華奢なお嬢様 卒業2
ユーリはマリアを馬車に乗せ公爵家に急いだ。
かすり傷だが血がでている。
「お兄様、リリーは無事?怪我はない?」
「あぁ、大丈夫だ。とにかく診察してもらおう。」
マリアはリリーに会いたがったが先に治療したかったユーリが無理矢理馬車に乗せ帰った。
診察の結果ケガはたいしたことはなくほっとしたが、ユーリは納得いかないことがあった。
「落ち着いたか?」
「えぇ助けてくれてありがとうお兄様。リリーったらバカよ!あの子が目当てなのにわたくしを助けようとして先に逃がすなんて!守ってあげられなかったわ、、、うっぅ、、っっ、、」
そっとハンカチを差し出し涙を拭いてやる。
「あぁ、リリーらしい。たぶん自分が目的なんて思ってなかったのだろう。それとマリア、いつも私達に言ってから外出するように言ってあったはずだが?」
顔がひきつる。無事ならいいという兄ではなかった。冷静に行動を責めてくる。
「リリーと内緒の買い物があって、一時間位で帰ってこれるからいいかなと思ったの。だけど、あんなことになるなんて、軽率でした。ごめんなさい。」
項垂れるマリアにユーリがハッキリと告げる。
「お前はもう学院には通えない。僕達と明日卒業するんだ。僕達がいないとどれだけ危険なめに遭うかわかっただろう。学院だって安全ではない、卒業して僕達がいなくなったらいつ拐われるかわかったもんじゃない。」
マリアは冷静さを欠いていた。初めて誘拐され怖いめにあったばかりですっかり兄の言うことを信じてしまっていた。
マリアの怯えにつけこみ諭すユーリ。殿下とレオンがこれ幸いと学院卒業と外出制限を言い含めろと言ってきたときにはもうドン引きである。ピンチをチャンスにとは正にこれだなと納得してしまった。そして正常ではない思考状態のマリアは
「わかったわ。あんなに怖い思いはもうしたくないわ。お兄様達と一緒にいれば安心安全だしね。それにリリーも卒業するのでしょう。」
逆に危険だがな、、、思っていても顔にはださない。
「ああ。」
「それならいいわっっ!」
「卒業後は僕達と一緒に王宮に通おう。殿下の側近だから王宮に登城するがお前達も一緒に行こう!」
「心配かけて、本当にごめんなさい。まぁわたくしはリリーと一緒ならどこでもいいわっ!」
しょんぼりしていたがリリーが大好きなマリアはすんなり丸め込まれた。ユーリは騙されてくれてよかったと胸を撫で下ろした。




