん回していた。
瞬間窓ガラスは割れ、大量の水が針状になって襲い掛かってくる。
すぐさま大槌少女の後ろへと隠れた、血染めの手斧と何処かへと姿を消した、暗黒不死鳥。
小さな大鋏と剣閃乱舞は今日は不在だった。
また、どこかで殺しでもしているのだろう。
「手応えなしっと、やっぱり奇襲だけじゃダメだったよ、ママ」
雨がまた降りだした。
「どういう事だハンマー」
「知るかよ、ったくまだ体中が痛いってのに」
「ならば私が行くか」
と手斧を取り出し階段を下っていく、血染めの手斧。
「ほう旦那が戦うところなんて久々に見るぜ」
という言葉を背に受けて。
「向こうから降りてきたよ、ママ」
「今の攻撃はお前か?」
「そうだよ。レッドアイズ」
「そうか、ならば殺す」
取り出した手斧をすかさず振り下ろす。
しかし、
「今日は本当にいい天気だよ、こんなにも水が沢山あるんだから」
手斧は止まった。
止められた。
ナンバー156に当たる前に水の塊のようなもので。
「ふんっ。貴様はやはりと言うかナンバーズか」
「そうだよ、僕の能力は水操作、知ったところで今日の僕には勝てないからだろう教えてあげるよ」
「ずいぶんと舐められたものだな」
「舐めるなんてとんでもないよ、僕は僕の能力を正しく判断しているだけだ」
「たかだか水を操れる程度の能力で雨の日は無敵だと言いたげだな」
「言いたげじゃないよ、言っているんだよ」
雨は更に強くなっていく。
「僕の水達、凍れ」
降っていた雨は氷となりその全てが、血染めの手斧へと向かい飛んで行く。
「その程度造作も無い」
血染めの手斧は持っている手斧を縦横無尽に振り氷の雨を捌ききった。
「ガタイがでかいだけのパワーキャラかと思ったけどそんな芸当もできるんだね、恐れいったよ」
切られた氷は水へと戻りナンバー156の足元へと集まる。
「ちょっと真似したくなっちゃったじゃない」
足元へと集まった水たまりから氷の剣が生えてきた。
「ねえその手斧と僕のこの剣どっちが先に折れるか勝負しない?」
「ふんっ」
血染めの手斧は手斧を横薙ぎに振るった。
「さも氷ごときが斧で、しかも剣のような細いフォルムの氷が斧で折れないはずがないとでも言いたげだね」
紙一重のところで避けつつその後の血染めの手斧の連撃も避けつつ言葉を続ける。
「だけどね、それ”大きな間違い”」
振り落とされた手斧を今度は避けずに正面切って受けきった。
氷の剣は折れていない。
「僕の氷の剣は硬いんだよ?なんてね。折られたすぐそばから再生させてるだけなんだけどね、これで分かるでしょ?僕と君の力の差が」
「ああ、分からないな」
「まだ分からないのか~しょうが無いね、さらにこの氷の剣だけじゃなく今も降り注いでる雨も僕の意のままに操れると言ったら?分かるよね?」
「そんなもんがどうした」
「こうするんだよ」
氷よりも静かな声でそう言った。
氷の剣は形を変え手斧を飲み込みその持っていた手すら飲み込もうというところで、血染めの手斧は手斧から手を離した。
手を離すのと同時に今立っていた場所から大きく後ろへ跳躍する。
間髪入れずにそこには大量の氷の剣が空から降り注いでいた。
それを廃ビルの二階から見ていた、大槌少女はつぶやく。
「バカめ、旦那はな、手斧を持ってないときの方が厄介なんだよ」
ニヤァと笑いながら。
「いいの?唯一の武器をそう簡単に手放しちゃって?」
「構わん、すぐに取り戻す」
震脚。
アスファルトすら割る勢いで。
実際に割れていた。
「え?」
何が起きたのか分からないといったナンバー156。
アスファルトを生身で割る人間を見たからではない。
その後自分に突進してくる、血染めの手斧のスピードにだ。
たかだか五キロと言った小さな手斧それが無いだけで人はあそこまで動けない。
もはや目で追うことすら難しい。
「ぐはッ!」
何も出来ずに、水のバリアすら張れずにそのスピードの乗ったタックルを正面から受けてしまったナンバー156。
奪ったばかりの手斧を簡単に落としてしまう。
大槌少女よりは少し遅いそのスピードではあるが初見のナンバー156にとっては脅威だった。
「昔少し武術を齧っていてな歩法を少しばかり研究していたよ」
手斧を拾いながら言う。
「人間の知恵は素晴らしいな、最小の力で最大の能力を引き出すことに特化している」
更に手斧を手遊びして言う。
「これは言わばハンデのような物だ、手斧を持っている時は全力を出してはいけないと、なぜならば人間は脆い。少し本気を出したところでお前のように立てなくなる」
「ああ!痛いよ、ママ!助けてよ、ママ」
ナンバー156はもう戦意を喪失していた。
ここから逃げ出そうと這っていた。
「生憎だが、ここで殺す」
振り上げた手斧は右手、ナンバー156の右手を切断した。
血が流れる雨水と混じりどこまでも流れていく。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
「そういう甲高い悲鳴は少女にこそ出してほしいものだがな」
再度手斧を振り上げ振り下ろそうとした時、血染めの手斧は違和感を感じた。
体が重い?
