「カンガルー喫茶(創作掌編)」
時ははるか未来。
メイド喫茶、萌え需要、バブみ。時を経るにつれて、オタクの願望というのはどんどんエスカレートしていった。
そして、行き着く先は「安全な世界」。
言ってしまえばママの胎内でオギャバブしたい!!
という妄想から生まれた超技術!!
その名もカンガルー喫茶!!
可愛い女の子のポケットの中に入って、哺乳瓶でミルクを飲ませてもらえる、あま~い体験ができるのだ!
「とか最近流行ってるけどさ、今度行ってみねぇ?」
オタク大学生、霧原は前代未聞のカンガルー喫茶というものに興味津々である。
「流行りものにすぐ飛びつくのはやめようよ霧原ァ…麻薬とか闇バイトとか最近流行ってるだろ?」
同じくオタク大学生、うちの親友の三須はへっぴり腰である。俗に言うヘタレというやつ。
「そうやって流行りものを楽しまず、一歩も踏み出さないなんてオクレてるぜ!」
霧原は三須を置いてカンガルー喫茶に向かう。
「おい!置いてくなって!バカ!知らないからな!」
そんな三須の背中を見送りながら、俺は一人でカンガルー喫茶を楽しむとします…か。
「おかえりなさいませ!赤ちゃんの皆さま!」
思った通りだ。可愛いキャストさんがいっぱい。
ウッヒョー!みんなポケットをつけてやがるぜ!
「まずはこちらのミクロ化レーンをお通りください!ちっちゃくなって、ママのおなかにはいる準備をしましょう!」
おぉ、どうやってポケットに入るのかと思ったらまずは小さくなるのか。
ミクロ化レーンを通ってみる。だんだんネジが大きくなっていくのはとても内側から見ていて面白いぞ?
「次にこちらです!カンガルー化光線!しっぽとおみみでかわいくなっちゃいましょう!」
これまた随分本格的な。
耳が上に伸びて、しっぽのほねがだんだんびよーんとなって、だんだんママのおなかにかえりたくなって…ねむくなっちゃった…
「そうやって流行りものにピョンピョン飛びついて、袋の中で眠ることしか出来ないお前たちに何が残ってると言うんだい?」
え…?ママ…?
…は?
霧原にはもう反論できるほど顎の筋肉も、知能も残されていなかった。
微睡んでいく意識の中、受けるはずだったママからの愛を想像して…
「と、こんなところで親友が助けに来たらサイコーだと思わないか?」
三須!?なんでここに!?
「親父が警察官でな。こう見えても俺野球部だったんだぜ?追ってた事件にこっそり乱入したわけよ。」
三須はガシッと霧原のいる束を掴み取り、非常用反カンガルー化装置に向かって剛速球を投げる。
「サンキュ。今回は助けられた。」
すっかり元に戻った霧原は反カンガルー化装置で人間に戻った人たちの波に紛れてずらかるのだった。
と、このように、地球融和コンペに向けてプレゼン資料を作ってみましょう。今回はこのように失敗パターンを映像化しましたが、こうやって文化を下地に地球融和を始めていくのですよ?いいですか?しかし今回のは「ダメな例」ですからね?
来週融和コンペですからね。どこがダメだったのか考えて、改善点を直したものを忘れないように。
毛皮に覆われたカンガルー型宇宙人が研修ビデオを見て、頷きながらワークシートに書き込む。
もしかしたら、近くにあるあのお店も、宇宙人の侵略かもしれませんよ。
ーENDー