何故?
雨に打たれすぎたか?
いや違う。
「はぁはぁ、自由の代償が右手一本なら安いもんだよね、ママ」
流れでた血が、血染めの手斧に纏わり付いていたのだ。
「この期に及んで何をしようというのだね?」
「水よ!こいつを殺せ!」
血も含んだ水全てが、血染めの手斧の口めがけて飛んでいった。
「最初からこうしていればよかった・・・少し遊ぼうとした僕が悪いんだよね?ママ」
水は空気を含まない。
大量の水が口の中に注がれたとしたら呼吸ができなくなる。
当たり前だが窒息死してしまう。
ぴくりとも動かなくなった、血染めの手斧を見届け、
「やったよ!ママ、僕の勝ちだこれで自由になれるんだ」
「おいおい誰かさんよ・・・まさかうちの旦那が殺られるとは思わなかったがこのまま逃げ帰れるとは思ってないだろうな?」
ドン!グチャァ!
背後から振り下ろされたハンマーにはファンシーな文字で100㌧と書かれていた。
ナンバー156は地面のシミになっていた。
「フェニックスの旦那!どうすんだ?トマホークの旦那が殺られたぞ」
どこからとも無く現れた、暗黒不死鳥は、
「傑作だ」
一言だけ残し、またどこかへと消えていった。
「トマホークの旦那が殺られた」
さっき起きたことを話す大槌少女。
「外でくたばってたね」
見たまんまを話す、小さな大鋏。
「だ、誰にやられたんですか?」
剣閃乱舞は尋ねる。
「ナンバーズだ」
淡々と話す。
「で?フェニックスはなんて?」
淡々と聞き返す。
「傑作だつってどっか行ったよ」
「な、ナンバーズですか」
「まあ正直相性というかなんというか、ただ単に寝起きの旦那は弱いからな」
俺でも殺せそうだぜという、大槌少女。
「まあ報復つーかなんつーかそいつは一応殺しといたけどよ、そろそろここ出ないといけないかな」
場所は廃ビルの二階。
「それは別にいいんじゃない?」
「ふぇ、フェニックスはなんて?」
「いや、別に何とも言ってなかったけどよ」
「じゃ現状維持に一票」
「わ、私も現状維持です。いつまでも残ってると普通思わないじゃないですか?そ、その逆を行くっていうかなんていうか」
「ま、じゃ二対一で現状維持つーことで」
「異議なし」
「な、無しです」
数秒の間が空いた。
「ああー。しっかしよ~旦那の最後ときたら笑えたぜ窒息だよ窒息。ぎゃはは」
「見てみたかったな~トマホークのにいちゃんは確かに弱かったけどさ、だから体鍛えたり拳法っていうの?とかやってたみたいだけど最後はあっけないね」
「ふ、二人共悪いですよ~」
「「死んだ奴が悪い」」
息ぴったり。
「てめぇもそんなこと言って内心笑ってるんだろ?」
「そ、そんなことありません」
「もう~ソードのねえちゃんは嘘が下手くそだな~口元が笑ってるよ?あはは」
「だ、だって窒息でしょ?う、動けなかったワケじゃないのに何してたのよ?」
「ただもがいてただけだぜ?ぎゃはは。ダッセーつーの」
「トマホークのにいちゃんにはいつも笑わせてもらってたけど、今回が一番おもしろいよ。あはは」
場所は変わって東雲宅、正確には司が用意した隠れ家。
イザヨイとレイは料理本とにらめっこをしていた。
「ねえレイさん、ミナヅキ様の好物はなんなのでしょうか?」
「肉じゃ!」
「肉じゃがですか、何とも家庭的な料理が好きなのですね」
「いや、肉じゃ。肉じゃがでも良いが、基本的に肉が入っておれば何でも構わん」
「育ち盛りなのですね」
などと噛み合ってるのか噛み合ってないのか分からない会話をしていた。
その隣では虎徹・聖を丁寧に研いでいる司。
「こんな大業物をまさか学校の体育館の地下に隠していたとは・・・軍部は何を考えてるんだ」
虎徹・聖はこの家で管理することになった。
というのも本来の東雲宅、ここではなく東雲家では軍の息が掛かった人間が居るかもしれない程のでかい家である。
そんな中、虎徹・聖を置いておくわけにはいかず、このセキュリティが何重にも掛かったマンションで管理することにした。
虎徹・聖は東雲家の家宝であり、司の亡くなった母の形見である。
つまり司は母方の姓を名乗っている。
父親は嫌いだった。
自分が生まれてすぐに母を捨てたという。
それどころか母は浮気相手であり本妻は別に居たというから司は余計に父親を嫌いにならずにはいられなかった。
その父親がこの国のトップだというからいっそこの国を滅ぼしてやりたいなんて思ったことも一度や二度では済まない。
父親の名前は藤堂幻十郎、この国のトップであり軍部の最高司令だ。
「藤堂幻十郎が考えることなんて俺らに理解できるわけ無いだろ」
眠そうな顔をして出てきたミナヅキは司に一言言う。
それだけで十分だった。
「でも、今僕は母の形見を手に戻した」
「これでお前は折れない一本の刀となれる」
ああ、ありがとうと司。
「ところで、ミナヅキ様!お好きなお料理はなんでございましょう?」
「食えりゃなんでもいい」
レイより酷い答えが返ってきた。
「と言うか疑問だったんだが、ミナヅキが料理をしてたんだよね?」
「ああ、料理なんてテキトーに具材を切って塩コショウ撒いて醤油掛けとけばなんとかなるだろ」
雑!
雑すぎる。
料理を冒涜している。
「だからこの前のレイの料理はびっくりしたぜ、何の味がしてるのか分からない」
「結局完食したんだよねあれ・・・」
「ああ、飯は残さない主義だ」
「レイちゃんあれから料理に目覚めたらしいよ、今日も料理本を買ってこいとおねだりされてさ」
「昨日も何やら作ってたな。おい」
「何じゃ?」
「どういう風の吹き回しか知らんがお前に包丁はあと十年早い」
「ハハッ!十年などあっという間じゃ」
「お前が言うと納得しそうになるから怖い」
「ミナヅキ様!私は?私の料理は食べてくれるのでしょうか?」
イザヨイは聞く。
「食べるだけでいいなら食べてやる」
「はぁい!頑張って作ります」
今日の飯当番が決まった。
ところで、司の非常用携帯電話が鳴る。
味気のないピピピという音。
「東雲大佐です」
他の三人は気配を消す。
「はい、分かりました直ちに現場に向かいます」
どうやら非常事態のようだ。
「どうした司」
ミナヅキは聞く。
「どうやらレッドアイズとナンバーズが戦い相打ちしたそうだよ」
先ほどのことだが、と付け加える。
「聖はさすがにもっていけないんだろ?」
軍として動くためには聖の事は隠さなければならない。
「大丈夫、無銘の鞘に入れていけば下っ端にはわからないさ」
「そんなもんかね」
「場所は廃墟街らしい。今から急行せよとのことだ。悪いけど行ってくるよ」
「おう、いってら」
虎徹・聖を入るように改造した無銘の鞘に入れ司は出て行った。
「何も兄さんが出て行くこと無いんじゃない?」
「奏少将、今は公務中だ」
「失礼、響中将自ら出陣する必要は無いのではないでしょうか?」
「相手は『一級指定災害集団』レッドアイズだ。複数いる可能性も居る私やお前が出な
くて誰が行くのだ?」
「その為の司大佐出陣だと聞いてますが」
「司大佐は弱い、一人では危険だ」
そう言うと足早に去っていく。
「全く末弟思いのお兄さんだこと・・・」




